交通事故の加害者に…菓子折りを被害者に持っていくべき?

2018年11月19日

交通事故を起こしてしまった加害者は、被害者のもとへお見舞いに行くこともあるでしょう。そこで今回は、お見舞いに行く際には菓子折りを持っていくべきか、渡すときの注意点などについて解説していきます。

交通事故後に加害者がすべき対応とは?

はてな

交通事故を起こした加害者は、以下の対応を行うことになります。

  • ①怪我人を救護する
  • ②道路の安全を保つ
  • ③警察に連絡する
  • ④事故現場を記録する
  • ⑤連絡先を交換する
  • ⑥保険会社に連絡する
  • ⑦被害者のお見舞いに行く

それぞれ詳しく説明していきます。

①怪我人を救護する

交通事故後、怪我人がいないかを確かめます。怪我人がいるようであれば、できる限りの処置を行い、必要に応じて救急車を呼びましょう。

交通事故後、加害者が怪我人を救護することは、道路交通法の第72条に定められている義務です。もし加害者が怪我人の救護を怠ってしまった場合は、救護措置義務違反となり、5年以下の懲役または50万円以下の罰金の処分を受けることになります。

②道路の安全を保つ

事故後に起こる二次災害を防ぐためにも、加害者は道路の安全を保たなくてはなりません。

事故後に起こり得る二次災害の例

  • 後続車が停止しきれず、一番初めに事故を起こした車に衝突をしてしまった
  • 交通事故後、怪我人の救命措置を行っている場所に、他の車が突っ込んできた   など

このような二次災害を起こさないために
車の後方にあるハザードランプをつける
車に備えつけてある発煙筒を使用する
などを行い、後続車に注意を促すようにしてください。

③警察に連絡する

人身事故・物損事故に関わらず、交通事故を起こした場合は、必ず警察に連絡しなければなりません。警察に連絡することは、加害者がすべき義務として、道路交通法の第72条で定められています。もし交通事故を起こした加害者が警察に連絡をしなかった場合、ことになります。

また、警察に連絡しなかった場合、交通事故証明書を発行することができません。交通事故証明書がなければ、保険を使って治療をすることができなくなってしまいます。したがって、警察に連絡することを忘れないようにしましょう。

④事故現場を記録する

事故の現場を記録しておくことは、とても大切なことです。事故現場を記録しておくことで、過失割合で自分が不利にならないよう、主張するための証拠になります。事故現場を記録する場合、自分の記憶に残しておくのではなく、写真で残しておき、確実な証拠として残すようにしましょう。

⑤被害者と連絡先を交換する

交通事故の示談交渉は、被害者と行うものです。連絡先を知らなければ、示談交渉を進めることができません。被害者と連絡先を交換する場合、「氏名・住所・電話番号 など」を聞くとよいです。

また、事故の目撃者がいる場合は、目撃者と連絡先を交換しておくことをおすすめします。
事故の当事者ではない目撃者の証言は、警察や保険会社などに信用されやすいです。後日、証人として、目撃者に証言することを頼む可能性もあります。目撃者と連絡が取れなければ、呼ぶこともできないので、忘れずに連絡先の交換をしておきましょう。

⑥保険会社に連絡する

加害者の場合、自分が加入している保険会社に連絡するようにしましょう。保険会社に連絡することで、事故の対応や示談交渉などの手続きを進めてくれます。

⑦被害者のお見舞いに行く

交通事故の加害者は、被害者へのお見舞いとお詫びを忘れないようにしましょう。加害者の場合、保険会社が交通事故に関する手続きをすべて行ってくれるので、自分はお見舞いに行かないという人もいます。

しかし、最終的に示談交渉の話し合いは、事故の当事者同士で行うものです。そのため、自分にとって不利益にならないよう、被害者に誠意ある対応を行うようにしましょう。

被害者のお見舞いに行くときのポイント

被害者のお見舞いに行く場合、以下のようにしてください。

  • 初回のお見舞いは、当日または翌日に行く
  • お見舞いの面会時間は、できるだけ短く
  • お見舞いの際には、お詫び状も書くとよい

初回のお見舞いは、当日または翌日に行くのがよいです。事故直後は、手術中で面会ができないこともあり、無意味だと考えてしまうかもしれません。しかし、被害者に対して加害者の誠意を行動で示したいのであれば、当日または翌日に被害者のお見舞いに行きましょう。また、被害者のお見舞いは毎日行くことで、より被害者に加害者の誠意が伝わります。

また、お見舞いの面会時間は、5分程度にするのがよいです。被害者にとって加害者との面会は、精神的なストレスを感じてしまうかもしれません。そのため、謝罪はしっかりと行いつつ、手短に済ませるのが、被害者にとって親切な場合もあります。

さらに、お見舞いに行く際に渡すお詫び状を書くことも忘れずに行いましょう。お見舞いで被害者に謝罪をしても、被害者のご家族に謝罪の気持ちが伝わっていないことも考えられます。このようにならないためにも、お見舞いによる謝罪だけではなく、お詫び状も書くようにしましょう。

被害者のお見舞いに菓子折りを持っていくべき?

交通事故の加害者が被害者のお見舞いに行く場合は、菓子折りを渡してもかまいません。しかし、菓子折りを渡す場合は被害者の性格を見て、菓子折りを渡しても大丈夫なのかという見極めを行いましょう。

例えば、加害者が持参した菓子折りで、被害者に「具合が悪くなった。」といわれてしまう可能性もあります。その場合は、被害者のお見舞いには菓子折りではなく、花を持っていくようにしましょう。

菓子折りに適したものとは?

加害者が被害者のお見舞いで持参する菓子折りは、3000円以上のものを選ぶのがよいでしょう。安価なものだと、「加害者の誠意が感じられない。」と思われてしまうかもしれません。

菓子折りを選ぶポイント

  • 生ものではなく、賞味期限が長いもの
  • 小分けで包装されているもの
  • 有名な老舗の菓子屋やデパ地下で売っているもの

などがおすすめです。

上記のことから、まんじゅうや焼き菓子などを選ぶとよいでしょう。

菓子折りを被害者に持っていくときの注意点

菓子折りを持っていく場合、以下のことに注意しましょう。

  • のしをつけない
  • 菓子折りは紙袋に入れて運ぶ
  • 服装は落ち着いたもので

のしはつけなくてもよい

そもそも「のし」とは、どういうものなのでしょうか。

熨斗(のし)とは、一般的には慶事における進物や贈答品に添える飾りである。ただし、元来長寿を表す鮑が使われていたため、お見舞いなどには熨斗を使う場合もある。現在では黄色い紙を長六角形の色紙で包んだ形状をしているものが多く使われる。祝儀袋等の表面に印刷された、簡略化されたものもある。しばしば水引と併用される。

熨斗

現在では、のしと水引が印刷されたのし紙で、贈り物の品を包むことが多いようです。

交通事故の被害者に渡す菓子折りに、このような「のし」はつけても、つけなくてもよいです。もし「のし」をつける場合は、「深謝」「お詫び」などと書きましょう。

菓子折りは紙袋に入れて運ぶ

菓子折りは、紙袋に入れて運ぶようにしましょう。しかし、被害者に菓子折りを渡す直前には、紙袋から出すことを忘れないようにしてください。

菓子折りを紙袋に入れる理由は、加害者が被害者のお見舞いに来てすぐ、被害者に菓子折りが見えてしまうのを避けるためです。被害者に菓子折りが見えてしまうと、「この人は、菓子折りで許してもらおうと思っている。」と勘違いされてしまい、印象がさらに悪くなってしまう可能性があるからです。したがって、被害者のお見舞いへ行く場合は、菓子折りを紙袋に入れるようにしてください。

服装は落ち着いたもので

被害者のお見舞いに行くのですから、服装は派手なものではなく、落ち着いたものにするようにしましょう。派手な服装は、お見舞いに適した服装ではないため、加害者に対する被害者の印象も悪くなってしまいます。

【重要】菓子折りを被害者に渡すタイミング!

被害者に菓子折りを渡す場合、被害者の怪我の状況にもよりますが、なるべく早く渡すのがよいです。お見舞いと一緒に菓子折りを渡す場合、相手の都合もあると思うので、電話で連絡をしてから行くようにしましょう。

被害者のお見舞いに行って菓子折りを渡す場合、まず被害者に対して謝罪をするようにしてください。その後、被害者が謝罪を受け入れた段階で、菓子折りを渡すとよいでしょう。

交通事故被害者に渡す菓子折りについてのまとめ


いかがでしたか。
交通事故の被害者に菓子折りを持っていく場合、菓子折りは生ものではなく、賞味期限が長く、個包装されているものを選びましょう。また、菓子折りは「のし」をつけなくてもよいので、紙袋に入れて持ち運ぶようにしてください。被害者に菓子折りを渡す場合は、まず謝罪をして、被害者が落ち着いた段階で、菓子折りを渡すのがよいです。

もし交通事故の加害者になってしまったら、被害者に対して誠意ある行動をとることが大切です。