交通事故で前科がつくのはどんな時?もたらす影響とは
交通事故の加害者になってしまったとき、「前科がついてしまうかもしれない。」と不安を抱いていませんか。今回の記事では、交通事故の前科についてだけでなく、前歴がもたらす影響や交通事故の裁判などについても解説していきます。
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交通事故の前科とは?
交通事故で加害者になった場合、前科という言葉をよく聞きますよね。前科は、以前にも刑罰を受けたことがあるかという経歴を知るためのものです。
前科と前歴の違い
交通事故には、前科の他に前歴というものもあります。前科と前歴は似ているように思いますが、異なるものです。
- 前科:「起訴された」かつ「裁判で有罪になった」人が該当者となる
- 前歴:「逮捕された」人が該当者となる
上記のような違いがあります。覚えておきましょう。
前科がもたらす影響
交通事故によって前科がついてしまうと、どのような影響があるのでしょうか。
前科がついてしまったとき、以下のような影響が受けることがあります。
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例1:公務員に関して
禁固刑以上の刑罰を受けたとき、資格を失うことになる。
執行猶予付きの場合「執行猶予期間が終わるまで」、実刑の場合「刑期が終わるまで」は公務員になることができない。または、公務員の職を失うこともある。
例2:国家資格に関して
柔道整復師で、罰金刑以上の刑罰を受けたとき、免許を与えないことがある。
例3:警備員に関して
禁固刑以上の刑罰を受けた場合、刑期が終了してから5年の間、警備員の仕事に就職することができない。
上記のように、基本的には仕事に関する影響が多いです。
「一度ついた前科は、消すことができません。」そのことをしっかりと頭に入れておいてください。
交通事故の前科がつくのはどんな時?
先程、前科と前歴の違いを説明したときに、「起訴された」かつ「裁判で有罪になった」人が前科がつくといいました。では、交通事故で起訴されて有罪判決を受ける場合とは、具体的にはどのようなときなのでしょうか。その事例を以下にまとめました。
- 飲酒運転による事故。
- 無免許運転による事故。
- ひき逃げによる事故。
- 過去に懲役刑や禁固刑を受けた人が起こした事故。
- 事故の事実を認めていない場合。
- 100万円以下の罰金刑にあたる事故。
上記のような事故を起こした場合、起訴され有罪判決を受けることが多いです。そのため、前科がついてしまうのです。
交通事故の加害者が不起訴になる場合
交通事故の加害者は、必ず裁判になるというわけではありません。裁判の前に検察官が、起訴・不起訴の判断を行います。検察官が「起訴する」と判断すれば、裁判になるのです。
不起訴といっても、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」の3つの種類があります。
- 嫌疑なし:交通事故を起こした疑いが晴れた場合
- 嫌疑不十分:交通事故を起こした疑いは晴れていないが、その事実を証明できない場合
- 起訴猶予:交通事故を起こしたが、事情を考慮し、起訴の必要がないと判断された場合
先程、起訴される事故の事例をあげました。反対に、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」のように、不起訴となる場合を以下にまとめました。
- 被害者にも過失があり、加害者の過失を証明できない場合。
- 被害者の損害が軽くて加害者に違反歴がなく、双方の間で示談が成立している場合。
上記に当てはまる場合は、不起訴となることが多いです。
交通事故の加害者が起訴されるまでの流れ
交通事故の加害者は、起訴されると前科がつきます。しかし、起訴される前に、どんなことが行われるのでしょうか。
- 警察での取り調べ
- 検察での取り調べ
- 身柄の拘束または解放
- 起訴・不起訴の判断
それぞれについて詳しく説明していきます。
警察での取り調べ
交通事故の当事者から事情聴取を行います。事情聴取が行われたら、事故状況をまとめた実況見分調書が作成されます。
また、警察で供述調書の作成も行われます。供述調書とは、犯罪の疑いをかけられた被疑者(加害者)の供述を記録した書面であり、供述証拠として使われるものです。
検察での取り調べ
警察で作成された実況見分調書や供述調書が検察に送られると、被疑者(加害者)は検察に呼び出されます。
検察に呼び出されると、警察の取り調べが適切なものであったかどうかが確認されます。自身の言い分と違う点や疑問に思う部分があれば、具体的に述べるようにしましょう。
身柄の拘束または解放
検察の取り調べで、逃亡の恐れがある被疑者(加害者)は身柄を拘束されてしまいます。身柄を拘束されるのは、反省している様子が見られない、事故の原因が飲酒運転の場合です。
反対に身柄が解放された被疑者(加害者)は、身柄を拘束されませんが、在宅で裁判の判決を待つという流れになることが多いようです。
起訴・不起訴の判断
検察が起訴・不起訴の判断を行います。起訴された被疑者(加害者)は、その後に裁判へ進むことになります。
交通事故の刑事裁判について
もしも交通事故で刑事裁判になった場合、以下の2つの裁判方式で執り行われます。
①略式裁判
略式裁判とは、裁判の手続きを簡単にした裁判方式です。そのため、法廷にわざわざ出向く必要がなく、書面で加害者の判決を言い渡します。
以下の場合、略式裁判の方式になります。
- 100万円以下の罰金や科料(※1)に関する事件である
- 簡易裁判所の管轄に該当する事件である
- 略式起訴に対して被疑者が納得している
※1 軽い刑罰として、1000円以上1万円未満を納めさせる財産刑のこと。
②正式裁判
正式裁判は、一般的な裁判です。法廷に出向いて審理を行い、最終的に判決を言い渡します。そのため、略式裁判とは異なり、手間がかかってしまいます。
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交通事故の前科まとめ
今回の記事をまとめると
- 前科とは、以前にも刑罰を受けたことがあるかという経歴を知るためのもの。
- 前科は、起訴されて有罪判決を受けた人がつくもの。
- 前科がついてしまうと、仕事に関する悪影響が起こりうる。
交通事故の前科についてわからないことがあれば、この記事を参考にしてくださいね。