交通事故にあったら?被害者の正しい対応5つと絶対やってはダメなこと
交通事故がおきたとき、警察への連絡など加害者が行わなければならないことがほとんど。しかし、追突された交通事故の被害者であったとしても、交通事故の知識について少しは知っておかなければ、被害者であるあなたが損をしてしまう可能性があります。被害者も交通事故後の対処について知っておく必要があります。そこで今回は、被害者がするべき対応についてご紹介していきます。
もくじ
交通事故の原因は約4割が前方車への「追突」
誰にでも起こり得る可能性があるのが交通事故です。
車の交通事故は、年間でおよそ50万件、負傷者数は60万人を超えると言われています。これはつまり、1日で1600人以上の人が交通事故に遭っているということになります。交通事故の被害者数は年々減少していますが、自分がいつ交通事故の当事者になるかは、わからない状況です。
特に追突事故は、被害者のほとんどは防ぐことができません。
▶︎参考:人身事故なのに物損事故で処理されている方はこちらを
交通事故の被害者が絶対やるべき対応5つ
交通事故の被害者が絶対にやるべき対応は以下の5つです。
順に見ていきましょう。
- ①警察へ連絡を入れる
- ②加害者の情報を確認する(交通事故の状況と加害者の言い分を確認)
- ③加害者が加入している自賠責保険と任意保険の確認
- ④自分が加入している保険会社への連絡
- ⑤病院で診断を受ける
①警察に連絡を入れる
交通事故に巻き込まれてしまった時には、まず警察へ連絡をしましょう。事故直後は気が動転していて忘れがちな「110番」。しっかりと少し気持ちを落ち着かせて、安全な場所へ移ってから警察へ電話しましょう。
交通事故が起きたとき、警察への連絡義務があるのは基本的には加害者になります。しかし、加害者が逃げてしまったり、加害者自身が大きな怪我を負っている場合もありますので、そのような場合は、被害者であっても警察へ連絡する必要があります。
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軽い事故でも警察を呼ぶ必要はある?
警察を呼ばないと後々、面倒なことに巻き込まれることがあります。交通事故の場合、警察は事故証明書というものを発行します。これは、交通事故に遭ったという証明ですので、これがないと保険会社から治療費などを受け取ることができなくなるのです。
加害者が警察への連絡を渋る場合は?
場合によっては、加害者が警察への連絡を嫌がり、その場で示談を提示してくることがありますが、これには絶対に応じないようにしましょう。加害者は、免許停止や点数を気にして警察を呼ぶのを嫌がることが多いのですが、交通事故で警察を呼ぶことは必須ですので、加害者が渋るようなら被害者側がすぐに警察を呼びましょう。
目撃者がいるなら
交通事故に巻き込まれた時、損をしないためには、なるべく目撃者の確保も必要になります。気が動転してそれどころではないかもしれませんが、加害者に逃げられてしまうことや、のちの示談交渉なども、第三者の証言はとても重要になります。探しておくと良いでしょう。
②加害者の情報を確認する
警察は、連絡してから到着までに時間がかかります。警察を待っている間は、加害者・被害者共に情報を交換し、すんなり示談が行える状態にしておきましょう。
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1.加害者の車両ナンバーを確認する
加害者が、警察が来る前に逃げてしまったり、連絡先や名前を偽ることもあります。そのような時でも、本人の確認として有効なのが車のナンバーです。事故直後は記憶が曖昧になりがちですので、携帯のカメラで撮るか、メモをとるようにしましょう。
2.加害者の連絡先を確認する
事故後のやりとりは基本的に、加害者の保険会社と行うことになります。今後のやりとりにあたって必ず必要になる加害者の名前、住所、連絡先。これらはメモ書きや携帯の録音機能を使って記録しておきましょう。相手が名刺などを持っていればもらっておき、相手に自分の名前や住所、連絡先を教えておくことも必要です。
③加害者の加入保険会社を確認する
加害者の情報と併せて確認したいのが、加害者側の保険会社。強制で入る自賠責保険と自分で選んで入る任意保険とがあります。通常、自賠責保険だけでは事故による損害は補いきれません。自賠責保険でカバーできないものを補填するために、任意保険があります。ですので、両方の保険を確認する必要があります。中には、任意保険に加入していない人もいますので、しっかりと確認をしておきましょう。
④自分の保険会社に連絡を入れる
示談交渉をするのは、加害者側の保険会社と、被害者であるあなたです。しかし、交通事故のプロである保険会社相手に、思っていることを論理的に伝えたり、煩雑な手続きをスムーズにこなしたりするのは、なかなか難しいもの。
自分が加入している保険会社にも話しておけば、力になってくれることもあります。また、もしかすると「弁護士特約」などのサービスに加入している場合も。交通事故の被害者になったことを必ず伝えておきましょう。
自分が加入している保険会社には、以下3つの情報を伝えるようにしましょう。
- ①交通事故に関する情報
交通事故の日時、場所、状況、届け出の警察、担当警察官の名前など - ②自分に関する情報
名前、住所、免許番号、自賠責保険、任意保険の証明書番号や通院先の病院名 - ③相手に関する情報
- 相手の名前、住所、連絡先、相手の車の色、登録番号
被害者だとしても、しっかり保険会社には連絡を取っておく必要があります。保険会社は交通事故の後処理に関してはプロですので、その後の手続きに関する相談にも乗ってくれます。
⑤病院で診断を受ける
交通事故により、歩けないような状況の時には、救急車を呼んでおきます。被害者の救護措置は、加害者の義務ですので、本来は加害者が要請するものです。しかし、加害者が逃げてしまったり、加害者も大きな怪我を負っている場合は被害者側でも救急車を要請しましょう。
▶︎参考:交通事故で軽症(むちうち)。その後の手続きについてはこちら
▶︎参考:むちうち直後は安静に!首を固定する方法とは?
交通事故の被害者がやってはいけないこと
交通事故にあった被害者は、以下の3点のことに注意をしてください。
- 警察に適当な証言・対応をしない
- ケガの治療の通院は途中で止めてはいけない
- 治療費を使いすぎてはいけない
上記のような3点のことをやってしまうと、被害者は損をしてしまう可能性があります。
警察に適当な証言・対応をしない
警察が事故現場にくるのは「そこに事故があったかどうか、それは一体どんな状況だったのか」を証明するための事故証明書を発行するために、現場検証・実況見分を行います。
その実況見分中に例えば、「あなたも停車していなかったのではないですか?」など聞かれたとして、「しっかり停止していたけれど、まぁいいか」と反論するのも面倒で、とらえず返事だけしてしまうことがあると思います。このような対応をとってしまうと、のちの過失割合に影響が出てしまいますので、絶対にやめましょう。
ケガの治療の通院は途中で止めてはいけない
交通事故がおきたばかりの時は、痛みが感じにくいという話があります。脳内が興奮してアドレナリンが出るからです。
誰しも普段の生活がありますので、定期的に通院するのはとても大変だと思います。しかし面倒だからと行って通院しないでいると、のちに痛くなった時に事故との因果関係を説明できず、保険会社から治療費を打ち切られる恐れがあります。
治療費を使いすぎてはいけない
交通事故の被害にあったとき、怪我をしてしまったら加害者側の保険会社から治療費や通院交通費、精神的損害を現金に換算した慰謝料などを保障されます。
しっかりと怪我を直すことに専念してもらうためです。しかし、すでに治っているにも関わらず延々と治療を続けたり、湿布や痛み止めの処方だけで治す気のない漫然治療ばかりの方もいるようです。「慰謝料が目的」と思われてしまう可能性がありますので、しっかりと通院し、怪我を治すことに集中するようにしましょう。
交通事故後の怪我はどこで診てもらう?
軽い事故で怪我もしていないなら、「病院に行かなくても大丈夫なのでは?」と考えるかもしれません。しかし、病院で出される診断書は、保険会社へ治療費を請求する際に必須となります。また、救急車を呼ぶほどの怪我でない場合でも、むちうちは後から痛みが出ることもあります。
診断書は、病院や整形外科などの医師にしか書けないものですが、通院先としては以下3つの選択肢があります。
- 病院・整形外科
- 整骨院・接骨院
- 鍼灸院
また、事故から数日経ってから受診した場合、今回の事故との関係性が疑われることもあります。後々のもめごとを避けるためにも、必ず、事故直後に受診するようにしましょう。
▶︎参考:交通事故の怪我、自分の症状にあった通院先を探したいなら
交通事故の被害者が取るべき行動まとめ
交通事故の被害者だとしても、やることはたくさんあります。「こんなことまで、被害者がやるの?」と思うこともあるでしょう。しかし、それが後々、自分を守ることにもつながります。
上記のほかにも、やっておいた方がいいこともあります。事故の状況を見ていた目撃者の確保や、事故現場の状況確保なども必要になります。警察が来てから、加害者とどちらが悪いかなどの言い合いになってしまったりすると、事故処理が長引きますので、目撃者や現場状況の確保をしておきましょう。
事故直後は興奮状態やショックで、記憶が曖昧になることがあります。そのため、警察や加害者とのやりとりは動画や録音などで記録しておくことも大切です。
交通事故後の対処は、冷静に状況を判断して行動することが求められます。何よりも、落ち着いて行動することを心がけましょう。