交通事故後は病院へ行く!|交通事故後の治療の流れを解説

2019年06月24日

交通事故の被害にあってしまった場合、なるべく早く病院を受診することが大切です。
しかし、交通事故についてあまり詳しくないと、何科に受診するか、事故から何日くらいで受診するべきかなど、疑問がたくさんあると思います。
そこでこの記事では、交通事故後の治療の流れを解説しています。病院の受診から、後遺障害の申請まで説明していきますので、皆様の疑問もきっと解消できるはずです。

交通事故後の治療について


これから、交通事故にあってしまった後の治療について解説していきます。
交通事故後、治療を始めるのはいつ頃?何科を受診すべき?など皆様のお悩みを解消するための情報を発信しています。

交通事故後は整形外科へ

交通事故にあってから、最初に受診するのは整形外科がよいでしょう。
交通事故の衝撃で、骨折や捻挫など骨や筋肉が損傷を受ける場合が多いため、整形外科で治療を受けることが望ましいです。また、交通事故被害者の約7割がなるいわれているむちうちも、筋肉や靭帯の損傷であるため、整形外科を受診して検査を受けた方がよいです。
骨折や捻挫などのはっきりとした怪我がない場合や、体の複数の部位に痛みがある場合は、総合病院を受診することもおすすめです。
総合病院へ行けば、検査をしながら、症状に適した診療科を判断してもらえます。また、総合病院のような大きい病院は検査機器が充実しているため、些細な体の異常も見つけて治療を開始することができます。

病院を受診すべき理由

病院でしか行えない検査や、治療はたくさんあります。以下のような行為は医師免許を持った者にしか行えません。
レントゲンやMRIなどの画像診断
ブロック注射や湿布、痛み止めなどの投薬・薬の処方
また、交通事故後の手続きの際に、警察や保険会社への提出が必要になる診断書の作成も医師にしかできない行為になります。

受診するタイミングは事故から一週間以内がベスト!

病院を受診する場合、交通事故から一週間以内に受診するようにしましょう。
交通事故が発生した時に怪我や痛みがなかった場合、警察や加害者との間で物損事故として手続きを進めてしまう方もいると思います。しかし、交通事故直後は身体が興奮状態にあるため、実際に身体が損傷を受けていても痛みを感じないケースがあります。すると、事故の翌日以降に急に痛みが出てくることもあるのです。
後から人身事故の扱いへ切り替えることが可能です。その際は、警察へ診断書の提出が必要になります。
人身事故への切り替えの際に実況見分が行われ、事故当時の状況を調査します。交通事故発生から時間が経ち過ぎていると、供述内容が曖昧になってしまう可能性があります。
曖昧な受け答えで、切り替えができなかった、というようなことがないように、早めに病院を受診し、診断書を発行してもらい、警察へ提出して人身事故へ切り替えることが必要になるのです。

整形外科以外の通院先は整骨院

交通事故の怪我を治すための通院先は、整形外科の他に整骨院があります。
整骨院では、整形外科のような治療を受けることはできませんが、柔道整復師による施術が受けられます。
具体的な施術内容は、以下になります。
手技療法
  直接手で身体に触れ、マッサージを行い筋肉の緊張を緩和させる。
物理療法
  電気や超音波など、機械を用いて物理的な刺激を与えて症状を緩和させる。
運動療法
  ストレッチや筋力トレーニングを行い、身体の機能回復を目指す。

整形外科に通いながら、整骨院への通院を開始する場合には、担当医師に一度相談してみましょう。

通院は完治か症状固定まで続けましょう


交通事故で多く発生する怪我の、一般的な治療期間は以下になります。

怪我の種類 一般的な治療期間
むちうち 3~6ヶ月
骨折 1~3ヶ月
捻挫 1~2ヶ月

この治療期間が目安ですので、症状の程度によって前後しますが、完治か症状固定までしっかり通院を続けることが大切です。
しかし症状固定がどのようなものなのか、ご存知ない方も多いのではないでしょうか?これから症状固定について詳しく解説していきます。

症状固定について

症状固定とは、これ以上治療を続けても、症状の改善が見込めない状態を指します。
ある程度治療を継続していると、加害者側の保険会社から、治療費の打ち切り症状固定を打診されることがあります。保険会社から打診される理由としては、症状固定になった時点で保険会社は治療費や交通費の負担が終了するため、負担を減らすためにも早く打ち切りにしたいということが考えられます。
しかし、症状固定の判断を下せるのは医師のみです。保険会社から治療費の打ち切りや、症状固定の提案があった場合は、担当医師に相談してみましょう。まだ症状があって治療を続けたいというのであれば、医師に伝えれば、治療の継続が必要な状態なのか検査してもらえるかもしれません。

症状固定後は、後遺障害等級認定へ


症状固定の診断を受けた後は、後遺障害等級認定の申請をおすすめします。
後遺障害等級認定がどのような制度なのか、これから解説していきます。

後遺障害等級認定で請求できる損害賠償が増える

症状固定の診断を受けた時点で残っている症状は、後遺症となります。後遺症の中で、労働能力の低下を伴う症状は、後遺障害という扱いになります
審査機関が、後遺障害の程度に合った等級を認定することを後遺障害等級認定といいます。
後遺障害等級認定を受けることで、以下のような新たに請求できる損害賠償が2種類増えます。

    後遺障害慰謝料
    逸失利益

後遺障害等級認定の申請方法は2種類

後遺障害等級認定を受けるためには、審査機関への申請が必要です。
申請方法は以下の2種類です。

  • 事前認定
  • 被害者請求

それぞれのメリットやデメリットなど、詳しく解説していきます。

事前認定

事前認定は、医師に発行してもらった後遺障害診断書を加害者側の任意保険会社に提出するのみで手続きが終了します。
残りの必要書類の準備や、審査機関への提出は、任意保険会社が行ってくれます。

メリット 書類を収集しなくて済むので手間がかからない
デメリット 保険会社がどのような書類を提出しているかわからず、書類不足で十分な等級が認められない場合がある

被害者請求

被害者請求は、必要書類の収集から提出までを被害者側で行う方法です。

メリット 提出した書類の内容が明確なため、認定される等級に納得できる
デメリット 書類収集に時間や手間がかかる

被害者請求のほうが、大変そうに感じてしまいますが、十分な補償を受けるために、提出書類の透明性が重要になります。
望む等級を認定してもらうためにも、被害者請求での申請をおすすめします。

損害賠償金の受け取りは示談が成立してから


後遺障害等級認定が終了したら、損害賠償金を受け取るためにも、示談交渉を開始します。
示談交渉とは、交通事故の当事者同士が、損害賠償の金額や支払方法を決める話し合いのことです。

示談交渉で注意すべきポイント

示談金(=損害賠償金)の金額を決める話し合いのため、損害賠償金の合計金額を計算できる時期になってから示談交渉を開始することが重要です。
基本的に、一度示談が成立してしまうと、損害賠償金額の変更はできません
そこで、示談交渉を行う際に気を付けるべきポイントを3つ挙げます。

  • 相手側が提示してきた金額が正しいか、自身で再計算する
  • 簡単に合意してしまわず、弁護士や周囲に相談してみる
  • スムーズに交渉が進まない場合は、裁判も視野に入れる

先述したように、一度示談書に署名・捺印をしてしまうと、変更や修正は行えません。示談交渉は、焦らず慎重に話し合いを進めていくことが大切です。

請求できる損害賠償の項目

示談交渉の際に、話し合いの要となる損害賠償金の主な項目は以下になります。

治療費 怪我の治療にかかった費用
通院交通費 通院にかかった費用(電車代、自家用車のガソリン代)
休業損害 交通事故の影響で仕事を休んだ場合の減収部分
入通院慰謝料 入通院による精神的苦痛の金銭的補償
逸失利益 労働能力の喪失がなければ本来得られたはずの収入の減収部分
後遺障害慰謝料 後遺障害による精神的苦痛の金銭的補償

入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、休業損害と逸失利益、それぞれ似ているように感じますが、それぞれ別項目として請求できます。

まとめ

いかがでしたか?
交通事故にあった後は、最初に病院(整形外科)を受診することが大切です。
完治または症状固定の診断がされるまで、定期的に通院を続けましょう。症状固定後は、後遺障害等級認定を受け、示談交渉が始まります。
交通事故後の流れでお悩みの方がこの記事を読んで、少しでもお悩みが解消されることを願っております。