休業損害について解説!誰でも請求できる?計算方法も教えて!

2019年02月04日

深夜に仕事が終わり、帰宅していたときのこと。横断歩道を渡っていると、飲酒運転をしていた車にぶつかり、交通事故の被害にあった。

その後、病院へ行くとむちうちと打撲の診断を受け、治療をすることになった。治療をするために仕事を休んだり、早退しなければならないことが多くなってきた。「今月の収入が心配だな。」

こんなお悩みありませんか?交通事故によって仕事ができなくなってしまった場合、「休業損害」というものを申請しましょう。「休業損害」とは、具体的にどんなものなのか、今回の記事で解説していきます。

▶︎参考:交通事故による怪我の通院先についてはこちら

交通事故が原因で仕事を休むことになったら

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交通事故が原因で仕事を休んだ場合、休業損害という補償が受けられます。休業損害がどんな内容なのか、以下で解説していきます。
▶︎参考:交通事故による怪我の症状は、すぐあらわれるとは限らない?

休業損害を請求する

休業損害とは、交通事故が原因で本来得られるはずであった収入や利益を補うためのものです。したがって、休業損害は、働いていて収入のある人に対する補償です。

誰でも受け取ることができるの?

休業損害を請求できるのは…

  • サラリーマンなどの給与所得者
  • 自営業の方
  • アルバイトやパート
  • 主婦
  • 内定をもらっている学生  など

先程、「休業損害は、働いていて収入のある人に対する補償」だといいました。
しかし、主婦や内定をもらっている学生の中には、無職で収入のない人もいます。何故、休業損害を受け取ることができるのでしょう。

主婦の場合は、家事労働が社会で金銭的に評価できるものとされているので、休業損害を受け取ることができます。
内定をもらっている学生の場合は、交通事故にあわなければ、交通事故後に収入が得られたといえるかどうかで休業損害が受け取れるかが決まります。

早退や有給休暇などの場合でも、休業損害は申請できる?

交通事故によって、仕事を早退したり、有給休暇を使って治療や通院をした方もいると思いいます。その場合でも、休業損害を受け取ることができます。休業損害証明書には、欠勤日以外にも、有給休暇、遅刻や早退の日数を記載する項目があります。したがって、休業損害を受け取ることができるのです。

有給休暇は、仕事を休んだとしても給料が発生するので、実際には給料が減額したわけではありません。何故、有給休暇を使った場合でも休業損害が申請できるのでしょうか。
それは、交通事故により、本来使う必要のなかった有給休暇を失ったということと同じであるからです。

休業損害の計算方法とは?


休業損害を計算する場合は、休業日数や基礎収入、3つの基準というものが関係してきます。ここでは、「3つの基準」と「休業日数と基礎収入の割り出し方」の2点について詳しく説明していきます。

3つの基準

休業損害を計算する場合、以下の3つの基準が適用され、それぞれで計算方法も異なります。

自賠責保険基準

自賠責保険基準は、交通事故が原因で怪我を負った被害者に対して、法律で決められた最低限の補償を行うことが目的です。最低限の補償ということから、3つの基準の中で最も少ない金額となります。

自賠責保険基準の場合は、5,700円×休業日数で計算されます。
※1日の休業損害が5,700円を超えるときは、給与明細・源泉徴収票などで証明できれば19,000円まで、日額の増額が認められます。

任意保険基準

任意保険基準は、各任意保険会社が決めている基準で、その内容は公開されていないことがほとんどです。怪我の治療日数や、通院日数によって金額が変動するといわれています。

弁護士基準

弁護士基準とは、交通事故による裁判の過去の判例などを参考に、弁護士会が公表している基準です。弁護士基準を使うと、3つの基準の中で、最も高い慰謝料を獲得できる可能性が高くなります。

任意保険基準・弁護士基準の場合は、1日あたりの基礎収入×休業日数で計算されます。
1日あたりの基礎収入は、職業よって異なります。1日あたりの基礎収入については、次の章で休業日数の割り出し方とともに紹介します。

職業別の休業日数と基礎収入の割り出し方

サラリーマン、パート、アルバイトの場合

勤務先で書いてもらった休業損害証明書と交通事故にあう前年の源泉徴収票を保険会社に提出する。

自営業の場合

税務署に提出する確定申告書の写しを基礎収入とします。
自営業の場合、休業日数を証明してくれる人がいないので、実際に通院した日数と怪我の状況などをもとに判断します。

主婦の場合

主婦は、実際の収入があるわけではないので、収入を証明する書類がありません。したがって、実際に通院した日数と怪我の状況などをもとに休業日数の判断をします。また、自分以外の家族のために家事をやっていたかどうかという証明が必要になります。世帯全員分が記載された住民票と家族構成証明書などの書類を提出しなければなりません。

休業損害と期間


ここでは、休業損害を「いつまで受け取ることができるのか」と「いつ受け取れるのか」という2点について説明していきます。

休業損害がいつまでもらえるの?

交通事故による怪我の場合:交通事故が原因で怪我を負った後から、症状が緩和されて仕事に復帰できるまでに休んだ分

後遺障害になった場合:交通事故が原因で怪我を負った後から、症状固定になるまでに休んだ分
※症状固定後は、休業損害が認められません。その代わりに、逸失利益という損害賠償を請求することができる場合があります。

▶︎参考:逸失利益についてはこちら

休業損害はいつ受け取ることができるの?

休業損害の受け取ることができる時期は、職業別で変わります。

サラリーマン、アルバイトやパート、自営業の方は、先程提示した必要書類を保険会社に提出した後に、保険会社が確認して問題がなければ、休業損害を受け取ることができます。

主婦の方は、実際の収入がないので、すぐに休業損害をもらえるわけではありません。休業損害をもらえなくても、生活に困らないので、示談終了後にまとめて支払われます。
▶︎参考:示談って何?

休業損害を受け取り、治療続けていきましょう

交通事故の治療で仕事を休んだ場合は、休業損害を受け取ることができます。しっかりと治療を行い、交通事故の怪我を治していきましょう。