交通事故の被害者に…弁護士に依頼するタイミングはいつが正解?

2019年06月26日

交通事故は、突然起こるものです。しかし、国内では1日に1,000件以上の交通事故が発生しているといわれています。
いつ自分が交通事故の当事者になってもおかしくない数字ですよね。
もし、ご自身が交通事故の被害者に突然なってしまったら…交通事故についての知識がほとんどない場合、相手の保険会社とどのように交渉すればよいのかわからないですよね。
そんな時に頼れるのが弁護士です。専門知識が豊富な弁護士に依頼すれば心強いサポートを受けられると思います。
そこでこの記事では、弁護士に依頼する正しいタイミングや、弁護士に依頼することによる具体的なメリットを解説していきます。負傷の程度によって、依頼するタイミングに違いが出てくることもありますので、ぜひ最後までお読みください。

交通事故後の基本的な流れ

ほとんどの方が、交通事故にあうのは初めてだと思います。
そもそも、交通事故後の大まかな流れはどのようなものなのでしょうか?ここでは、交通事故発生から示談成立までの流れを簡単に解説していきます。

事故現場での対応~通院の開始

①交通事故発生
ご自身の負傷が軽度で動ける場合は、次のような行動をとりましょう。

②事故状況と加害者の確認
どのような状況で事故が起きたのか確認しましょう。また、加害者の身元を確認することも大切です。
名前や住所などは免許証で確認できます。勤務先や加入している保険会社も記録しておくとよいでしょう。

③警察への連絡
交通事故が起きた場合、交通事故の当事者は警察への報告義務があります。被害者であっても警察への通報をしましょう。
現場に警察がやってきたら、現場検証や実況見分が行われます。

④ご自身・加害者双方の保険会社へ連絡
交通事故の被害にあった場合、今後のやり取りをする相手は加害者本人ではなく、保険の担当者であるケースが多いです。そのため、相手方の保険会社を把握して連絡をする必要があります。
ご自身の加入している保険によっては、被害者になってしまった場合の特約がついていることがあります。確認のためにも、保険会社へ交通事故の発生を報告するようにしましょう。

⑤通院の開始
怪我をしている場合や、痛みがあるときは必ず病院へ行きましょう。
交通事故の発生当日に自覚症状がなくても、翌日以降に痛みがあらわれるケースもあります。しかし通院までに時間がかかってしまうと、怪我と事故の因果関係が疑われてしまうこともありますので、なるべく早めに病院を受診し、治療を受けるようにしましょう。

治療完了(症状固定)~示談成立

⑥完治または症状固定
完治または症状固定の判断がされるまで、通院を続けることが大切です。途中で通院を辞めてしまうと、十分に保険金を請求できない可能性があります。
ある程度、通院を続けていくと医師から症状固定の診断を受けます。

⑦後遺障害等級の認定
症状固定の時点で残っている症状は、程度に応じて後遺障害等級が認定されます。
後遺障害等級が認定されることによって、最終的な損害賠償金額が決まっていきます。

⑧示談交渉
交通事故の当事者同士で話し合いをして、損害賠償金額や支払方法を決めます。

⑨示談成立
示談が成立したら、加害者側とのやり取りも終了し、この交通事故の手続きが全て完了します。

なぜ示談交渉を弁護士に依頼するべきなの?

日常生活を送る中で、弁護士と関わることはほとんどないと思います。そのため、弁護士を雇うことに対して少し抵抗を感じる方もいるかもしれません。
交通事故の流れの中で、弁護士が活躍する場面が示談交渉です。

示談交渉で行うこととは

示談交渉では交通事故の当事者が、過失割合や損害賠償金額を話し合うことを指します。
加害者が任意保険に加入している場合、示談交渉の相手は保険会社の担当者になります。相手は交通事故に関する知識を豊富に持ったプロです。
初めての交通事故で戸惑っている被害者と比べると、主張の信ぴょう性や妥当性に差が出てしまいます。

示談交渉を弁護士に依頼するメリット

①加害者側とやり取りを続けなくていい
交通事故による精神的なストレスがかかっている中で、相手方と連絡を取り続けたり、書類を集めたりすることが苦痛に感じる方も多いと思います。
弁護士に依頼することで、弁護士がサポートしてくれるので、負担はとても軽減されます。
また、弁護士も交通事故の知識が豊富ですので、保険会社が相手になる示談交渉でも、スムーズに交渉が進められます。

②示談金が増額する
交通事故の被害者が最も不安に感じるのが、金銭的な問題かもしれません。
示談金として受け取る損害賠償の項目の中にある、入通院慰謝料後遺障害慰謝料には、以下のような3つの算出基準があります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準

3つの基準の中で、最も金額が大きくなるものが弁護士基準です。この弁護士基準を使って慰謝料を請求するためには、弁護士に依頼する必要があります。

弁護士費用が免除されるケースがある

弁護士を依頼したいと思っても、弁護士費用がかかってしまうことを気にしてなかなか依頼ができないとお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
皆様が加入している保険や、ご家族が契約している保険に「弁護士特約」がついている場合があります。
弁護士特約とは、保険会社側が弁護士費用を一定額負担してくれるものです。補償の限度額は300万円で、たいていの交通事故は、弁護士費用が300万円を超えることはありませんので、自己負担なく弁護士を雇うことができるケースがほとんどです。

弁護士に相談を開始するタイミング

交通事故から示談成立までは、治療期間も含めるため長期に渡る可能性が高いです。
どのタイミングで弁護士への相談をスタートさせればよいのか迷ってしまいますよね。相談をするタイミングは、被害の程度によって違いがあります。

被害者が死亡した事故の場合

被害者が死亡してしまった交通事故の場合、四十九日が終わったころに加害者側の保険会社から連絡が入り、示談交渉が始まります。
示談交渉が始まる前の、交通事故直後~四十九日前までに弁護士に相談を開始しましょう。
死亡事故の場合、治療期間がないため、損害賠償額がすぐに確定します。早めに弁護士に依頼することで、示談成立を早く済ませて加害者側との関わりを終了できます。

重傷で後遺障害が残る場合

症状固定の診断がされ、後遺障害が残った状態になると、後遺障害等級認定の申請を行います。その際、十分な等級を認定してもらい、しっかり損害賠償を請求するためにも、交通事故に精通した弁護士に相談することをおすすめします。
よって、症状固定の診断が出た時点で弁護士への相談をスタートするとよいでしょう。
重傷の例は以下になります。

  • 手足切断
  • 失明
  • 骨折
  • てんかん

軽い怪我の場合

むちうちや捻挫など、そこまで重傷でない場合でも後遺障害が残る可能性は十分にあります。このようなケースは、後遺障害等級認定を受けてから弁護士に相談を開始してもよいかもしれません。
例えば、むちうちはほとんどの場合が、後遺障害等級14級に認定されます。また軽度の場合は後遺障害等級が認められない「非該当」になる可能性もあります。

もし後遺障害等級認定が非該当だったら…

非該当だった場合、後遺障害慰謝料を請求することができません。
もし後遺障害等級認定を受ける前に弁護士を雇っていると、後遺障害慰謝料が発生しなくても、弁護士費用は発生します。
その結果、最終的に受け取る示談金より、弁護士費用の方が高額になってしまう、というケースも考えられます。

まとめ

いかがでしたか?
交通事故の被害者になってしまった場合、示談交渉を弁護士に依頼すると、受け取れる示談金が増額する可能性が高いです。
交通事故による怪我の状態に合わせて、弁護士への相談を開始し、協力し合いながら補償を受けるようにしましょう。
この記事を読むことで、皆様のお悩みが少しでも解消されていることを願っております。