交通事故で負う怪我の種類は?それぞれの受診先をご紹介!
交通事故の被害にあうと、怪我を負ってしまうことがあります。しかし、交通事故で負う怪我は様々なものがあるため、どこで診察を受けるか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、交通事故で負う怪我はどこで診察を受けるべきかについて解説していきます。
交通事故で負う怪我と受診先
交通事故で車と衝突した場合、体に大きな衝撃を受けるため、様々な怪我を負う可能性があります。そのため、自分自身の怪我に適した医療機関へ行く必要があります。以下に、交通事故で負う怪我と受診先を表でまとめました。
怪我の種類 | 受診先 |
---|---|
骨折、打撲 | 整形外科 |
目に関する症状 (視力低下や視界がぼやける) |
眼科 |
耳・鼻の症状 (耳が聞こえにくい、嗅覚が鈍いなど) |
耳鼻咽喉科 |
頭の症状 (今までに経験したことのない頭痛、意識障害など) |
脳神経外科 |
脊髄損傷 | 脳神経外科、整形外科 |
頭痛や不眠、倦怠感など | ペインクリニック、麻酔科 |
外傷や傷痕がある場合 | 形成外科、皮膚科 |
歯の欠損 | 歯科 |
外傷も自覚症状もない場合 | 総合病院、整形外科 |
この他にも、交通事故の被害者は、むちうちの怪我を負うことがあります。むちうちは、交通事故で最も多いといわれる怪我です。むちうちについては、次で詳しく説明します。
交通事故で多い「むちうち」の場合
むちうちとは、交通事故の衝撃で首が鞭のようにしなり、首周辺の靱帯や軟部組織などを損傷する怪我です。むちうちの怪我を負ってしまうと、以下のように様々な症状があらわれます。
- 首や腰の痛み
- 肩こり
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 耳鳴り
- 倦怠感
- 麻痺
- 手足のしびれ
- 歩行障害 など
上記のように、様々な症状があらわれるむちうちの場合、整形外科や整骨院、鍼灸院へ行くことをおすすめします。
整形外科
整形外科では、医師が治療を行います。そのため、痛み止めや湿布の処方、MRIやレントゲンの検査などの治療が受けられます。
痛み止めや湿布などは痛みの強い時期に使用することで炎症を抑えたり、鎮痛効果が期待できます。また、MRIやレントゲンの検査を行うことで、骨の異常や臓器の状態を確認することも可能です。
整骨院
整骨院では、柔道整復師が施術を行います。そのため、手技療法や電気療法、温熱療法などの施術が受けられます。これらの施術を行うことで、筋肉の緊張や痛みを和らげることができます。
鍼灸院
鍼灸院では、はり師と灸師が施術を行います。はりと灸で体にあるツボを刺激することによって、血行を促したり、自然治癒力の向上、痛みを緩和させることができます。
交通事故による怪我には特徴がある
交通事故による怪我は、「事故直後に症状があらわれず、数日経ってあらわれる」といった特徴があります。このようなことが起こる理由としては、事故直後に体が興奮状態となるためです。
事故直後の体の状態
事故直後の体は興奮状態にあるため、アドレナリンやβエンドルフィンという物質が体内に分泌されます。アドレナリンやβエンドルフィンには、鎮痛作用があるため、怪我による痛みを感じにくい状態なのです。
したがって、体の興奮状態が落ち着いた事故の数日後に、怪我の症状があらわれます。そのため、交通事故後に怪我の症状があらわれていなくても、事故から数日の間は体の様子に注意を払うようにしましょう。
交通事故で怪我を負ったら損害賠償を受け取れる?
交通事故の被害者で怪我を負った場合、以下のような損害賠償を加害者側に請求することができます。
- 治療費
- 手術費
- 通院交通費
- 付添看護費
- 器具や装具の購入費
- 休業損害
- 入通院慰謝料 など
損害賠償は加害者側の保険から支払われる
先程ご紹介した損害賠償は、加害者が加入している保険から支払われます。交通事故で加害者が使う保険は、自賠責保険や任意保険です。
- 自賠責保険
自賠責保険は、国土交通省が運営しており、車を所有する人が必ず加入しなければならない保険です。また、被害者が受けた損害の最低限を保障し、人身事故で処理されている事故のみに適用されます。また、損害賠償の支払い額は120万円までと、上限額が決まっています。 - 任意保険
任意保険は、民間企業が運営を行っています。加入の有無は運転者の任意で決められますが、自賠責保険の支払い上限額を超えた分をカバーできるため、ほとんどの人が加入しています。
加害者側に損害賠償を請求する際の手続き
加害者側の保険から損害賠償を請求する場合は、加害者請求または被害者請求の手続きを行わなければなりません。
加害者請求
加害者が先に被害者へ損害賠償を支払った後、加害者本人が加入している保険会社に保険金を請求する方法。
被害者請求
加害者側から賠償が受けられない際に、加害者が加入している保険会社に、直接損害賠償を請求する方法。
【注意】保険会社に治療費支払いを打ち切られることも
怪我の治療を行っているにもかかわらず、加害者側の保険会社に治療費支払いの打ち切りを打診されることもあります。治療費支払いを打ち切られてしまうと、その後の治療費を被害者自身が負担しなくてはなりません。
もしも加害者側の保険会社に、治療費支払いの打ち切りを打診された場合は、以下のような対処をとるようにしましょう。
- 保険会社に治療費支払いを続けてもらうよう交渉する
- 健康保険を使って治療費を自費で支払い、示談交渉で加害者に請求する
- 弁護士に依頼して、問題を解決してもらう
交通事故の怪我は後遺症が残ることもある
交通事故で負った怪我は、後遺症になってしまうこともあります。このような場合は、後遺障害等級認定を申請することをおすすめします。
後遺障害等級認定とは、交通事故で残ってしまった後遺症が、どの後遺障害の等級に該当するかを審査・認定するものです。後遺障害等級認定を申請し、等級が認定された場合は、後遺障害慰謝料や逸失利益といった後遺症に対する損害賠償を受け取ることができます。
ただし、後遺障害等級認定で等級が認定されるには、以下の条件を満たしていなければなりません。
- 継続的に医療機関へ通院している
- 後遺症が残るような事故であったか
- 同じ症状が現在まで続いている
- 自覚症状が医学的に証明できること
- 症状が後遺障害の等級に該当している
上記の条件を満たしているようであれば、後遺障害等級認定の申請手続きを始めましょう。
後遺障害等級の申請手続き
後遺障害の申請手続きは、事前認定または被害者請求の2つの方法から選択することができます。
事前認定
事前認定とは、加害者側の保険会社に、後遺障害等級認定の申請手続きを任せる方法です。そのため、被害者は後遺障害等級認定の申請手続きの手間を省くことができます。
しかし、事前認定の場合、どのような書類の内容で後遺障害等級認定が行われているかを確認することができません。したがって、適切な後遺障害の等級が認定されない場合もあります。
被害者請求
被害者請求とは、被害者自身で後遺障害等級認定の申請手続きを行う方法です。そのため、被害者自身で後遺障害等級認定に必要な書類を取得・作成しなければなりません。
事前認定よりも手間はかかりますが、被害者自身で必要な書類を取得・作成するため、後遺障害等級認定で有利な書類を提出することができます。したがって、適切な後遺障害の等級が認定される可能性が高いです。
交通事故の怪我に関するまとめ
いかがでしたか。交通事故の被害にあうと、むちうちや骨折、打撲、視力や聴力の低下など様々な怪我を負ってしまうことがあります。そのため、この記事を参考にしてそれぞれの怪我に適した受診先へ行くことをおすすめします。
また、交通事故で怪我を負った被害者は、加害者側の保険から損害賠償が支払われます。加害者側の保険会社に損害賠償を請求する場合は、加害者請求または被害者請求で手続きを行いましょう。