交通事故で骨折をした…。慰謝料や治療について詳しく知りたい!

2019年02月01日

塾に通っている息子を迎えに行く途中、自分が運転する車に中型トラックが突っ込んできた。追突された直後、中央分離帯まで飛ばされ、その衝撃で足を骨折してしまった。

  • 「病院へ通院することになったけど、慰謝料はどのくらいになるのだろう…。」
  • 「骨折したときの治療方法は何をするのか。」
  • 「骨折した場合、後遺症が残ることもあるのかな?」

このような疑問や不安はありませんか。今回の記事では、交通事故で骨折した場合の慰謝料についてだけでなく、治療や後遺症についても解説していきます。

交通事故で骨折をした…

交通事故にあったときに、骨折することも考えられます。
特に、骨折しやすいとされているのは…

  • 鎖骨骨折
  • 上腕骨近位端骨折(じょうわんこつきんいたんこっせつ)
  • 上腕骨骨幹部骨折(じょうわんこつこっかんきんいたんこっせつ)
  • 肘頭骨折
  • 大腿骨幹部骨折
  • 足関節骨折

上記のように骨折する部分も様々ですが、骨折の種類というものもあります。

骨折にも種類がある

骨折には、以下のような5つの種類あります

  • 複雑骨折(開放性骨折):折れた骨が皮膚を突き破ってしまい、体外に露出してしまっている状態のこと
  • 単純骨折:体内で骨折してしまい、皮下組織を傷つけていることもある
  • 圧迫骨折:外傷や椎骨の衰弱により引き起こされる骨折で、脊椎を押しつぶしたような状態になることもある
  • はく離骨折:腱・筋肉と骨がくっついている部分が剥がれてしまう骨折
  • 粉砕骨折:複数の骨折線と骨片の存在する骨折、神経のような周辺部分を傷つけていることもある

骨折の治療方法について

骨折の治療方法は、基本的に保存療法を行います。保存療法とは、手術を行わず、固定の処置を行い治していく方法です。しかし、骨がずれていた場合は、手術や整復術を行い、骨を正しい位置に戻すことから始めることになります。

先程述べた骨折の種類ごとで、治療方法が異なることもあります。以下で簡単に説明していきます。

  • 開放性骨折:止血・手術で傷の処置を行い、ギプスや石膏、手術などで骨がずれないように固定をする
  • 単純骨折:ギプスを使い、骨がずれないように固定する
  • 圧迫骨折:コルセットを使い固定をする
  • はく離骨折:ギプスで固定をするか薬物療法(非ステロイド消炎鎮痛薬)を行う
  • 粉砕骨折:ギプスや副木、複数回の手術で固定を行うか、はりと灸による施術を行う

骨折は後遺症になることもある

骨折は後遺症になることもあります。交通事故が原因で後遺症となった症状のうち、後遺障害に該当するものは、後遺障害と呼びます。考えられる骨折の後遺障害は、以下の5つです。

  • 欠損障害:上肢や下肢の全部または一部を失うこと
  • 短縮障害:交通事故にあう前よりも、足や腕の長さが短くなってしまうこと
  • 機能障害:骨のずれを上手く治すことができず、関節が動く範囲に制限があらわれること
  • 変形障害:上肢・下肢に偽関節(ぎかんせつ※1)・長管骨(ちょうかんこつ)の接合がうまくいかず不全を残すこと
  • 神経障害:骨折した部分に痛みやしびれなどが残ること

※1 偽関節とは、骨折した部分が上手くくっつかず、関節がない部分が曲がってしまうこと

骨折の後遺障害はどの等級?

先程述べたように、骨折の症状が後遺障害に該当する場合、その等級は以下の通りです。

  • 欠損障害:(内容と程度に応じて)1級、2級、4級、5級、7級に該当する
  • 短縮障害:5㎝以上短縮した場合8級、3㎝以上短縮した場合10級、1㎝以上短縮した場合13級に該当する
  • 機能障害:(内容と程度に応じて)1級、5級、6級、8級、10級、12級に該当する
  • 変形障害:(内容と程度に応じて)7級、8級、12級に該当する
  • 神経障害:(程度に応じて)12級、14級に該当する

後遺障害の等級で、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が異なります。次の章で、より詳しく説明していきます。

交通事故の慰謝料は2つ

交通事故の慰謝料は、骨折だけでなく怪我をした場合に受け取ることができます。そもそも慰謝料というのは、交通事故のような損害が原因で、精神的苦痛を受けた場合の対価として支払われるものです。

交通事故の慰謝料は、以下の2種類になります。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料

それぞれの慰謝料について詳しくみていきましょう。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故が原因で入通院した場合の精神的苦痛に対して支払われます。

自賠責保険基準の場合、入通院慰謝料は1日あたり4200円と決められています。この4200円に「実通院日数」か「通院期間」を乗じた金額が、受け取れる慰謝料額となるのです。「実通院日数(※2)」か「通院期間(※3)」のどちらを使うかは、2つの数字を比較したときに少ない方を選んで計算式に当てはめます。

※2 実通院日数は、入院した日数と実際に通院した日数を足し、2倍することで求めることができます。
※3 通院期間は、事故から完治した日または症状固定となった日までの全日数のことです。 

▶︎参考:自賠責保険基準とは?慰謝料計算に必要な3つの基準について

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害による精神的苦痛の対価として支払われ、後遺障害等級認定で認められた等級によって受け取れる金額が異なります。

自賠責基準で後遺障害慰謝料を等級別みみていくと…

等級 後遺障害慰謝料(自賠責基準)
1級 1100万円
第2級 958万円
第3級 829万円
第4級 712万円
第5級 599万円
第6級 498万円
第7級 409万円
第8級 324万円
第9級 245万円
第10級 187万円
第11級 135万円
第12級 93万円
第13級 57万円
第14級 32万円

このように、後遺障害の等級が1級の場合と14級の場合で、大きな差があることがわかります。
ただし、後遺障害慰謝料は後遺障害等級認定を申請して、等級が認められた場合にしか支払われないので注意しましょう。

▶︎参考:後遺障害等級認定を申請するには?

交通事故で骨折したときの慰謝料まとめ

交通事故で骨折したときの慰謝料について…

  • 骨折したときの慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料がある
  • 自賠責保険の入通院慰謝料は、1日あたり4200円
  • 後遺障害慰謝料は、後遺障害等級認定で等級が認められた場合に支払われる
  • 後遺障害慰謝料は、認められた等級によって金額が左右される

交通事故で骨折した場合は、この記事を参考にしてくださいね。