交通事故で禁固刑…。刑罰の内容を詳しく知りたい

2018年11月12日

交通事故の加害者となってしまった場合、禁固刑という処罰を受ける可能性があります。しかし、「禁固刑って何?どんな刑罰かわからない。」という方も多いのではないでしょうか」。

そこで今回は、「禁固刑の刑罰内容」や「交通事故の加害者が受ける3つの処分」などについて説明していきます。

交通事故の禁固刑とは?

交通事故の禁固刑は刑事処分の1つで、刑務所か交通刑務所に拘置される刑罰です。拘置されている期間中に刑務作業をするかは、自由に選択することができます。

    刑務作業とは?
    刑務作業とは、受刑者の勤労意欲を高め、規則正しい勤労生活を送ることで健康を維持し、社会復帰を図ることを目的としています。

    刑務作業の内容は、木工、金属、洋裁、印刷などの生産作業社会貢献作業や知識や技能を習得する職業訓練作業、施設の清掃や修繕を行う自営作業の4種類があります。

交通事故で禁固刑になる場合とは?

交通事故の加害者が禁固刑になる場合は、自動車運転過失致死傷罪の罪に問われたときです。

自動車運転過失死傷罪とは、自動車の運転する上で必要な注意を怠り、人を死傷させた場合に問われる罪です。この場合、7年以下の懲役もしくは禁固又は100万円以下の罰金になります。

交通事故の加害者は3つの処分を受ける

先程、禁固刑は刑事処分の1つといいました。交通事故の加害者は、刑事処分を含め、以下のような3つの処分を受けることになります。

  • 刑事処分
  • 行政処分
  • 民事処分

刑事処分

交通事故の刑事処分では、自動車運転死傷行為処罰法・道路交通法などの法律をもとに、懲役刑や禁固刑、罰金刑といった処分を受けます。

  • 懲役刑
    刑務所に拘置される刑罰。拘置されている間は、必ず刑務作業を行わなければならない。
  • 罰金刑
    裁判所の判決によって決められた金額(1万円以上)を納める刑罰。しかし、場ぅt金が納められない場合は、1日以上2年以下の間、留置(※3)される。

※3 留置とは、一定の間留置所で身柄を拘束すること。

▶︎参考:懲役について詳しく知りたい方はこちら

行政処分

交通事故の行政処分とは、違反点数の加算によって運転免許の取り消し、または免許停止といった処分です。違反点数は、過去3年以内のものが加算されていきます。また、違反点数はリセットされることもありますが、処分前歴(※1)が消えたということにはなりません。

※1 処分前歴は、以前にも交通違反や交通事故による処分を受けたことがあるか、ということを示しているものです。

▶︎参考:交通事故の行政処分!違反点数について詳しく知りたい方はこちら

民事処分

交通事故の民事処分とは、交通事故によって被害者が負った損害を金銭で賠償する処分のことです。交通事故の損害賠償は、積極損害消極損害慰謝料の3つの種類があります。

▶︎参考:損害賠償について詳しく知りたい方はこちら

交通事故の禁固刑に執行猶予はつくの?

執行猶予とは、罪を犯して判決を下された人が、執行猶予の期間中に刑事事件をおこさなかった場合、刑罰を受けなくていいという制度です。しかし、前科は消えません。
この執行猶予は、禁固刑の場合も適用されるのでしょうか。

執行猶予がつく人には条件がある

執行猶予がつく条件は、刑法25条によって定められています。その条件を以下にまとめました。

  • ①以下のA・Bに該当する人が3年以下の懲役刑か禁固刑、または50万円以下の罰金の判決を下されたとき。
  • A:以前、禁固以上の刑に処せられたことがない人
    B:以前、禁固以上の刑に処せられたが、その刑罰が終わった日、またはその刑罰を免除された日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない人
    この場合、諸事情を考慮して刑罰を軽くするという意味で、裁判が確定した日から1年以上5年以下の間、執行猶予がつくのです。

  • ②以前、禁固以上の刑に処せられ、その刑罰を免除された人が今回の判決で1年以下の懲役刑または禁固刑の言い渡しを受けたとき。
  • 「特に(※2)」考慮すべき諸事情があれば刑罰を軽くすることが可能です。この場合、裁判が確定した日から1年以上5年以下の間、執行猶予がつきます。ただし、執行猶予の期間中に保護観察がつき、その期間内で再び罪を犯した場合は執行猶予の対象とはなりません。

これらの条件に当てはまる場合は、執行猶予がつきます。

※2 この「特に」という語句が加えられているのは、執行猶予が認められる条件が厳しいことを示しています。

交通事故の禁固刑についてのまとめ

いかがでしたか。今回の記事のまとめは、以下の通り。

  • 交通事故の加害者には、刑事・民事・行政の処分が科せられる。
  • 交通事故の場合、禁固刑・懲役刑・執行猶予・科料・罰金といった刑罰がある。
  • 禁固刑になる場合は、自動車運転過失致死傷罪のとき。
  • 禁固刑の場合は、刑務所か交通刑務所に拘置され、その期間中に刑務作業をするか自由に選択することができる。
  • 禁固刑には、執行猶予がつく場合もある。

交通事故は過失によって発生こともあるので、自分が加害者ならないように注意して運転しましょう。