交通事故で加害者に…。事故後に行うべき5つの行動を解説!
万が一、交通事故の加害者となってしまった場合、どのような行動を行えばよいのでしょうか。正しい対処を取らなかった場合、示談交渉に影響を及ぼす可能性があります。今回は、交通事故の加害者が行うべき5つの行動と、やってはいけない3つの行動を解説していきます。
交通事故の加害者となった場合に行うべき5つの行動
交通事故が起きた場合、気が動転し慌ててしまうかと思います。しかし、何より重要なことは落ち着いて行動することです。状況を把握しスムーズに対応ができるように、冷静な行動を心がけましょう。
誰しもが加害者にも被害者にもなり得る交通事故ですが、万が一ご自身が加害者となってしまった場合、その場で行うべき行動が5つあります。この見出しでは、行うべき行動5つについて詳しく解説していきます。
①負傷者の救護措置
交通事故を起こしてしまった場合、第一に負傷者の救護を行いましょう。
道路交通法第72条により救護義務が定められているため、救護を行わず放置してしまうと救護義務違反となります。
救急車の手配
目立った外傷がなくとも、後々痛みや症状があらわれる可能性があるため、119番で救急車の手配を行いましょう。また、被害者側が救急車は大丈夫だと断った場合でも、事故後に症状があらわれた場合、救急車を呼ばなかったと不利な状況になる可能性もあります。
出来る限りの応急処置を行う
救急車が到着するまでにできることがあれば、救急士に指示を仰ぎながら応急処置を行いましょう。応急処置中は、被害者の状態を確認し救急士に引き継げるようにするといいでしょう。
②安全確保
交通事故直後は、後方車からの追突などによる二次災害を防ぐための安全確保が必要です。自動車を安全な場所へ移動し、車の大破状況により移動が難しい場合にはハザードランプを点滅させ事故が起きていることを知らせましょう。
また、発煙筒なども事故発生を知らせる1つの手段です。
安全確保を行わずに二次災害が起こってしまった場合、危険防止義務違反の罪に問われます。
③警察へ連絡
交通事故を起こしてしまった場合、事故の大きさにかかわらず、警察へ連絡する報告義務が発生します。
負傷者の救護処置と安全確保を終えたら、警察へ連絡しましょう。
報告義務を怠ると報告義務違反となり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられます。
④事故状況の確認
現場検証や示談の際、事故の状況を正確に伝えるためにも、事故状況を把握する必要があります。正確な情報を残すために、現場の状況や車の状態をスマホで撮影しておくとよいでしょう。
また、目撃者がいる場合は連絡先を交換しておくと、被害者と示談交渉で揉めた際に有効な証拠として使える可能性があります。
⑤保険会社へ連絡
上記の行動がひと段落した後、保険会社に連絡する事故通知義務があります。
正当な理由なく、通知を怠ると保険金が支払われないこともあるので、必ず連絡しましょう。通知すべき2つの内容があります。
- すぐさま、電話にて以下内容を通知
- 遅滞なく以下内容を書面にて通知
・事故の発生日
・発生場所
・事故の概要
・事故の状況
・被害者の住所
・氏名
・事故の証人がいる場合(住所・氏名・事故内容)
加害者がやってはいけない3つの行動
交通事故後、必要以上に対応を行ってしまうと、後の示談交渉で不利になる可能性があります。ここでは、交通事故後に加害者がやってはいけない3つの行動について解説していきます。
①事故現場で示談交渉を行う
交通事故の現場で示談交渉を行うことは止めましょう。
なぜなら、過失割合や損害賠償額は正式な調査をした上で決定されるためです。正式な判断が出ていない状態で話し合いを進めてしまったことで、必要以上に不利な状況になることもあります。ただの口約束でも示談は成立となります。
当事者同士で示談するのではなく、警察や保険会社に対応をお願いしましょう。
②対応を保険会社に任せっきりにしてしまう
被害者対応は、保険会社に任せることができます。
しかし、実際に全てを一任すべきではありません。加害者のせいで怪我をし辛い生活や入院を強いられることや命を失う可能性もあります。そんな事故を起こした中で、加害者が何もせず保険会社に全て任せた状態だと、被害者感情を刺激してしまいます。
しっかりと反省の意を込め、誠心誠意対応することも大切になります。
③救護義務の放棄
救護義務の放棄は、ひき逃げをしてしまうということです。
救護義務違反となり、罰則として5年以下の懲役または50万円以下の罰金に問われます。また、放棄したことで死者がでた場合、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に問われます。
どのような状況でもご自身が加害者の場合には、必ず救護義務を果たす必要があります。
▶︎参考:交通事故の刑事処分には何がある?刑罰を受けるまでの流れとは
交通事故後の謝罪は必要?
強制的な謝罪義務がある訳ではないため、被害者への謝罪をすべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。実際には、被害者に誠意を見せるためにも謝罪はすべきです。
なぜなら、「謝罪すらない」と被害者感情を刺激してしまう可能性があり、誠意がないとされ示談が進めにくくなることもあるからです。被害者に謝罪することは、示談交渉を円滑に進めることに繋がります。
謝罪を行う方法
実際に謝罪を行う場合、以下4つの方法があります。
- 電話
- 手紙
- メール
- 訪問
まずは、事故当日もしくは翌日に一度電話をし状態を伺った上で、後日手紙にて謝罪し、誠意を伝えましょう。
謝罪文を書く際も注意すべき点があります。
以下内容に注意しつつ、素直に謝罪の気持ちを伝えることが重要になります。
- 白無地の縦罫線もしくは白無地の罫線なしの便箋
- 手書きで丁寧に書く
- 誤字脱字があった場合、修正液など使用せず再度書き直す
- 謝罪文の丸写しではなく、ご自身の言葉で書く
- 許しを請うのではなく、事実を認めた謝罪文を書く
▶︎参考:追突事故における電話での謝罪 謝罪を避けるべきケースとは
謝罪のタイミング
謝罪をする方法も大切ですが、タイミングも重要になります。
電話をする場合は、時間帯に注意を払いましょう。早朝や深夜は避け、被害者の都合を考えた時間帯に電話をするのが好ましいでしょう。また、事前に聞けるのであれば電話の繋がりやすい時間帯などを聞いておくとスムーズに進みます。
まとめ
いかがでしたか。車を運転している以上、いつ加害者となるかわかりません。
実際に加害者となってしまった場合、行うべき5つの行動をし、しっかりと義務を果たしましょう。また、やってはいけない行動も重要となります。この記事で適切な対応を理解してもらえたら幸いです。