交通事故の被害者・加害者になる可能性は、誰にだってあるものです。しかし、交通事故はどんな時どんな状況で起こり得るものなのでしょうか。
今回の記事では、
- 交通事故を類型別でみて、どんな事故が多いのか
- 交通事故で役立つ知識
について説明していきます。
もくじ
交通事故を類型別で分析!
交通事故は、どんな時どんな状況で起こるのでしょうか。交通事故の類型別で発生件数を分析していきます。
※内閣府のホームページに掲載されている、平成27年度の道路交通事故の状況という資料を参考しています。
交通事故で多いのはどんな事故?
今回は、以下のような類型に分けて、交通事故の発生件数や負傷者数を説明していきます。
- 状況:どのような状況で事故が発生したのか。
- 状態:どのような状態で事故にあった人が多いのか。
状況別
平成27年度、状況別の事故発生件数は、以下の通り。
事故状況 | 事故発生件数 |
---|---|
追突 | 196,868件 |
出会い頭の衝突 | 130,723件 |
右折・左折時の衝突 | 66,677件 |
横断中 | 31,707件 |
人対車両 その他 | 23,331件 |
正面衝突等 | 19,889件 |
その他 | 67,704件 |
上記からわかるように、平成27年度で最も多い事故の状況は、追突事故で全体の36.7%を占めています。その次に、出会い頭の衝突で24.3%、右折・左折時の衝突で12.4%となっています。
状態別
平成27年度、状態別の事故負傷者数は、以下の通り。
事故の状態 | 事故負傷者数 |
---|---|
自動車乗車中 | 442,319人 |
自転車乗用中 | 97,233人 |
歩行中 | 55,428人 |
原付乗車中 | 37,210人/td> |
自動二輪車乗車中 | 33,046人 |
その他 | 787人 |
上記からわかるように、平成27年度で負傷者は、自動車乗用中に事故にあうことが多く全体の66.4%を占めていることがわかります。その次に、自転車乗用中で14.6%、歩行中で8.3%となっています。
交通事故の保険に加入しておこう!
交通事故にあったときのために、保険に加入することをおすすめします。
交通事故で治療費や慰謝料などの保障・補償を受けられる保険は以下の通りです。
- 自賠責保険
- 任意保険
- 労災保険
- 健康保険
- 生命保険
▶︎参考:上記の交通事故で使える保険について詳しく知りたい方はこちら
先程の分析で、自転車乗用中の事故が多いこともわかりました。しかし、自転車の保険に加入している人は少ないです。自転車に乗っていて事故を起こし、加害者となってしまった場合は、被害者に対して治療費や慰謝料を支払うことになります。治療費や慰謝料は高額になることもあるため、加害者の負担は大きいでしょう。そのためにも、自転車の保険に加入しておくことをおすすめします。
交通事故にあってしまったら?
交通事故にあった場合、様々な手続きを行わなければなりません。しかし、交通事故にあうことは少なく、手続きの流れを知らない方もいると思います。ここでは、交通事故後に行う手続きについて説明していきます。
交通事故後の流れ
交通事故後には、以下のような手続きを行うことになります。
- ①警察に連絡する
- ②加害者情報の確認
- ③目撃者の確認
- ④自分でも事故現場の記録を行う
- ⑤交通事故証明書を取得する
- ⑥病院へ行く
交通事故の被害者、加害者のどちらの場合でも、まずは警察に連絡をすることが大切です。警察に連絡しなければ、被害者は後で交通事故証明書を発行できなかったり、加害者は3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられることになります。覚えておきましょう。
交通事故後にみられる怪我とは?
交通事故後にみられる怪我には、以下のものがあります。
- 打撲
- むちうち
- 骨折
打撲
打撲は、外部から強い衝撃が加わることで起こるものです。症状としては、皮下組織や筋肉などの軟部組織の損傷した部分が炎症し、腫れや熱を持ち、内出血が起こる場合もあります。
軽い打撲であれば、腫れや痛みは1~2週間程で治まりますが、内出血のあざが1ヶ月残ってしまうこともあります。
むちうち
交通事故による怪我で最も多くみられるのは、むちうちです。交通事故時の強い衝撃によって、首が鞭のようにしなり、首周辺の軟部組織が損傷することで起こります。むちうちの症状は様々で、以下のような症状があらわれます。
- 首の痛み
- 頭痛
- 肩の凝り
- しびれ
- 麻痺
- めまい
- 耳鳴り
- 倦怠感
- 吐き気 など
骨折
骨折は、骨に直接力が加わったり、離れた部分に加わった外力によって起こります。その力によって、骨が変形したり、破壊される外傷であり、連結部分が絶たれてしまいます。また、骨折した部分に痛みや腫れの症状があらわれます。
▶︎参考:骨折しやすい部分や種類について詳しく知りたい方はこちら
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交通事故の被害にあったら損害賠償を請求!
交通事故の被害にあった場合、損害賠償というものを加害者に請求することも可能です。そもそも損害賠償とは、交通事故の被害者が負った損害を加害者が金銭で補填することをいいます。
交通事故の被害者が加害者に請求できる損害賠償は、大きく分けて3つのものがあります。
- 積極損害
- 消極損害
- 慰謝料
積極損害
積極損害とは、交通事故が原因で被害者が出費を余儀なくされた損害のこと。
積極損害に当てはまる費用は、以下の通り。
- 治療費
- 診察費
- 通院交通費
- 看護付添費
- 器具や装具の購入費 など
消極損害
消極損害は、交通事故の被害にあわなければ、得られたであろう利益に対する損害のこと。
- 休業損害:交通事故が原因で仕事を休んだときの減収分を補うもの
- 逸失利益:後遺障害が残ったことで労働能力が低下してしまい、減ってしまった収入を補うもの
慰謝料
慰謝料とは、交通事故の被害者が負った精神的苦痛の対価として支払われるものです。
- 入通院慰謝料:交通事故が原因で入通院したことで、被害者が負った精神的苦痛に対して支払われるもの
- 後遺障害慰謝料:交通事故が原因で後遺障害が残ったことで、被害者が負った精神的苦痛に対して支払われるもの
▶︎参考:損害賠償の請求方法について詳しく知りたい方はこちら
類型別でみた交通事故についてのまとめ
いかがでしたか。類型別で交通事故をみたとき、事故の発生件数が多いのは追突事故で、自動車乗車中に負傷した人が多いことがわかりました。
いつ交通事故の被害者・加害者になるかというのは、予測できません。交通事故にあったときのためにも、知識を知っておくことは大切です。もしも交通事故に関して何かわからないことがあれば、この記事を参考にしてくださいね。