後続車に追突された…。病院へは事故後何日までに行くべき?

2019年02月01日

軽く追突された事故、病院に行くまでもない?


交通事故は、大小関わらず誰にでも起こる可能性があります。高速道路で追突される、左折時にバイクを巻き込んでしまう、駐車場で当て逃げにあう……。

交通事故の中でも、約4割を占める追突事故。追突事故は、後方車の前方不注意によるものが多く、追突された被害者の過失は0となる場合がほとんどです。

追突された被害者も、怪我もしていないし痛みも感じていないのであれば「病院へ行かなくてもいいか」とそのままにしてしまいがち。

物損事故から人身事故に切り替えるのは大変煩雑な手続きで、記入すべき書類が多く、被害者の人でもうんざりしてしまいます。怪我をしていてもしていなくても、必ず病院へ行って記録を取っておく必要があります。

ここでは、追突された場合に被害者がやるべきことを紹介していきます。

追突事故が起きてしまった時の対処法


追突事故にあった場合には、被害者の対応も非常に大切です。
以下に追突事故後の流れ・対処法をまとめましたのでご確認ください。

1.警察への連絡

追突事故後、まずは警察へ連絡をします。
警察に連絡した場合は、警察官が被害者と加害者の両方から交通事故の内容を聞いて、実況見分調書を作成します。実況見分調書はその後、慰謝料の請求時などに使う可能性があるので、内容をしっかりとチェックする必要があります。

物損事故の場合は、それほど手間がかからないというメリットはあります。しかし、ここで物損事故のままにしてしまうと、請求できる賠償金が車の修理代だけになってしまい、加害者の支払い額は非常に安いものになります。また、この場合は慰謝料も発生しないので、その点でも注意が必要です。

▶︎参考:物損事故と人身事故の違いについて、詳しく知りたい方はこちら!

2.事故の証拠を残す

追突事故では、事故後の慰謝料をめぐってトラブルになることもあります。そんなときに備えて、事故直後の状況を記録し、証拠として残しておきましょう。

事故直後の状況を記録する場合、写真やメモなどで記録するのがよいです。記憶は、
時間が経過すると、曖昧になるものです。確かな証拠として認められるためにも、写真やメモで証拠を残すようにしましょう。

3.病院を受診する

追突事故の場合に、特に大切なのが早めに病院を受診することです。事故の直後に自覚症状がなくても、検査を受けると怪我をしている場合もあります。

病院で診断を受けたら、医師に診断書を作成してもらいましょう。診断書は「この怪我は交通事故による怪我」ということを証明するための書面です。保険金の請求や人身事故への切り替えを行う際に必要となるので、必ず取得するようにしましょう。

交通事故の通院先は、以下の3つから選択することが可能です。

  • 整形外科
  • 整骨院
  • 鍼灸院

上記の通院先は、自賠責保険が適用されます。そのため、治療費や診察費などの負担を少なくすることができます。

▶︎整形外科を探したい方はこちら
▶︎整骨院を探したい方はこちら

▶︎参考:それぞれの通院先の違いについてはこちら

追突事故後1~3日の間にやっておくべきこと

この期間は事故当日に比べると、興奮状態も収まり、冷静さも戻ってくるので、保険会社や健康保険組合などに連絡することをおすすめします。

また、体の方は事故当日とは違う痛みや不調が出ることもあります。体調の方にも注意して、少しでも異常を感じるようなら、すぐに病院に行きましょう。

保険会社への連絡

事故発生後1~3日の間に、自分が加入している保険会社に連絡しておくと良いでしょう。
また、人身傷害補償特約(※)に加入している場合は、被害者の過失割合にかかわらず、治療にかかる費用の支払いを受けられる可能性が高くなります。したがって、自分がどのような条件で加入したかをよくチェックしておくことが大切です。

(※)交通事故により運転者や同乗者が怪我を負った場合、治療にかかる費用の支払いを受けることができる特約。

健康状態のチェック

この時期は、事故直後はなんともないと思っていた体の調子が悪くなることがあるので、注意が必要です。

時間が経ってから症状があらわれる怪我として、最も多いのが「むちうち」です。時間が経過してからむちうちの治療を行った場合、怪我の状態が悪化していて、治療期間が長引く可能性があります。また、自覚症状と交通事故の関連性がないと判断され、保険が適用されないこともあるので、できるだけ早く病院で診てもらうことが大切です。

以上のように、むちうちの症状は、事故当日に自覚できない場合もあるので、その点をよく考慮する必要があります。そして、事故当日に病院に行った場合でも、さらにこの期間にもう一度、医療機関で健康状態をチェックしておくと安心できるでしょう。

▶︎参考:むちうちの症状について詳しく知りたい方はこちら

人身事故への切り替えを行う

「事故直後は目立った怪我や痛みがなかったため、物損事故で処理をした。」
「しかし、時間が経過してから体に痛みがあらわれた…」
このような場合は、人身事故への切り替えを行いましょう。

人身事故への切り替えを行うには、警察に診断書を提出する必要があります。診断書の提出に法的な期限はありません。しかし、事故から10日間を目安に提出を行うようにしましょう。なぜなら、事故から時間が経過しすぎてしまうと、「怪我と事故との因果関係が明らかではない」という理由で、人身事故への切り替えを行えない場合もあるためです。

人身事故への切り替えを行うと、自賠責保険が適用されます。自賠責保険が適用されると、治療費や慰謝料の支払いを受けることができます。また、通院1日につき4,200円の慰謝料が発生します。

追突事故から3ヶ月以上経った後に起こりうること

この時期になると、保険会社の対応状況もはっきりとわかりますし、加害者の支払いなどに対する態度や状況も判明します。

追突事故の場合は、それ以外の交通事故と異なり、被害者の過失がほとんどないことが多いのですが、それでも少しでも賠償額を減らそうとして加害者側が被害者の過失部分を強調することもあります。
このようなときの対処法としては、交通事故に詳しい弁護士に相談してみることをおすすめします。

また、むちうちの治療を3ヶ月程度続けても痛みが引かない場合、医師に症状固定と判断されることがあります。症状固定とは「これ以上治療を続けても症状が良くなる見込みがない」と医師が判断することです。症状固定と判断された時点で、その怪我は後遺症となります。後遺症になると、今まで支払われていた慰謝料や治療費は打ち切られてしまいます。

後遺症になった後も慰謝料の支払いを受けたい場合は、後遺症が後遺障害と認められる必要があります。

▶︎参考:後遺症が後遺障害と認められるには?

後遺障害には、1級から14級までの等級があり、これを後遺障害等級といいます。後遺障害等級を認められるには、後遺障害等級認定を申請する必要があります。後遺障害等級認定の申請方法については、以下のリンクをご覧ください。

▶︎参考:後遺障害等級認定の申請準備として、被害者がすべき事とは?

▶︎参考:後遺障害等級認定の申請方法は2つ!詳しく知りたい方はこちら

後遺障害等級が認定されると、被害者は後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。後遺障害が残ってしまったことで被害者が負った精神的苦痛を、金銭で補ったもの後遺障害慰謝料とは、です。後遺障害等級によって、支払われる金額は変動します。

追突事故後に通院する際の注意点


保険を使って通院する場合、注意すべきことがあります。

治療は継続的に行うこと

仕事や予定が重なって忙しくなった場合、通院が途絶えてしまうことがあるかもしれません。しかし、保険会社が一度中断した治療を再開すると、治療費の支払いをしてくれないこともあります。その理由は、事故と治療再開時の痛みの因果関係が疑われるからです。したがって、通院は継続して行うようにしましょう。

治療にかかった費用の領収書を捨てないこと

交通事故による怪我の治療にかかった費用の領収書は、後で損害賠償を請求するときのために保管しておかなければなりません。例としては、通院交通費や器具の購入費などの領収書です。

追突事故が起きたら被害者がすべき事まとめ

追突事故が起きたら、その時々でやるべきことがいろいろとあります。特に

    当日に警察に連絡する
    症状がなくても病院で受診する

この2つは、その後のことを考えても必ずやらなくてはいけないことと言えます。
また、事故発生後に分からないことや不安が生じた場合は、ひとりで悩まずに相談しましょう。交通事故病院相談窓口では、交通事故に関するお悩みの解決や通院先の紹介を行っております。