むちうちで後遺症になったら?後遺障害等級認定の仕組みと手続きのやり方

2019年02月04日

交通事故の怪我が症状固定と言われたら?

買い物中に後ろから来た車にはねられて、交通事故の被害にあった。
その後首が痛み出したので、整形外科を受診すると、「頚椎捻挫」と診断された。

約6ヶ月間通院をし、治療に行っても症状の変化がみられない状態……。
担当医には、「そろそろ症状固定になる可能性があります。後遺障害の認定をした方がいいですよ。」といわれた。
「自分が後遺症!?このままこの首の痛みやしびれと付き合っていなかければけないの!?」

ーー
交通事故による怪我で通院を続けていたのに、医師から「症状固定時期ですね」と言われてしまったあなた。

「手続きはどうすればいい?」
「慰謝料ってどのくらいもらえるの?」
「本当に治らないの?」と、一人でお悩みありませんか?
今回の記事では、後遺障害等級認定の仕組みや手続きなどついて説明していきます。

▶︎参考:交通事故の怪我むちうち。頚椎捻挫の種類と通院先、慰謝料についてはこちら!

▶︎参考:示談の流れについてはこちら

▶︎あわせて読みたい:むちうちについて詳しく知りたい方はこちら

▶︎参考:交通事故後、しびれが止まらない。後遺症になる可能性は?

後遺障害とは?

「後遺障害と後遺症は何が違うの?」そう思いますよね。
簡単に言うと、後遺症の中に後遺障害というものが含まれます。

後遺障害と区別されるまでの過程をまとめてみました。以下3つです。

  • ①交通事故の怪我の治療で、これ以上症状の回復が見られない(=症状固定)
  • ②症状固定と診断され、後遺症が残る
  • ③後遺症になった症状の中で、後遺障害の等級に該当するものが後遺障害となる

▶︎参考:むちうちによる背中の痛み。後遺症になる可能性も…

▶︎参考:

後遺障害等級認定を申請した方がいい理由は?

「後遺障害等級認定を申請した方がいいよ。」といわれたとき…。何故、後遺障害等級認定を申請するのか知っておいた方が納得できますよね。

後遺障害等級認定をすることで入通院慰謝料とは別に、後遺障害慰謝料や逸失利益というものを受け取ることができるからです。

後遺障害慰謝料とは、後遺障害を負ったことで生じた精神的苦痛に対する慰謝料です。後遺障害等級が認定されれば、認定された等級に応じた慰謝料が請求できます。
▶︎参考:後遺症になるまで支払われる「入通院慰謝料」について、詳しく知りたい方はこちら!

逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下しなければ、得られたはずの利益のことです。

後遺障害等級認定の仕組み

後遺障害等級認定の仕組みを知っている方は、少ないと思います。
ここでは、「誰が後遺障害を認定するのか。」「どうやって後遺障害を認定するのか。」「基準はあるのか」という疑問に答えていきたいと思います。

認定する機関

後遺障害を認定するのは、損害保険料率算出機構という機関が行っています。
この機関は、参考純率と基準料率の算出・提供および自賠責保険の損害調査を主な業務としています。

認定方法

後遺障害等級認定は、後遺障害の内容を書面で証明する「書面主義」で行われます。
したがって、書面に記載されていない後遺症は、等級認定の審査の対象になりません。記載漏れをしてしまうと、大きな不利益を被る可能性があるので、十分注意しましょう。

認定基準

後遺障害等級認定には、症状によって等級が決まっており、その等級ごとで慰謝料の金額が設定されています。しかし、後遺障害等級認定では「自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準」の3つの基準が適用されるので、慰謝料の金額に差が出てきます。

▶︎参考:後遺障害の等級ごとの慰謝料の金額はこちら
▶︎参考:3つの基準について詳しく知りたい方はこちら

後遺障害等級認定の手続き

もし後遺症になった場合、どのように後遺障害等級認定を進めていけばよいのでしょうか?簡単にまとめてみました。

必要な書類

後遺障害等級認定をするときに揃えておくべき書類はこちら。

  • 自賠責保険支払請求書(支払指図書)
  • 交通事故証明書・事故発生状況報告書
  • 診療報酬明細書及び診断書
  • 後遺障害診断書
  • レントゲン、MRI等の画像

請求方法は2種類

  • 事前認定:相手の保険会社に申請の手続きを任せる方法
  • 被害者請求:被害者自身が申請の手続きを行う方法

▶︎参考:請求方法について詳しく知りたい方はこちら

手続きの流れ

請求方法別における手続きの流れはこちら。

事前認定の流れ

後遺障害診断書を任意保険会社に提出するだけです。
その後は、任意保険会社が後遺障害等級認定の手続きを進めてくれます。

被害者請求の流れ

  • 手続きに必要となる書類を自ら収集・作成し、自賠責保険会社に対して自賠責保険金の請求を行う
  • 自賠責保険会社が、被害者から送付された各種書類の内容を確認し、損害保険料率算出機構に送付
  • 損害保険料率算出機構が、送付された書類で後遺障害等級の審査を行い、審査結果を自賠責保険会社に報告
  • 自賠責保険会社が、提出された損害保険料率算出機構の調査結果を踏まえて、慰謝料の金額を決定
  • 等級認定の結果が被害者に通知
  • 後遺障害慰謝料と逸失利益の受け取り

後遺症が残ったら後遺障害等級認定を!

いかがでしたか?

後遺障害と認められれば、後遺障害慰謝料と逸失利益を受け取ることができます。もしも後遺症が残ったら、後遺障害等級認定をするようにしましょう。

▶︎参考:逸失利益についてはこちら