後遺障害等級の認定期間はどれくらい?認定が遅い理由や対処法

2019年04月11日

交通事故による怪我の後遺症が残り、症状固定と診断されると後遺障害慰謝料を請求することができます。後遺障害等級の申請をしたのに、なかなか結果の知らせがこない…と不安に感じてはいませんか?今回は、後遺障害等級が認定されるまでの期間や流れ、対応が遅れているのでは?と思った時の対処法についても解説していきます。

後遺障害等級認定の流れ

交通事故の怪我による後遺症が残り、医師から症状固定と診断された場合は後遺障害等級認定の手続きを行いましょう。後遺障害等級の認定を受けることで、症状に応じた後遺障害慰謝料を請求することができます。後遺障害等級認定の申請方法には、事前認定と被害者請求があります。また、等級認定のための審査は、第三者機関である損保料率機構が行っています。まずは申請方法別の特徴と認定、後遺障害慰謝料の支払いまでの大まかな流れをご説明します。

事前認定の場合

事前認定は、後遺障害診断書などの書類を提出することで、加害者側の任意保険会社が必要書類を用意して申請手続きを行ってくれる申請方法です。

    後遺障害診断書を保険会社の担当者へ提出します。

    損保料率機構にて調査が実施され、後遺障害等級が認定された場合は保険会社に結果通知が届きます。

    審査結果について保険会社から被害者に連絡がされます。結果が明らかになった後に示談交渉が開始され、示談成立となった後に後遺障害慰謝料が一括で支払われます。

被害者請求の場合

被害者請求とは、すべての必要書類を集め、申請手続きを保険会社に任せず自分で行う方法です。

    後遺障害診断書、交通事故証明書、診療報酬明細書、その他多くの必要書類を自分で用意し、加害者側の自賠責保険会社へ提出します。

    損保料率機構にて調査が実施され、後遺障害等級が認定された場合は結果通知が自賠責保険会社に届きます。

    決定した金額で後遺障害慰謝料が自賠責保険会社から支払われます。その後の示談交渉は後遺障害慰謝料を除いた分の支払いについて行われていきます。

事前認定や被害者請求には、それぞれにメリットとデメリットが存在します。後遺障害等級認定の申請について解説した記事もありますので、併せてご覧ください。

▶︎参考:”交通事故のむちうち。請求できる慰謝料の相場や後遺障害認定のポイント”

後遺障害等級認定までの期間

後遺障害等級認定の申請から、認定を受けるまでの期間は個別のケースにより変わってきますが、多くの場合1~2ヶ月程度とされています。

認定までに時間がかかっているのは何故?

nayamu

事案によっては認定までに2ヶ月以上かかってしまう場合もあり、なかなか通知がこないと不安に感じる被害者の方もいらっしゃるかと思います。何故時間がかかってしまうのか、以下のような理由が考えられます。

医療照会に時間がかかっている

後遺障害の等級の審査を行う機関はへの申請時に提出された書類のみでは、判断が難しいケースがあります。その場合、事故当時者に事故の状況を確認したり、病院の医師に問い合わせて詳細の確認をしようとします。その際、医師が多忙であるなどの都合から、病院側の対応に遅れがあると調査結果が出るまでの期間も長引くことがあります。

特定事案により、上部機関での調査が行われている場合

脳外傷による「高次脳機能障害」に当てはまる後遺障害の場合、自賠責損害調査事務所の上部機関である地区本部や本部にて、通常よりも慎重に調査が行われます。したがって、認定までに6か月以上はかかってしまうのが一般的といわれています。

保険会社で手続きがされていないことも

保険会社の担当者が多忙であったり、対応の優先度が低く扱われているような状況であった場合、申請手続きが止まっていることもあります。

認定が遅れている時の対処方法

保険会社への問い合わせ

先ほどご説明したように、事前認定の場合は保険会社側の手続きが進んでいない可能性もあります。認定まで通常1ヶ月~2ヶ月はかかるともいわれていますが、保険会社に状況を問い合わせてみるのも対策の一つとして挙げられます。

必要書類収集の段階で弁護士に相談する

被害者請求の際、ご自身で必要書類をすべて集めて提出するには、大きな負担がかかるものです。申請してから書類に不備があった場合、認定に時間がかかる原因となる恐れがあります。不備なく書類を揃えてスムーズに申請を進めるためにも、交通事故の知識に特化した弁護士に相談するのもいいかもしれません。

示談交渉を早まらないこと

金銭的に余裕がなくなってきたからといって、結果が出ない内に示談交渉を成立させてしまうと、受け取ることのできる示談金の金額が低くなってしまう恐れがあります。

まとめ

後遺障害等級認定にかかる期間は1ヶ月~2ヶ月程度かかるとされています。また、複雑な事案であった場合は更に長い期間を要することもあります。調査は保険会社ではなく第三者機関が実施しているので、焦らずに時間がかかるものであるという認識で様子を見てみるのもいいでしょう。