弁護士特約は使うべき!交通事故のトラブルでお悩みの方へ
交通事故にあうと、被害者と加害者が損害賠償でもめたり、保険会社が治療費の打ち切りを打診してきたり、自分では解決できない問題がたくさんあります。このような問題は、弁護士に相談するのが一番です。
弁護士に相談する場合、弁護士費用がかかります。しかし、弁護士特約を使うことで、費用の負担を軽減できます。そこで今回は、弁護士特約について解説していきます。
弁護士特約って何?
弁護士特約とは、交通事故のトラブルを弁護士に解決してもらうべく、弁護士に依頼したときにかかった費用を保険会社が負担してくれるというものです。
弁護士特約は、自動車保険だけでなく、火災保険や医療保険、クレジットカードなどについていることもあります。これらについている弁護士特約は、交通事故の場合でも使うことができます。
また、保険に加入している本人だけでなく、以下の方も補償の対象となります。
- 保険に加入している本人の配偶者
- 保険に加入している本人または配偶者の同居の親族
- 保険に加入している本人または配偶者の別居の未婚の子
- 上記以外で、契約自動車に搭乗中の者
- 上記以外で、契約自動車の所有者
(ただし、契約自動車の被害事故に関する損害賠償請求または法律相談を行う場合に限る。)
このように、自分が弁護士特約をつけていなくても、他人の弁護士特約を使うことができるのです。
弁護士特約の補償内容
弁護士特約によって補償されるのは、以下の通り。また、補償の限度額も決められています。
弁護士費用 |
弁護士報酬 司法書士報酬 行政書士報酬 訴訟費用 仲裁・和解・調停に関する費用 |
1事故につき、1名あたり 300万円まで |
---|---|---|
法律相談費用 |
弁護士・司法書士・行政書士に |
1事故につき、1名あたり 10万円まで |
弁護士特約が使えない場合
弁護士特約は、必ず使えるとは限りません。弁護士特約が使えない場合とは、以下に当てはまるときです。
- 保険に加入していた人の故意や過失が原因で発生した損害
- 台風や地震、津波によって発生した損害
- 無免許運転や酒気帯び運転によって発生した損害
- 事故当時に弁護士特約に加入していなかった場合
- 同居の親族や配偶者などへの損害賠償を請求する場合 など
弁護士特約を使うメリット
弁護士特約を使うと、弁護士費用の負担を軽減することができます。それ以外にも、弁護士特約を使うメリットがあります。
- 慰謝料の金額を増額することができる。
- 保険の手続きや示談交渉に対する手間を省くことができる。
慰謝料の金額の増加
交通事故の慰謝料は、計算によって請求金額を求めることができます。慰謝料の計算をする場合、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つの基準から1つ選択して計算をします。この3つの基準の中で、弁護士基準を使った場合、慰謝料が最も高い金額になります。
弁護士特約を使う場合、弁護士に依頼することになるため、弁護士基準を使うことができるようになります。したがって、慰謝料の金額を増額することができるのです。
保険の手続きや示談交渉に対する手間の削減
被害者は、基本的に自分自身で、保険の手続きや示談交渉を行わなければなりません。そのため、保険の手続きや示談交渉に関する知識がなければ、スムーズに進めることができず、ストレスになってしまいます。
しかし、弁護士特約を使い、弁護士に依頼をした場合、保険の手続きや示談交渉を被害者の代わりに弁護士が進めてくれます。したがって、被害者は保険の手続きや示談交渉に対する手間を省くことができるのです。
弁護士特約を使ったら保険の等級はどうなる
弁護士特約を使うと、保険を使うことになるというイメージがするかもしれません。保険を使うと、等級制度によって、次回支払う保険料が上がると思ってしまいます。
しかし、弁護士特約を使っても、等級は変化しないため、次回の保険料が高くなるといった心配をする必要がありません。
弁護士特約についてのまとめ
いかがでしたか。弁護士特約を使うことによって、弁護士費用に対する負担を軽減させることができます。また、弁護士特約を使うことで、慰謝料の増額、保険の手続きや示談交渉に対する手間を省くことも可能です。
弁護士特約を使う場合は、依頼する弁護士を決め、保険会社に弁護士特約を使うことの許可を得ます。その後、交通事故の問題解決を依頼している弁護士に弁護士特約を使う旨を伝えましょう。