交通事故でむちうちに。整形外科と整骨院を併用するには

2019年04月11日

交通事故により生じたむちうちは、整形外科での治療だけでなく整骨院や接骨院での施術も一緒に受けながら通院することができます。しかし、併用に至るまでの正しい手順を押さえておかないと、費用に関して被害者が損をしてしまう場合もあります。整形外科と整骨院に通い、しっかりと怪我の回復を目指すにはどのようにすればいいのかをご説明します。

交通事故後のむちうちについて

交通事故による負傷といえば、むちうちが代表的といえます。初めに、むちうちはどのような症状を引き起こすのかをご紹介します。

  • 骨には異常なしと言われたのに続く首の痛みや不調
  • 頭痛、めまい、しびれ、不眠など自律神経に関わる症状
  • 集中力低下による日常生活や仕事への支障

交通事故にあったら、まずはどこで診てもらうべき?

むちうち治療のための通院先としては整形外科、整骨院や接骨院などありますが、交通事故に遭ったらすぐに整形外科へ受診することが大切です。

整形外科に受診しなければいけない理由

交通事故の被害者は、治療のために通院することで、損害賠償を加害者側へ請求することができます。その請求には、交通事故による負傷であると診断を受けてから作成された診断書が必要となるのですが、整骨院や接骨院の先生である柔道整復師では診断書を作成することができないため、整骨院や接骨院への通院のみでは治療の必要性が認められず適切な賠償金を受け取れなくなってしまう恐れがあります。まずは病院で治療を受け、医師に診断書を作成してもらいましょう。
また、事故直後は痛みを感じていなかったとしても、しばらく時間が経ってから痛みが現れてくるケースも多くあります。時間が経つほど交通事故と症状の因果関係を証明し難くなってしまうため、すぐに整形外科へ行き検査を受けましょう。

整骨院でできること

交通事故によるむちうちは、整形外科だけでなく整骨院でも施術を受けることができます。最初に整形外科を受診した後の通院先の一つとして、検討するのもよいでしょう。整骨院、接骨院と呼び方は異なるものもありますが、施術内容に違いはありません。柔道整復師という国家資格をもち、怪我に対して冷罨法や温罨法、マッサージ、物理療法などの施術を行っています。交通事故にあってからしばらく経過し、症状が落ち着いた段階でまだ痛みや不調がみられる場合に、整骨院での施術を受けることで改善を目指せることもあります。

整形外科と整骨院を正しく併用

整形外科の治療と整骨院や接骨院での施術を併せて受けることで、むちうちのような怪我の回復をより目指しやすくなる場合もあります。ただし、併用するにはいくつか注意しなければならないポイントがありますので、ご紹介いたします。

まずは医師の許可をもらう

整骨院と併用する場合は、医師から整骨院に通うことの許可、あるいは同意をもらってからにしましょう。整骨院は医療機関ではない為、保険会社に必要性のある治療と認められず、整骨院の治療費の支払いに応じてもらえない恐れがあります。医師からの同意を得ることで、整骨院での施術は必要性のある治療の一環と認められる可能性が高まります。

保険会社への連絡

整骨院へ通う前には、あらかじめ加害者側の保険会社へ連絡しましょう。その際は、病院の医師から許可を得て整骨院にも通うことになったと伝え、費用を支払ってもらえるか確認しておきましょう。他覚的症状のないむちうちの場合は、整骨院での施術の必要性が疑われやすいことから、後になって治療費を請求する際に揉め事へと発展してしまうことを防ぐためです。

整骨院に通いながら、整形外科にもしっかりと通う

整骨院で施術を受け続けているからといって、整形外科への通院を怠ってしまわないようにしましょう。万が一後遺障害が残ってしまった際に、後遺障害慰謝料を受け取るための手続きに必要な後遺障害診断書を作成できなくなってしまいます。完治か症状固定とされるまでは、整形外科への通院も続けましょう。

2つの通院先で健康保険を使うことはできない

整骨院で受ける施術の費用も、健康保険の使用が可能です。しかし、同じ怪我で整形外科と整骨院に通う場合、どちらか一方にしか健康保険が適用されません。整骨院の費用も、加害者側の保険会社が支払う場合には基本的に被害者の自己負担はありません。しかし、一時的な窓口立替金や、加害者が任意保険に加入していない場合には自己負担金が発生する可能性もありますので、覚えておきましょう。

まとめ

大切なことは、交通事故にあったら必ず早めに病院で検査を受けることです。整骨院や接骨院と併用することでより早い怪我の回復を目指しやすくなりますが、治療費に関して保険会社とトラブルになってしまう場合もあります。今回ご説明したポイントに気を付けながら、ご自身の体に合った治療を進めていきましょう。