交通事故による内臓破裂…治療方法や後遺症が残った場合の対処法

2019年02月01日

交通事故で体に大きな衝撃を受けると、内臓が破裂してしまう可能性があります。「内臓破裂」と聞くと、かなり重傷な怪我を負ったイメージがありますが、どのような治療を受けることができるのでしょうか。

また、内臓破裂が後遺障害として残ってしまった場合、被害者はどのような手続きを取ればよいのでしょうか。

今回は、

  • 交通事故による内臓破裂の生存率
  • 交通事故で内臓破裂となった場合の治療方法
  • 内臓破裂の症状別後遺障害等級

などについて解説していきます。

交通事故で内臓破裂…生存率はどれくらい?

「内臓破裂」とはその名の通り、胃や腸、肝臓や脾臓、腎臓などの内臓が、交通事故や転落事故などによって破裂してしまうことをいいます。

交通事故で内臓破裂となってしまった場合の生存率は、破裂した臓器の種類や損傷の程度によって異なります。したがって、内臓が破裂した場合の生存率を「何パーセント」と一概に言うことはできません。

交通事故による内臓破裂の症状は?

内臓破裂は、体の内部にある臓器が破裂している状態のため、症状が外見にあらわれることはありません。
交通事故で内臓破裂となってしまった場合、腹膜炎による激痛や血圧の低下といった症状があらわれるようです。

また、損傷した臓器によってあらわれる症状も異なります。以下に、内臓損傷による症状の代表例をまとめてみました。

    呼吸器系の損傷

  • 肩甲骨付近の痛み
  • 胸が締め付けられるような痛み
  • 胸全体で咳き込む
  • 息苦しさがある
  • 心臓の損傷

  • 胸が苦しくなる
  • 動悸
  • みぞおちの痛み
  • 背中の痛み
  • 肝臓の損傷

  • 顔が黒みがかる
  • 右の肋骨付近が痛む
  • 爪が変形したり色が黒ずむ
  • 腎臓の損傷

  • トイレが近い、または遠くなる
  • 体がむくんだり冷える
  • 背中から腰の痛み

以上のような症状があらわれる前でも、交通事故にあったら病院を受診し、体の状態を診てもらうことが大切です。

内臓破裂の治療方法

交通事故で内臓破裂となってしまった場合の治療方法は、損傷の程度や出血の有無によって異なります。

軽度な損傷で腹腔内に出血していない場合は、経過観察を行い自然治癒を試みるようです。また、縫合が可能な場合は、損傷した箇所を縫い合わせる治療を行うこともあります。症状が重い場合は、手術を行い内臓を摘出しなければいけない場合もあります。

内臓破裂した場合の治療費は誰が支払う?

交通事故による内臓破裂の治療費は、損害賠償として加害者に請求することができます。損害賠償とは、交通事故で様々な損害を受けた被害者に対して、加害者がその損害の埋め合わせを行うことです。

被害者に支払われる損害賠償は、3つ。

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

それぞれの内容を見ていきましょう。

積極損害

積極損害とは、交通事故にあったことによって被害者の出費が余儀なくされた場合に発生する損害です。

積極損害として請求できる代表的なものは、以下のとおりです。

  • 治療費・診察費
  • 入院雑費
  • 手術費
  • 通院交通費
  • 付添看護費
  • 装具・器具等の購入費 など

消極損害

消極損害とは、交通事故が原因で、被害者が本来得られるであろう収入や利益が減少してしまった場合に発生する損害です。

消極損害は、「休業損害」と「逸失利益」の2つに分かれています。

  • 休業損害
  • 交通事故の怪我が原因で仕事を休まなければいけなくなり、被害者の収入が減少してしまった場合の損害を補償。

  • 逸失利益
  • 交通事故の怪我が後遺障害になってしまったことで被害者の労働能力が低下し、本来得られるはずであった収入や所得が減少した場合の損失分。

慰謝料

慰謝料とは、交通事故にあったことによって被害者が受けた精神的苦痛を、加害者が金銭で補ったものです。

被害者が請求できる慰謝料は、以下の3つ。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

▶︎参考:交通事故の被害者に支払われる慰謝料について詳しく知りたい方はコチラ

交通事故による内臓破裂は後遺症になることも…

交通事故で内臓破裂となってしまったら、最悪の場合、内臓を摘出することもあるようです。内臓を失ってしまったら、体に様々な障害が残ってしまうかもしれません。また、内臓摘出まではいかなくとも、手術によって以前よりも内臓の機能が衰えてしまう可能性もあります。

交通事故で内臓破裂となり、後遺症が残ってしまったら、後遺障害等級認定を行いましょう。

後遺障害等級認定の申請方法

後遺障害等級とは、後遺障害に1~14級の等級がついたものです。1級が最も重い症状となり、14級が最も軽い症状となります。後遺障害等級が認定されることで、被害者は等級に応じた後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。

後遺障害等級認定の申請方法は、2つ。

  • 加害者請求
  • 被害者請求

加害者請求

加害者請求とは、後遺障害等級認定の申請手続きを、すべて加害者側の任意保険会社に任せる方法です。被害者がすべき事は、加害者側の任意保険会社に対して、後遺障害診断書の提出を行うことのみです。

被害者請求

被害者請求は、被害者本人が加害者側の自賠責保険会社に対して、後遺障害等級認定の申請手続きを直接行う方法です。被害者は、手続きに必要な書類をすべて自分で集め、加害者側の自賠責保険会社に送る必要があります。

▶︎参考:被害者請求に必要な書類について、詳しく知りたい方はコチラ

交通事故で内臓破裂になってしまったら…

交通事故で体に大きな衝撃を受けると、内臓破裂となってしまう場合があります。「内臓破裂」と聞くと、かなり重症な怪我のイメージがありますが、損傷の程度が軽い場合は自然治癒する可能性もあります。しかし、場合によっては内臓摘出となってしまったり、手術をしても後遺症が残ってしまうこともあります。もしも交通事故で内臓破裂となってしまい、後遺症が残ってしまったら、後遺障害等級認定の申請手続きを行いましょう。