交通事故で接骨院と病院を併用する方法!診断書と施術証明書の違い

2019年02月19日


交通事故は、ほとんどの方にとって初めてのことだと思います。何度も経験することではないだけに、不安や疑問も多いのではないでしょうか。今回は、交通事故で怪我を負った場合、接骨院への通院や病院と併用する方法など、気になるポイントをご紹介します。

交通事故で負傷、病院と接骨院どちらに行くべき?

交通事故後は、病院で治療を受けることが一般的です。しかし接骨院の中には、「交通事故の怪我に対応します」というような看板が立てられている所もありますよね。それでは、交通事故で怪我を負ってしまった場合、まずは病院と接骨院のどちらに行けばよいのでしょうか。

まずは病院へ

交通事故にあったら、まず一度は病院を受診しましょう。事故直後に痛みや自覚症状がなくとも、病院を受診することが大切です。なぜなら、交通事故直後は脳が興奮状態にあり、すぐに痛みを感じないケースがあるためです。また、交通事故に多くみられるむちうち症の場合、翌日から数日後に痛みが現れる場合があります。
さらに、病院のみで行えることもあります。レントゲンやCT・MRIによる検査や、事故後の手続きに必要となる診断書の発行は、医師のいる医療機関でのみ行なえます。

接骨院への通院も可能

病院で医師の診断を受けた後は、接骨院へ通院することも可能です。
接骨院で施術を行うのは、国家資格である柔道整復師です。主に手技療法を用いており、実際に痛みのある部位や、その周辺へ直接触れて施術を行います。また、症状により物理療法や運動療法も使用します。施術により、患部の回復を手助けすることを目的としています。
接骨院の他に、整骨院という施設も目にするかと思います。接骨院と整骨院は、名称が異なるだけで、どちらも柔道整復師によって施術が行われます。

病院と接骨院の併用は可能なのか

病院と接骨院どちらか一方に行くよりも、併用して通院したいと思う方も多いのではないでしょうか。
結論から述べると、病院と接骨院を併用しながら通院することは可能です。
ただ、併用するためには押さえておきたいポイントがいくつかあります。

併用するために押さえておきたいポイント3つ

病院と接骨院を併用して通院するためのポイントは以下の3つになります。

1.病院を受診し、診断書を取得する

まずは、病院を受診して診断書を取得しましょう。交通事故における診断書は、怪我と交通事故の因果関係を証明する書類になります。また、交通事故後の保険会社対応や示談交渉など、様々な手続きに必要になります。

2.接骨院に相談する

交通事故による怪我の施術や対応を行う接骨院で、診断書や自身の痛みを元に、きちんと症状を伝えて相談しましょう。場所や営業時間といった、通院しやすさも選ぶ際のポイントになります。

3.保険会社に連絡する

交通事故の被害者の場合、怪我の治療費を支払うのは相手側の保険会社です。相手側の保険会社に、接骨院に通院することを伝えておきましょう。保険会社に連絡をしておかないと、治療が終了したと判断され、適切な損害賠償が支払われない可能性があります。

併用に医師の許可は必要?

保険会社へ接骨院に通院する旨を伝えたら、「医師の許可が必要だ」と言われる場合があります。しかし、交通事故後の通院先は、基本的に被害者自身が自由に選ぶことができます。したがって、必ず医師の許可や紹介状が必要なわけではありません。
ただ、交通事故による怪我の場合、保険会社の意見が介入します。適切な治療費を支払ってもらえないといったトラブルと避けるためにも、医師の許可を得ることが望ましいです。
しかし、医師が接骨院での施術を許可したり、指示することは少ないのが現状です。とはいえ、何も言わずに接骨院へ通院することは、無用なトラブルを招きかねません。少なくとも「接骨院にも通っている」とは伝えておきましょう。

また、接骨院を中心に通院する場合であっても、少なくとも月に1回は病院へ通院することが大切です。怪我の状態を診断できるのは、医師のみです。治療の経過を把握するためにも、病院へは継続的に通院しましょう。

交通事故の治療費 接骨院の場合はどうなる?

交通事故の加害者は、被害者に対して損害賠償を支払う義務があります。したがって、交通事故による怪我の治療費や慰謝料は、接骨院へ通院しても支払われます。

診断書と施術証明書の違いとは

交通事故の損害賠償を受けるために、加害者側の保険会社に診断書を提出する必要があります。
医療機関で発行される診断書と、接骨院で発行される施術証明書はどのような違いがあるのでしょうか?

診断書

交通事故における診断書とは、交通事故と怪我の因果関係を証明する重要な書類となります。診断書は医師のみが発行でき、交通事故後の様々な手続きに必要になります。

また、交通事故における診断書には、主に以下の項目が記載されています。

  • 怪我をした日付
  • 初診日
  • 治療期間
  • 交通事故による怪我であること

施術証明書

施術証明書とは、接骨院で交付される以下のような項目を記載した証明書になります。

  • 対象者の情報(住所や氏名など)
  • 現在行っている施術
  • 施術をいつから行っているか
  • 今までの施術内容や日付
  • 発行した日付
  • 接骨院の情報(住所や電話番号など)
  • 柔道整復師の氏名

医師による診断書には、今後の治療の見込みについても記載されています。一方で、柔道整復師の施術証明書は、現在までの状況を記載しています。

可能な限り診断書を取得しましょう

診断書が必要となる場面は、保険会社への請求だけではありません。
仕事を休むことになった場合に、診断書の提出を求められる場合もあります。
また、交通事故を物損事故から人身事故へと切り替えるには、警察へ診断書を提出しなければなりません。
人身事故へと切り替える際に、施術証明書を利用することもできます。しかし、施術証明書は受け入れない場合や、医師による診断書も同時に提出するように指示する警察もあります。基本的には、病院で診断書を取得するといいでしょう。

交通事故の怪我はまずは病院へ

交通事故により怪我をした場合は、まずは病院へ行きましょう。接骨院への通院も可能で、併用しての通院もできます。保険会社に難色を示される場合がありますが、基本的には自分自身で通院先を選ぶことができます。しかし、トラブルを避けるためにも「接骨院へ通院する」と、保険会社と医師の両方に伝えておくことが大切です。