交通事故治療マガジン

交通事故の怪我で死亡する可能性とは?加害者がすべき対応

交通事故の加害者になることは、誰にでもなり得るものです。交通事故を起こしてしまい、被害者が死亡してしまうことも考えられます。

そこで今回は、交通事故の怪我で死亡する確率やその原因などについて解説していきます。

交通事故の死者数について

警察庁では、平成29年度の全国における交通事故の発生件数は、47,2165件と報告しています。そのうち、事故による死者数は3694人、負傷者数は580,847人です。前年と比べると、以下の通り。

発生件数 死者数 負傷者
平成29年 47,2165件 3694人 580,847人
平成28年 499,201件 3904人 618,853人
増減数 -27,036件 -210人 -38,006人

このように、交通事故の発生件数と死者数、負傷者数ともに減少していることがわかります。

交通事故で死傷者が出た場合の加害者対応

交通事故を起こし、死傷者がいた場合、加害者は以下のような対応を行いましょう。

交通事故を起こした加害者は、以下の対応を行うことになります。

①怪我人を救護する
②道路の安全を保つ
③警察に連絡する
④事故現場を記録する
⑤連絡先を交換する
⑥保険会社に連絡する
⑦被害者のお見舞いに行く

交通事故の加害者に…菓子折りを被害者に持っていくべき?

「①怪我人を救護する」「②道路の安全を保つ」「③警察に連絡する」までの対応は、道路交通法によって定められた加害者の義務です。もしも①~③までの対応を怠ってしまった場合は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金の処分を受けることになります。

また、「⑦被害者のお見舞いに行く」の対応も加害者にとって大切なもので、この行為によって刑罰の重さが変動する可能性があります。誠意をもって被害者にお見舞いや謝罪をすることで、刑罰を軽くする嘆願書を作成してくれるかもしれません。

▶︎参考:嘆願書について詳しく知りたい方はこちら

交通事故で死者が出る原因とその確率

交通事故の加害者になったとき、被害者が怪我を負うこともあるでしょう。交通事故時に負った怪我の程度によっては、被害者が死亡してしまうこともあります。

特に交通事故で頭部に外傷を負った場合内臓を損傷してしまった場合、死亡してしまう可能性が高いといわれています。頭部の外傷は、交通事故の死因の70%を占めているようです。

その他にも死亡の原因となる怪我については、以下の通り。

交通事故で死者が出た場合に加害者が受ける処罰

交通事故で死者が出た場合、加害者は以下のような処分を受けることになります。

民事処分

民事処分は、交通事故の被害者が受けた損害を、加害者が金銭で埋め合わせることをいいます。民事処分で被害者に支払われる金銭を損害賠償といいます。

損害賠償には、積極損害消極損害慰謝料の3つのものがあります。

交通事故で被害者が死亡した場合に、加害者が支払う損害賠償は、死亡慰謝料・葬儀費・逸失利益(※1)があります。

※1 この場合の逸失利益は、被害者が死亡しなければ将来得られたはずの収入から、本人の生活費を差し引いたものをいいます。収入と就労可能期間、被扶養者の有無などを考慮し、支払われる金額が決まります。

行政処分

行政処分は、道路交通法に基づいて違反点数を加算し、一定点数を超えた場合に免許停止や免許取り消しを行うことをいいます。

行政処分による点数は、【 基礎点数 + 付加点数 】の合計で計算されます。死亡事故を起こした場合、「20点または13点」の付加点数は、必ず加算されることになります。

基礎点数については、以下のリンクでご確認ください。
▶︎参考:行政処分における基礎点数について

初めて事故を起こした場合、15点以上の点数が加算されると、免許取り消しの処分を受けることになります。そのため、死亡事故を起こして20点の点数が加算された場合、付加点数だけで免許取り消しの処分を受けることになります。

刑事処分

刑事処分は、犯罪を犯した者に対して刑罰を科すことをいいます。刑罰には、罰金懲役禁固というものがあります。

死亡事故を起こした場合、過失運転致死または危険運転過失致死の罪に該当するため、以下のような刑罰を受けることになります。

▶︎参考:過失運転致死や危険運転過失致死がどういう罪なのか知りたい方はこちら

上記の罪の刑罰は裁判を開き、裁判官によって具体的な刑罰の内容が決まります。
裁判の流れについては、以下のリンクでご確認ください。

▶︎参考:刑事裁判の流れについてはこちら

交通事故死についてのまとめ

いかがでしたか。交通事故で頭部に外傷を負ったり内臓を損傷したというような怪我を負った場合、被害者が死亡してしまう可能性があります。

死亡事故の加害者になってしまうと、民事処分行政処分刑事処分などを受けなければなりません。したがって、車を運転するときは、常に安全運転を心がけるようにしましょう。