後遺障害と認定されるには医師の診断書が不可欠!

2019年02月04日

交通事故の怪我は、後遺症として残ってしまうことがあります。後遺症は、今後生きていく上で一生つきあっていかなればいけないものです。後遺症になってしまったら、医師に後遺障害診断書の作成を依頼し、後遺障害等級認定を受けましょう。等級に応じて、後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。

今回は、

  • 後遺症と後遺障害の違い
  • 後遺障害診断書の重要性
  • 後遺障害診断書を取得する際の注意点
  • 後遺障害等級認定の申請方法

などについて、詳しく解説していきます!

▶︎参考:交通事故で最も多い怪我!むちうちについて詳しく知りたい方はこちら!

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後遺症と後遺障害の違い

交通事故による怪我の治療は「症状固定」となってしまう場合があります。症状固定とは、怪我の治療をこれ以上続けても症状の緩和が見込めない状態のことで、医師のみが判断できます。症状固定と判断された時点で、その怪我は「後遺症」となります。

後遺症に慰謝料は支払われない

交通事故の怪我が後遺症になってしまった場合、これまで支払われていた治療費や慰謝料は打ち切られてしまいます。つまり、後遺症になった後の治療費は、被害者が自腹で支払わなければいけないでのす。

しかし、「後遺症になってしまった上に、慰謝料の支払いもされないなんて、納得いかない!」と思う方も多いのではないでしょうか。後遺症になった後も慰謝料の支払いを受けたい場合は、まず後遺症が後遺障害と認められる必要があります。

後遺障害と認められる5つの条件

後遺症が後遺障害と認められると、後遺障害等級認定を申請することができます。
後遺障害等級は、後遺障害に1級から14級までの等級がついたものです。等級に応じて症状の程度が変わり、1級が最も重く、14級が最も軽い症状となります。

後遺症が後遺障害と認められるために必要な条件は、5つ。

  • 1.交通事故と怪我との因果関係があること
  • 2.交通事故による怪我が、今後生きていく上で完治する見込みがないこと
  • 3.交通事故の怪我により、労働力が低下してしまうこと
  • 4.後遺症が医学的に証明または、説明されていること
  • 5.怪我の症状が自賠責保険の等級認定に値すること

以上5つの条件を満たし、後遺障害等級が認定されると、被害者は後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。

後遺障害慰謝料は、後遺障害になってしまったことで被害者が受けた精神的苦痛を、加害者本人または加害者側の保険会社が金銭で補ったものです。後遺障害慰謝料の金額は、症状が重くなるにつれて上がっていきます。

後遺障害等級が認定されるには後遺障害診断書が必要

後遺障害等級認定を受ける際は、後遺障害診断書が必要不可欠となります。医師に症状固定と判断されたタイミングで、後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。

後遺障害診断書の内容によっては、後遺障害等級が非該当になってしまったり、本来よりも低い等級で認定されてしまう可能性があります。取得する際は、被害者自身が納得のいく後遺障害診断書を作成してもらうようにしましょう。

▶︎参考:診断書の取得もできる!整形外科での治療内容とは?

そもそも後遺障害診断書って何?

後遺障害診断書とは、「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」のことです。後遺障害等級認定の重要な判断材料となり、作成できるのは病院にいる医師のみです。

内容としては、交通事故によって怪我を負った「受傷日時」や「症状固定日」、被害者の「自覚症状」などが記載されています。

▶︎参考:後遺障害になってしまうことも…。交通事故で最も多い怪我!むちうちの治療方法とは?

後遺障害診断書を取得する際のポイント

前述したように、後遺障害診断書の内容が不十分であった場合、後遺障害等級認定がされなかったり、低い等級で認定されてしまうことがあります。被害者にとって不利益な結果になることを避けるためにも、後遺障害診断書は慎重に作成してもらうようにしましょう。

後遺障害診断書を取得する際のポイントは、3つ。

  • ①自覚症状を正確に伝える
  • ②被害者自身も後遺障害診断書の内容を確認する
  • ③後遺障害診断書を作成したことがある医師に依頼する

①自覚症状を正確に伝える

後遺障害等級が認定されるには、「被害者に自覚症状があるか」ということも大きなポイントの1つです。後遺障害診断書を作成してもらう際は、「首のどこらへんが痛い」「頭がこんな風に痛い」など、医師に対して自覚症状をしっかりと伝えるようにしましょう。

②被害者自身も後遺障害診断書の内容を確認する

後遺障害診断書の作成を、医師に任せっきりにしてはいけません。医師に記入してもらったら、被害者自身も内容をしっかりと確認し、納得のいかない部分は医師と話し合うようにしましょう。

③後遺障害診断書を作成したことがある医師に依頼する

後遺障害診断書は、すべての医師が作成したことがあるとは限りません。取得する際は、後遺障害診断書の作成を行ったことがある医師に依頼するようにしましょう。

後遺障害等級認定の申請方法

後遺障害等級認定の申請方法は、2つ。

  • 事前認定
  • 被害者請求

それぞれの方法を、1つずつ見ていきましょう。

事前認定

事前認定は、後遺障害等級認定の申請手続きを、加害者側の保険会社に任せる方法です。被害者が、加害者側の保険会社に後遺障害診断書の提出を行うと、後の手続きは加害者側に保険会社がすべて行ってくれます。

被害者は面倒な手続きを省くことができますが、どのような内容で手続きが進んでいるかを、知ることはできません。被害者自身が納得できるような手続きを行いたい場合は、次に紹介する被害者請求をおすすめします。

被害者請求

医師による後遺障害診断書を用意するところまでは事前認定と変わりませんが、そのあとの
手続きは被害者本人が行います。
状況によって必要になる書類をそろえたのちに、加害者側の保険会社に提出します。

被害者請求は後遺障害の等級認定申請を被害者本人がやるので結果に対する納得度も高くなると思います。せっかく手間をかけて手続きをするので書類の不備はないようにしたいところですね。

後遺障害診断書の取得は慎重に!


交通事故の怪我の被害によっては後遺症が残り、その後の生活に支障がもたらされるかもしれません。
適正な後遺障害慰謝料を受け取るためには、診断書の内容は重要です。納得のいく後遺障害診断書を取得し、後遺障害等級認定の申請を行うようにしましょう。