損害賠償には時効がある?交通事故の示談交渉についても解説
3ヶ月前に交通事故の被害にあった。
仕事が休みだったので、車でドライブすることにした。道路を走っていると、初心者マークのついている車が車線変更しようとしていた。しかし、車線変更が上手くいかず、自分の運転する車とぶつかった。
交通事故後は治療をしていたのだが、思った以上に症状が治らず、治療に時間がかかっていた。大学の授業で「損害賠償請求権には時効がある」というのをぼんやりだが思い出した。
損害賠償請求権に時効があると焦りを感じますよね?今回の記事では、損害賠償の時効についてだけでなく、示談交渉についても併せて説明していきます。
示談交渉について
示談交渉とは、加害者と被害者が和解するために話し合いをすることです。また、示談交渉は、症状が完治または症状固定(※1)になったときに始めるのが一般的です。
症状固定となった場合は、先に後遺障害等級認定を申請してから示談交渉に進みましょう。
▶︎参考:後遺障害等級認定を申請する方法についてはこちら
※1 症状固定とは、これ以上治療をしても症状の緩和がみられない状態。
示談交渉の流れ
示談交渉の流れは以下の通りです。
- ①示談交渉開始
- ②示談成立
- ③示談書(※2)の作成
- ④示談金の受け取り
示談交渉を進めるときに気をつけてほしいことがあります。それは、示談書に一度捺印してしまうと、示談内容を変更することができないということです。示談書に捺印をしたということは、示談内容に納得したということの証拠になります。示談書に捺印する前には、示談内容にしっかりと目を通すようにしましょう。
※2 示談書とは、事故の事実と示談内容を記した書類です。
示談成立までにかかる期間
人身事故の場合、示談が成立するまでに時間を要することが多いといわれています。
損害賠償額に納得できない。
過失割合に不満がある。
というように示談交渉の段階でもめることがあるからです。
したがって、示談成立までの期間は、1ヶ月~半年以上を目安として頭に入れておきましょう。
損害賠償には時効がある?
示談成立までに1ヶ月~半年以上かかることがわかりましたが、損害賠償を受け取れる期間が決まっています。損害賠償を受け取る権利である損害賠償請求権は、3年以内に行使しなければ消滅してしまうからです。しかし、例外もあるので以下で簡単にまとめてみました。
交通事故の損害賠償の時効
- 人身事故(後遺障害なし):事故発生日から3年以内
- 人身事故(後遺障害あり):症状固定日から3年以内
- 加害者が不明の場合:事故発生日から20年以内
- 後で加害者がわかった場合:加害者が発覚した日から3年以内
損害賠償の時効を中断できる?
時効が定められていると、示談を早く終わらせなければと焦りを感じてしまうかもしれません。しかし、場合によっては損害賠償の時効を中断することができます。
- 損害賠償の時効を中断できる場合
- 裁判になったとき
- 加害者や保険会社が示談金の一部を支払ったとき
- 保険会社が被害者に対して示談金を提示したとき
損害賠償の請求方法
損害賠償の請求方法は2つあります。それは、加害者請求と被害者請求という方法です。
加害者請求
加害者が被害者に損害賠償金を支払ったあとで、穂k根会社に保険金を請求するという方法。
請求に必要な書類
- 自賠責保険支払請求書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 医師の診断書
- 診療報酬明細書
- 印鑑証明
- 看護費用領収書(△)
- 通院交通費明細書(△)
- 休業損害証明書(△)
- 加害者が賠償済みの領収証
- 示談書(△)
被害者請求
加害者から賠償が受けられないとき、加害者が加入している保険会社に損害賠償を直接請求する方法。
請求に必要な書類
- 自賠責保険支払請求書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 医師の診断書
- 診療報酬明細書
- 印鑑証明
- 看護費用領収書(△)
- 通院交通費明細書(△)
- 休業損害証明書(△)
△…は必要な場合と必要でない場合がある書類です。
損害賠償の時効に注意しましょう
いかがでしたか?損害賠償の時効は、基本的に事故発生日から3年です。一度示談書に捺印をしてしまうと、示談内容の変更はできません。時効があっても、焦らず慎重に示談交渉を進めていくようにしましょう。