追突事故の被害にあい、赤ちゃんが怪我… 後遺症は残るのか

2019年02月01日

追突事故の被害にあい、赤ちゃんが怪我を負うかもしれません。そのとき、気になるのは、「赤ちゃんの負った怪我が後遺症にならないか」ではないでしょうか。

今回の記事では、事故後に赤ちゃんが負った怪我は後遺症になるのか、後遺症が残ってしまったときの対応について解説していきます。

追突事故で赤ちゃんがむちうちに…

赤ちゃんを乗せて車を運転する場合、チャイルドシートを使用しなければならないと、道路交通法で定められています。そのため、むちうちになる可能性は低くなりますが、稀にむちうちの症状があらわれることもあります。
 

赤ちゃんのむちうちはどこに通院すべき?

もしも赤ちゃんがむちうちになってしまった場合、どこに通院すべきなのでしょうか。

赤ちゃんの場合、小児科というイメージがありますが、むちうちの症状は「整形外科や整骨院など」で治療や施術を受けます。

整形外科の特徴

整形外科では医師が治療を行い、レントゲンやMRIなどでの検査、痛み止めや湿布の処方などを行います。

また、損害賠償を請求する際に必要な、医師の診断書を取得することができます。そのため、事故後は必ず整形外科で診察を受けなくてはなりません。

赤ちゃんの治療を行う場合、レントゲンやMRIなどでの検査は放射線の影響を受ける可能性があるため、触診や視診で身体の異常を調べます。

整骨院の特徴

整骨院では柔道整復師が施術を行い、マッサージや手技療法、電気療法、牽引などを行います。

交通事故の被害者であれば、整骨院でも自賠責保険を使って、通院することが可能です。また、仕事終わりでも通える整骨院が多くあるので、通院しやすいです。

赤ちゃんの場合、ソフトな手技療法で神経の流れを促し、不調を取り除いていきます。

怪我を負った赤ちゃんに支払われる損害賠償


交通事故で怪我を負った赤ちゃんに対して支払われる損害賠償は、以下の3つです。

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

積極損害

交通事故が原因で、被害者が必要になった費用を支払ったときの損害を積極損害といいます。

積極損害にあたる費用は、以下の通り。

  • 診察費
  • 治療費
  • 通院交通費
  • 入院費
  • 付添看護費
  • 器具や装具の購入費     など

消極損害

交通事故にあわなければ、被害者が得られたはずの将来の利益を消極損害といいます。

消極損害にあたるものは、逸失利益です。逸失利益とは、交通事故で後遺障害が残ったことによって労働能力が減少し、減ってしまった将来の利益を補填するものです。そのため、赤ちゃんでも受け取れます。赤ちゃんは成長すると、社会に出て働くため、収入を得る可能性があるからです。

しかし、消極損害の一つである、休業損害は受け取ることができません。休業損害は、交通事故が原因で仕事を休んだ場合に支払われるものであるからです。

慰謝料

慰謝料とは、交通事故の被害にあい、被害者が負った精神的苦痛の対価として、加害者が支払うものです。

慰謝料には、以下2つがあります。

  • 入通院慰謝料:交通事故後に入通院し、被害者が負った精神的苦痛の対価として、加害者が支払うもの。
  • 後遺障害慰謝料:交通事故後に後遺障害が残り、被害者が負った精神的苦痛の対価として、加害者が支払うもの。

もしも赤ちゃんに交通事故の後遺症が残ったら


交通事故後、赤ちゃんにも後遺症が残る可能性はあります。しかし、脳に損傷を受けた場合は注意が必要です。

赤ちゃんが交通事故で脳損傷を受けた場合の後遺症は、ある程度成長しないと正確な判断が困難ということになります。

実務上、ご両親による赤ちゃんの交通事故の後遺症の問題を早期に解決したいという希望から、早期に症状固定をして後遺症を判断することがあります。

しかし、早期に症状固定することにより、赤ちゃんの後遺症に対する適正な補償が受けられなくなる可能性があるので、その点は注意しましょう。

交通事故で赤ちゃんが同乗してたときの疑問|何科の病院が正解?後遺症は?慰謝料は?

このように、赤ちゃんの後遺症を適切に判断してもらうには、赤ちゃんがある程度成長した後に行うのがよいです。早期の段階で症状固定をしないように注意しましょう。

後遺障害等級認定を申請する

もしも赤ちゃんに後遺症が残ってしまった場合、ご家族の方は後遺障害等級認定を申請しましょう。後遺障害等級認定を申請し、後遺障害の等級が認定された場合に限り、後遺障害慰謝料逸失利益を受け取ることができます。また、後遺障害慰謝料と逸失利益は、認定された後遺障害の等級によって金額が変動します。

後遺障害等級認定を申請する場合は、以下の5つの条件を満たしていなければなりません。

1.交通事故と怪我との因果関係があること
2.交通事故による怪我が、今後生きていく上で完治する見込みがないこと
3.交通事故の怪我により、労働力が低下してしまうこと
4.後遺症が医学的に証明または、説明されていること
5.怪我の症状が自賠責保険の等級認定に値すること

後遺障害と認定されるには医師の診断書が不可欠!

後遺障害等級認定を申請する手続き

後遺障害等級認定の申請方法は、以下の2種類です。

  • ①事前認定
  • ②被害者請求

①事前認定

事前認定とは、後遺障害等級認定の申請手続きを全て、加害者側の保険会社に任せる方法です。ご家族の方が行う手続きは、後遺障害診断書の提出だけです。そのあとの手続きを加害者側の保険会社が行ってくれるため、ご家族の方が行わなくてはならない手続きの手間を省くことができます。

②被害者請求

被害者請求とは、後遺障害等級認定の申請手続きをご家族の方が直接、加害者側の保険会社に請求する方法です。

ご家族の方は、後遺障害等級認定に必要な書類を作成・収集しなくてはなりません。自身で進めていくことにより、手続きの内容を把握することができ、後遺障害等級認定の結果にも納得がいくでしょう。

後遺障害等級認定に納得がいかない場合は…?
後遺障害等級認定に納得がいかない場合は、異議申し立てを行うようにしましょう。異議申し立てを行えば、後遺障害等級認定を再度申請でき、認定結果を変えることができるかもしれません。

▶︎参考:異議申し立ての方法についてはこちら

追突事故にあった赤ちゃんの後遺症についてのまとめ


いかがでしたか。追突事故にあい、赤ちゃんが怪我を負ってしまったら、後遺症が残る可能性もあります。後遺症が残ってしまった場合、ご家族の方は後遺障害等級認定を申請しましょう。赤ちゃんも大人と同じく、後遺障害慰謝料逸失利益を受け取ることができます。

しかし、赤ちゃんの後遺症を判断するのは難しいです。赤ちゃんの成長を待ってから、後遺症の判断をしてもらうのがよいかもしれません。