むちうちの治療期間ってどのくらい?|慰謝料についても解説!

2019年01月28日

交通事故でむちうちになってしまった場合、治療がどれくらい続くのか、気になる方も多いのではないでしょうか。通院は仕事や生活に関わることなので、おおよその治療期間を把握しておきたいですよね。。
この記事では、むちうちについての基本的な知識とともに、治療期間や慰謝料についても解説していきます。

むちうちの原因


交通事故で多いといわれている怪我のむちうち。名前は聞いたことがあっても、実際にはどのような状態のことをいうのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこでまずは、交通事故でむちうちを負う原因について解説していきます。
むちうちは、交通事故やスポーツなどで首に大きな衝撃がかかったことによる、首の捻挫のことを指します。

むちうちには様々な症状がある

むちうちの代表的な症状は下記の通りです。

  • 痛み(頭・首・肩・腕など)
  • こり(首・肩・背中など)
  • 運動制限(首や肩が回らない、動かしにくいなど)
  • めまい
  • 吐き気
  • 全身の倦怠感
  • 手足のしびれ・麻痺
  • 歩行障害

むちうちは、事故発生から自覚症状が出るまでに時間がかかることが多い怪我です。
自覚症状が出てから通院を始めても、事故から日数が経過している場合は、症状と事故の因果関係を疑われてしまうことがあります。「交通事故による怪我」ということを証明できないと、治療費や慰謝料そうならないために、交通事故にあった場合は自覚症状がない場合でも、まずは整形外科を受診しましょう。

治療内容について

交通事故の被害でむちうちになってしまった場合、整形外科や整骨院でしっかり治療を受けて、元通りの生活を目指しましょう。

症状によって治療内容は変わる

むちうちになった場合、整形外科と整骨院への通院が有効だといわれています。そこで、それぞれの治療院で受けられる治療内容をまとめてみます。
人それぞれ症状が異なるように、治療も症状に応じて変化させていく必要があります。医師や柔道整復師にはしっかりと現在の症状を伝えましょう。

整形外科で受けられる治療

ブロック注射
痛みのある箇所に、局部麻酔を打つことで、痛みや緊張を和らげるものです。
薬の処方
痛みが強い場合は、医師に相談して消炎鎮痛剤(痛み止め)を処方してもらいましょう。また、湿布が処方されることもあります。
物理療法
温熱・電気・超音波・光などの物理的なエネルギーを用いて、血行を促したり痛みを緩和させていきます。
運動療法
症状の軽減や、運動機能を回復させるためのリハビリを行います。

整骨院で受けられる治療

物理療法
運動療法
手技療法
手指で体を直接刺激(マッサージ)することで筋肉や神経の機能回復や、リラックスによる精神的な疲労回復が期待できます。
テーピング療法
関節や筋肉の動きを固定・サポートするためのテーピングです。関節や筋肉の運動機能を補助できます。

治療はどれくらい続く?

交通事故の被害にあった場合、通院にかかる費用は加害者側の保険会社から支払われます。しかし、治療を続けている途中に保険会社から治療打ち切りを提案されることがあります。

治療が終了するタイミングは2種類ある

治療が終了となるタイミングは完治症状固定の2通りになります。
完治は、症状が完全に治まって通院の必要がなくなった状態のため、安心して通院を終了できますね。
90%の方が、交通事故から3ヶ月程度で通院を終了しているといわれています。

症状固定とは

むちうちの場合は目でわかる症状ではないため、完治の判断が他の怪我に比べて難しいのです。他の怪我が完治した後もむちうちの症状は続いているという方も少なくありません。そのまま時間が経過してしまうと、加害者側の保険会社から症状固定の提案をされる場合があります。
治療終了のタイミングとなる症状固定とは「これ以上治療を継続しても症状の改善が見込めない状態」を指します。症状の改善が見込めないということは、それに伴って治療も終了になるケースがほとんどです。6ヶ月程度通院を継続していると保険会社から症状固定を持ちかけられることが多いといわれています。
保険会社が症状固定を提案するのは、症状固定となる前後の慰謝料・賠償金を区別するためです。保険会社から症状固定の話をされても、症状固定の診断をできるのは医師のみですので、連絡がきた場合はその旨を医師に相談しましょう。
治療が終了になったタイミングで、治療費、休業損害、入通院慰謝料、交通費などの賠償金の請求ができなくなってしまいます。
症状固定後も残っている症状については後遺障害等級認定を受けましょう。認定された等級に応じた後遺障害慰謝料、逸失利益を請求できるようになります。

通院期間と損害賠償の関係

治療期間によって損害賠償がどのように変化するのか気になりますよね。

損害賠償について

交通事故の被害にあった場合、被害者は加害者に損害賠償という形で賠償金を請求することができます。
損害賠償請求の内訳は下記になります。

治療費 怪我の治療にかかった費用
入通院慰謝料 入院・通院したことによる精神的苦痛に対する賠償
通院交通費 通院するためにかかった交通費(公共交通機関の代金・自家用車のガソリン代)
休業損害 事故被害によって仕事を休んだ場合の収入を補償
入院雑費 入院中に必要な物の購入費用(衛生用品など)

後遺障害等級認定を受けた場合は、後遺障害慰謝料逸失利益を上記の損害賠償と別に請求することができます。

通院期間に加えて通院日数も重要?

通院期間とは事故発生当日から完治・症状固定になるまでの期間を指します。それに対し、通院日数とは実際に治療するために通院した日数のことです。
治療費や交通費通院の日数分請求することができます。通院するたびに治療費の明細書や交通費の領収書を保管しておくようにしましょう。
入通院慰謝料は計算方法が他の賠償金と異なります。自賠責基準の場合の計算方法は

    「入通院期間」または「入通院日数の2倍」の少ない方×4,200円

となっています。
例えば、通院期間が4ヶ月(120日)の中で通院した日数が45日(2倍して90日)のケースで考えると、90日×4,200円=378,000円の入通院慰謝料が支払われることになります。
上記でわかる通り、慰謝料は通院期間と通院日数で計算されるため、通院日数も重要な数字になってくるのです。しかし、症状改善に有効な治療が行われたと認められる日のみが計算されるので、頻繁に通院しすぎてもいけません。しっかり通院先の先生と通院頻度を相談することも大切です。

まとめ

いかがでしたか?
むちうちの治療期間は、症状によって異なりますが目安として3~6ヶ月になる方が多いです。
通院が終了となる完治または症状固定のタイミングで、保険会社から支払われる損害賠償金の算出が行われます。通院期間と通院日数は、入通院慰謝料の算出で重要になります。
この記事で皆さんの悩みが少しでも解消されることを願っています。