交通事故治療マガジン

交通事故(物損事故)で迷惑料は請求できる?損害賠償と慰謝料を解説

この記事では、「交通事故にあい、加害者の対応が悪いとき、迷惑料を請求できるかどうか」を解説していきます。
交通事故後の流れや、自動車保険の仕組み、慰謝料と示談金の違い、後遺症が残ってしまったら…なども併せてお伝えしますので、悩んでいる方は是非最後までご一読くださいませ。

Kさん(介護士/31才/横浜市)の体験談

実際にあった、被害者の方の事故体験談です。

交通事故の被害にあうと、軽微な追突事故の場合は、物損事故で済まされることが多いです。しかし、物損事故で処理をされた場合には、車両の修理代のみが支払われ、慰謝料や迷惑料といった補償はされません

交通事故が起きたら……?事故直後の流れとは

交通事故が起きたら、まずは以下4つのことを必ずしましょう。

▶︎参考:交通事故発生!被害者が加害者に確認するべきこと4つ

交通事故にあったら、まずは二次災害を防ぐために道路の脇に車を停めましょう。車内に三角表示板があれば、設置してあげると親切です。

また、警察を呼ぶことは法律で定められています。加害者が示談を持ちかけてきた場合や、逃げてしまった場合であっても、必ず警察を呼び、現場検証をしましょう。現場検証が行われないと、事故証明書を発行することができません。

現場検証がすむと、警察が交通事故の当事者同士、連絡先を交換するよう促してくれます。被害者の損害を賠償するのは、加害者が加入している保険会社だからです。加害者の保険会社が手続き等を一任してくれますが、ご自身が加入している保険会社にも連絡をしましょう。

物損事故と人身事故の違いとは

交通事故を処理する場合、物損事故または人身事故のどちらかで処理されることになります。

しかし、流血がなく、意識がしっかりしている場合には、物損事故で処理をされることがほとんどです。

交通事故の直後は脳が興奮状態にあるために、怪我をしていたとしても自分の痛みに気がつかないことがあります。
交通事故発生から2〜3日経ったころ、精神的にも落ち着いてくると、首や肩に急に痛みを感じたり、頭痛や吐き気といった症状が現れる場合があります。万が一交通事故にあってしまった場合は、どんなに軽微な事故であっても必ず病院へ行き、怪我をしていないか検査することをおすすめします。

▶︎参考:物損事故から人身事故に切り替えるには?
あわせて読みたい!▶︎警察への届出、どうやってやるの?

運転するなら知っておきたい、自動車保険の仕組み

交通事故が起きた時、どちらにどのくらいの責任があるのか、加害者と被害者を決めることを過失割合といいます。通常、加害者は被害者の損害を賠償しなければいけません。これを損害賠償といいます。

被害者が交通事故で受けた損害は、加害者が加入している自賠責保険、任意保険の特約から支払われます。まずは、それぞれの違いについて簡単に復習しておきましょう。

自賠責保険

自賠責保険とは、車を購入する際に運転手が必ず入らなければならない強制保険のことをいいます。自賠責保険は、被害者の損害を最低限保障する目的で作られており、加入をしない場合は法律違反となります。国土交通省が管轄となって、運営しています。

任意保険

任意保険とは、車を購入する際に運転手が任意で加入することができる保険のことをいいます。自賠責保険で補填できない損害を、任意保険でカバーするようできています。保険会社や、加入の特約によって、損害賠償の金額や内容が異なります。事故を起こしてしまった場合には、まずご自身の保険会社に連絡をとり、保険内容を確認するようにしましょう。

交通事故の被害にあったら迷惑料は支払われる?

さて、交通事故の被害者になってしまったあなた。
加害者側があまりにも反省していない様子の場合、「追突されたにも関わらず、なぜそんなに態度が悪いの?」とイライラしてしまうこともあるでしょう。

そんな時、物損事故ではあるものの、愛車が壊れてしまった場合の精神的ショックや、しばらく電車で通勤しなければならないなどの煩わしさなども考慮して、「迷惑料」を支払ってほしいと思いませんか?物損事故で処理された場合、実際に「迷惑料」を払ってもらえるのでしょうか。

迷惑料と慰謝料・示談金の違いとは

迷惑料とは、被害者に対する誠意のしるしや、お詫びの意味を込めて支払われる金銭のことをいいます。
交通事故で怪我を負ったり、車が破損したりなど、様々な迷惑を被ることもあるでしょう。その分を負担してほしいという気持ちはよくわかりますが、交通事故の損害において「迷惑料」というものはありません。損害を賠償してもらうことを、示談金や慰謝料、迷惑料と一生に考えてしまいがちですが、それぞれ意味が違います。

示談金とは

被害者のすべての損害をまとめた、被害者・加害者の双方が納得した金額のことです。

慰謝料とは

被害者が交通事故によって怪我をし、痛みを伴うことや、通院しなければならないことに対して、精神的負担を現金に換算したもの。
慰謝料は、人身事故の場合のみ適用されます。

交通事故の損害賠償金、内訳は?


損害賠償とは、被害者の損害を加害者が償うことをいいます。損害賠償金の内訳は、大きく分けて以下の3つです。

それぞれについて、簡単に説明していきます。

1.積極損害

被害者が支払うことが確定である出費のこと。対物なら車両についての修繕費、対人なら怪我を治すために通院する治療費や、通院するための交通費がこれに当たります。また、怪我しているかどうかを診断してもらうための医師の診断書も、文書費としてこれに入ります。

2.消極損害

被害者が交通事故によって怪我をした際に、会社を休んだことによって減収されたり、症状が固定して後遺障害になってしまったりと、事故に遭わなければもらえていたはずのお金のことをいいます。休業損害逸失利益です。

3.慰謝料

前述もしましたが、交通事故の怪我による、被害者の精神的苦痛を現金で換算したものです。自賠責保険の場合、1日あたり4200円が保障されます。物損事故の場合は適用されません。
▶︎参考:交通事故発生から示談成立までの流れとは?後遺障害についても解説!

人身事故になった時の慰謝料の相場と3つの基準

交通事故によって怪我をし、精神的苦痛を現金に換算したものを慰謝料といいました。これは、怪我人がいる人身事故のみに適用され、物損事故は保障されません。

慰謝料には、怪我の通院したときに受け取れる「入通院慰謝料」、後遺症が残ってしまったときに受け取れる「後遺障害慰謝料」、死者が出た場合に受け取れる「死亡慰謝料」の3つがあります。
ここでは、「入通院慰謝料」について述べていきます。

慰謝料3つの基準

慰謝料には、3つの基準があります。
①自賠責保険基準 ②任意保険基準 ③弁護士基準です。
自賠責保険は1日あたり4200円が保障されます。任意保険は、各保険会社によって金額が異なりますので、ご自身が加入している保険会社に確認をしてください。弁護士基準は、慰謝料の金額が一番高額になるといわれています。

ただし、弁護士基準を使う場合、別途で弁護士費用がかかり、その費用は高額になる可能性もあります。ご自身が加入している保険の補償内容に、弁護士特約がついている場合は、保険会社が弁護士費用の一部を負担してくれます。一度、ご自身が加入している保険会社に問い合わせてみてください。

▶︎参考:自賠責保険の慰謝料計算方法についてはこちら!

交通事故後に後遺症が残ってしまったら

加害者側の保険会社が治療費などの損害を賠償してくれるのは、怪我が完治(治癒)するか、症状固定までです。
症状固定とは、医師が「これ以上治療を続けても症状が緩和されない」と判断することをいいます。症状固定とされた場合は、何かしらの症状が後遺症となって残ってしまった状態です。

後遺障害慰謝料をもらうには

万が一後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害等級認定の申請を行いましょう。しかし、全ての症状が後遺障害だと認められる訳ではありません。「後遺障害等級認定」を受け、認められた場合のみ後遺障害慰謝料を受け取ることができます。もしも後遺障害として認めてもらえなかった場合には、異議申し立ての手続きをすることも可能です。

▶︎参考:後遺障害等級認定のポイントとは?手続きについて詳しく解説!

交通事故で迷惑料はもらえない

「迷惑料」という形では、損害賠償の請求はできません。もしも加害者側の態度に納得が行かないのであれば、ご自身が加入している保険会社にその旨を伝えて、損のない示談交渉をしてもらいましょう。

また、交通事故直後は興奮状態にあるために、本当は怪我をしているのに、それに気がつかないといった場合もあります。
交通事故によって怪我をしてしまった場合には、人身事故に切り替えなければ治療費や慰謝料を加害者に請求することができません。慰謝料も同様です。そのため、交通事故から10日以内には一度医師の診断を受けておきましょう。