交通事故で同乗者として怪我 治療費の請求は誰に行うか

2019年02月18日

自ら車を運転しない場合でも、家族や友人が運転する車に同乗する機会は意外とあります。
同乗中に交通事故にあった場合、怪我の治療費や慰謝料などは誰に請求すればいいのでしょうか? 今回は、同乗者としての交通事故における損害賠償請求についてご紹介していきます。

交通事故にあったらまずは病院を受診する

交通事故にあったら、軽い怪我や自覚症状がない場合でも、まずは病院で受診することが大切です。なぜなら、交通事故直後は脳が興奮状態にあることで、あまり痛みを感じない場合があるためです。また、交通事故後に多くみられるむちうち症は、事故の翌日や数日後に痛みが現れることもあります。交通事故直後に病院を受診することは、運転者のみならず同乗者も同様に大切です。

交通事故による怪我の治療費は加害者が支払う

交通事故で怪我を負った場合、怪我の治療費は基本的に加害者側の保険会社が支払います。
交通事故の加害者は、被害者に対して損害賠償を行う責任があります。交通事故における損害賠償とは、交通事故により被害者が受けた様々な損害の埋め合わせを、加害者が金銭によって補うことです。
怪我の治療費は損害賠償の中に含まれており、他にも様々な費用を請求することが可能です。
それでは、損害賠償の内訳を見ていきましょう。

損害賠償の内訳

損害賠償は、主に以下の3種類に分けられます。

  • 積極損害
  • 交通事故による怪我の治療費や、通院交通費などの実際にかかったお金のこと。

  • 消極損害
  • 休業損害と逸失利益があります。交通事故によって本来得られるはずだったが、減少したお金のこと。

  • 慰謝料
  • 入通院慰謝料と後遺障害慰謝料があります。交通事故による精神的苦痛を補うお金のこと。

同乗者の治療費は誰に請求するのか

交通事故被害が発生した際に、必ずしも自身が運転者であるとは限りません。もし同乗者として交通事故により負傷した場合、誰に損害賠償請求を行えるのでしょうか。

運転者の過失の有無により変化する

先述した通り、交通事故被害者に対して損害賠償を行うのは加害者です。
したがって、誰が加害者かという点で、同乗者が損害賠償請求を行う相手は変化します。

運転者に過失がない場合

同乗していた車の運転者に過失がない(被害者である)場合、損害賠償請求の対象は加害者です。つまり、交通事故の相手側に請求します。また、被害者である運転者が「搭乗者傷害保険」といった、同乗者を対象とした保険に加入している場合もあるため、きちんと確認しておきましょう。

運転者に過失がある場合

同乗していた車の運転者に過失がある(加害者である)場合、同乗者は運転者に治療費を請求できます。
また、過失割合が5:5となる場合のように、事故当事者の双方に過失が認められると、相手側と同乗していた車の運転者の両方に損害賠償を請求できます。

同乗者に過失がある場合

同乗者自身に過失がある場合もあります。どのような場合に同乗者に過失が認められるのか、見ていきましょう。

  • 同乗者が危険を知っていた場合
  • 運転者が無免許だと知っていた場合や、飲酒していることを知っていた場合などが考えられます。

  • 同乗者が危険に関与していた場合
  • 運転者の運転を妨げる行為や、飲酒をさせた場合などが考えられます。

  • 同乗者が危険を増幅させた場合
  • 運転者の危険な運転を止めなかったり、煽った場合などが考えられます。

同乗者の過失が認められた場合、請求できる治療費が減額される場合があります。また、交通事故の相手側から、同乗者に対しても損害賠償を請求される可能性があります。

好意同乗の場合、治療費は減額される?

同乗者として注意しておきたいのが、無償で同乗していた場合です。運転者の好意から無償で同乗していることを好意同乗といいます。好意同乗の場合、同乗者は「無償で同乗させてもらう」利益をすでに得ています。したがって、すでに利益を受けているにもかかわらず、損害を受けたら運転者に対して損害賠償請求を行うことは、不公平と判断される場合があります。
現状では、好意同乗していただけでは、損害賠償額が減額されることは少なくなっています。ただ、好意同乗をしていて、なおかつ同乗者に過失があった場合には、損害賠償を請求しても減額されることがあります。

交通事故の同乗者も治療費の請求は可能

今回は、同乗者として交通事故にあった場合、怪我の治療費の請求先について紹介しました。同乗者の治療費の請求は、基本的に運転者の過失の有無で変わります。しかし、同乗者に過失がある場合には、治療費や慰謝料といった損害賠償額の減額や、相手側からの損害賠償請求の可能性があります。