自賠責保険の慰謝料・損害賠償金額はいくら?

2019年02月04日

車に乗る人が、加入することを義務付けられている自賠責保険。交通事故にあった際、どのような補償を受けられるのか、保険内容をしっかりと理解する必要があります。

保険内容を理解しましょう

車両保険には、大きく2つに分けて、「自賠責保険」と「任意保険」があります。自賠責保険は自動車を運転する人が加入を義務付けられているような保険で、任意保険は運転者それぞれが加入する保険です。
交通事故にあってしまうと様々な損害が発生します。事故にあってしまった時にきちんと補償を受けられるように、保険の内容を理解する必要があります。
今回は、車両保険のうち、「自賠責保険」について、どのような補償内容なのか説明したいと思います。

▶︎参考:むちうちについて詳しく知りたい方はこちら
▶︎参考:交通事故の怪我は何科へ行けばいい?

自賠責保険とは

自賠責保険とは、自動車損害賠償責任保険のことです。
自動車事故にあった場合、被害者側は加害者側に対し、損害賠償請求をすることができます。しかし加害者側に支払い能力がなかった場合、被害者側が十分な補償が受けられないですよね。

これを解消する手段が、自動車保険という制度です。そのうち自動車の保有者や運転者が自動車事故によって損害賠償責任を負う際に、最低限度の損害賠償を補償するための公的な自動車保険制度が自賠責保険です。

自賠責保険は、被害者の保護のために最低限度の損害賠償を補償するためのもので、法律上加入が強制されています。

自賠責で支払われる上限金額

自賠責保険には、自動車損害賠償保障法13条に基づく自動車損害賠償保障法例2条によって、上限金額が定められています。この上限金額は、被害者1名ごとの限度額となります。

死亡事故の場合

死亡事故の場合、死亡による損害は3000万円、死亡までの障害による損害は120万円と定められています。

障害事故の場合

障害による損害は120万円。後遺障害による損害のうち、介護を要する後遺障害の場合3000万円〜4000万円、その他の後遺障害の場合には、等級に応じて75万円〜3000万円が上限金額となります。

慰謝料の金額はどのくらい?

慰謝料はあくまでも、被害者自身が負った精神的苦痛に対する賠償金です。つまり慰謝料の支払い義務が発生するのは、人身事故に限られるのです。
つまり、物損事故の場合、慰謝料は発生しないのです。

慰謝料の計算方法

自賠責保険で支払われる、入院・通院慰謝料は1日4,200円という上限金額があります。
上限金額と通院日数によって、慰謝料は支払われるのですが、通院日数はどのように算出されるのでしょうか。

慰謝料は、①「実通院日数(入院期間+通院期間の中で実際に通院した日数)の2倍」または、②「総治療期間(入院期間+通院期間)」の、どちらか少ない方が通院日数として適用されます。

例えば、9月1日に交通事故にあってしまい9月20日まで通院したとします。そのうち実際に病院に通った日数は8日。

この場合の計算は、①は8日×2=16日、②は20日となり、少ない方である①の16日が適用されます。
すると、受け取ることができる慰謝料の額は、16日×4,200円=67,200円となるのです。

▶︎参考:示談の流れについて

▶︎参考:後遺症になった場合、慰謝料はどうなる?

賠償金が自賠責保険の限度額を超えた場合


賠償金が自賠責限度額を超えた場合、どうなるのでしょうか。自賠責保険で足りない賠償金を補ってくるのが任意保険です。

さらに、自賠責保険では補償の対象にならなかった対物事故補償や、自分自身の治療費の補償も任意保険によって可能になるのです。

自賠責保険では、支払うことができる保険金には上限があり、高額な賠償や対物補償を補うことができません。そのような場合にも補償が受けられるようにも任意保険にもしっかり加入しましょう。

まとめ

自賠責保険は、あくまで最低限度の補償をするものです。交通事故にあってしまうと多額の補償金が必要となってしまいます。事故にあった時に、相手方に、そして自分自身もしっかりと補償が受けられるように、任意保険にも加入するようにしましょう。