交通事故で調停に…手続きや必要な書類は?

2019年02月04日

3ヶ月前に交通事故の被害にあい、怪我をした。1週間前に治療が終わり、示談交渉に入った。しかし、相手方との示談交渉がうまく進んでいなかった。友人に相談すると、「調停をしたらどうか。」という提案を受けた。「調停って何?」

このような疑問ありませんか。今回の記事では

  • 交通事故で示談が不成立だったら
  • 交通事故の調停について

について説明していきます。

交通事故の調停とは?

「調停」という言葉は聞き慣れない言葉ですよね。調停とは、第三者が間に入って対立する両者が納得する妥協点を見つけ、問題を解決すための手段です。このとき、間に入る第三者は、裁判官1人と調停委員2人で結成された調停委員会という人たちです。

解決方法は調停だけではない!

交通事故の示談が成立しなかった場合、解決方法は調停だけではありません。以下の2つの解決方法を選択することも可能です。

  • 紛争処理機関(ADR):裁判所ではない機関が間に入って話を解決していきます。
  • 裁判:双方の意見や証拠をもとに、裁判官が問題を解決していきます。

▶︎参考:紛争処理センターについて詳しく知りたい方はこちら

▶︎参考:交通事故の裁判について詳しく知りたい方はこちら

交通事故の問題で調停を行った方がいい場合


調停を行った方がいい場合というのは、どのようなときなのでしょうか。その例を4つ説明していきます。

例1:示談交渉が長期化しそうなとき

示談交渉が長期化してしまうと、損害賠償を受け取る日も先延ばしになってしまいます。調停を行うことにより、早く解決することができます。

例2:損害賠償の支払いに応じてくれなさそうなとき

調停では、調停調書という両者が納得した解決策を記載した書類を作成します。この調停調書は強制執行力を持っており、調停後に強制執行の申し立てをすることができます。

例3:相手の交渉力が高いとき

自分自身で行っている場合、示談交渉を行う相手は、法律の知識が豊富な人や交渉が得意な人です。したがって、自分が不利な状況であることになります。

調停では、第三者である調停委員会が間に入り、不当な結論にならないように助けてくれます。そのため、平等な立場で問題を解決することができるのです。

例4:相手が無保険だったとき

もしも相手が無保険だったとき、保険会社は示談の代行を行ってくれません。そのため、両者が交渉に慣れておらず、法律の知識もないため、示談交渉をしてもうまく進まないことが多いです。この場合、調停を行い、調停委員会と共に話し合いを進めていくのがよいでしょう。

交通事故で調停になったときの流れ


調停を行う場合、調停委員会によって進められているということはわかりました。しかし、どのような流れで行うのでしょうか。

交通事故の調停は、以下のような流れになっています。

  • ①調停の申し立てを行う
  • ②調停の準備
  • ③調停の日時を決定
  • ④調停委員が双方の意見を聞き、解決策を提案
  • ⑤解決策に双方が納得した上で、調停調書を作成

①調停の申し立てを行う

調停の申し立て先は、「損害賠償請求をする相手方の住所を管轄する簡易裁判所」か「双方が話し合いで決めた地方裁判所または簡易裁判所」です。

②調停の準備

調停になった場合、以下のような書類を用意しなければなりません。簡単ににまとめました。
必要書類

  • 交通調停申立書
  • A.交通事故による損害賠償(人損・物損)・状況説明書
  • B.交通事故による損害賠償(物損のみ)・状況説明書
  • C.交通事故による損害賠償(加害者申し立て)
  • 印鑑
  • 調停で請求する金額に合った手数料及び郵便切手
  • 証拠書類の写し(請求に関する書類)
  • その他:(例)3か月以内に発行された戸籍謄本または抄本の原本(当事者が未成年の場合)

A・B・Cの書類に関しては、自分の状況にあった書類を選んで使いましょう。

③調停の日時を決定

裁判所より調停を行う日時の連絡が来ます。日時が決まり次第、相手方に「調停申立書」の写しと調停への呼出状が送られます。

調停は日時の変更が可能です。調停の日時を変更したいときは、調停を行うと決めた日時までに「期日変更申請書」という書類を提出する必要があります。

④調停委員が問題の解決策を提案する。

基本的に当事者が別々に調停室に入り、各々意見を主張します。調停委員は、それぞれの意見を聞き、整理して解決策を提案します。

⑤調停委員が調停調書を作成する。

調停委員が提案した解決策に双方が納得すれば、調停は終了します。その後、調停調書が作成されます。
ただし、調停調書を作成した後に、不満を訴えることは不可能です。そのため、調停調書を作成する場合は、内容をしっかりと確認する必要があります。

交通事故の調停の期間について

調停は、1回の話し合いで終わるときもあれば、5回も話し合いしなければならないこともあるのです。このように、それぞれのケースで調停の期間は異なってきます。

基本的に調停に期限や回数の制限はありません。問題の解決できそうにない場合は、調停委員会によって、調停の不調と判断されて裁判にまで発展することがあります。

交通事故の調停にかかる費用

調停を行う場合、手数料がかかります。しかし、裁判に比べて手数料の金額は低いです。

先程も説明しましたが、手数料は請求する金額に応じた金額を支払わなければなりません。その手数料について以下の表にまとめました。

調停で請求する金額 調停にかかる手数料
10万円 500円
30万円 1500円
50万円 2500円
100万円 5000円
300万円 10000円
500万円 15000円

交通事故の調停まとめ

いかがでしたか。今回の記事をまとめると

  • 示談が成立しなかった場合、調停・紛争処理機関(ADR)・裁判で解決する。
  • 調停は、裁判官1人と調停委員2人の調停委員会を結成して進められる。
  • 調停の日時を変更する場合、期日変更申請書を提出する。
  • 調停調書を作成した後、内容を変更することはできない。
  • 調停の期間は、それぞれのケースで異なり、調停でも解決しないこともある。
  • 調停は、裁判よりも費用がかからない。

交通事故で調停になった場合、この記事を参考にしてくださいね。