交通事故治療マガジン

交通事故で頭痛が続く…後遺障害と後遺症の違いとは?

4ヶ月前のある日、仕事終わって暗い夜道を帰宅していると、住宅街の角から飛び出してきた車にぶつかった。交通事故後、身体に痛みがあったので治療をすることにした。

治療を開始してから4ヶ月経つと、担当医に「これ以上の症状緩和は難しいです。」といわれた。それを聞いて「毎週毎週欠かさず治療を行ってきた努力が、水の泡じゃないか…」と思い、心の中でがっかりした。その後、担当医が「頭痛の症状が後遺障害の等級に該当すれば、慰謝料が受け取れますよ。」といった。「後遺障害って何?後遺症とどう違うの?」「後遺障害の慰謝料って何?」

こんな疑問ありませんか?今回の記事では、頭痛の症状や後遺障害について説明していきます。

交通事故による頭痛の症状


交通事故による怪我の症状で多いのは、むちうちです。むちうちは、交通事故の衝撃で首が鞭のようにしなり、首周辺の軟部組織が損傷することで症状があらわれます。むちうちの症状は様々で、頭痛も症状の一つです。

むちうちには以下の5つの種類があります。

上記の5つ種類のうち、頭痛はバレー・ルー症候群の場合にみられる症状です。

バレー・ルー症候群とは
交通事故の衝撃で、首の骨に沿って走る後部交感神経が損傷し、脳や脊髄の血流が低下してしまいます。それによって、自律神経のバランスが崩れ、頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気などの症状はがあらわれるのです。

頭痛の症状は後遺症になる?

むちうちによる頭痛の症状が後遺症になることもあり、交通事故が原因で後遺症が残った場合、以下の後遺障害の9級10号・12級13号・14級9号に該当する可能性があります。

これらの等級に該当する場合は、後遺障害等級認定を申請した方がよいです。

「後遺障害?」「後遺障害等級認定?」聞きなれない言葉ですよね。次の章で詳しく説明していきます。

後遺障害等級認定とは?


後遺障害等級認定を申請すると、後遺障害慰謝料(※1)や逸失利益(※2)を受け取ることができます。

※1 後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことで負った、精神的苦痛に対して支払われる損害賠償。

※2 逸失利益とは、後遺障害が残り、将来得られたはずの収入が減少してしまうことに対して支払われる損害賠償。

▶︎参考:後遺障害慰謝料の相場についてはこちら

後遺症と後遺障害の違い

そもそも後遺症と後遺障害の違いは何なのでしょうか。

後遺症:事故直後の症状のうち、緩和されずに残ってしまった機能障害や神経症状など
後遺障害:交通事故が原因で残った後遺症のうち、後遺障害の等級に該当するもの

このことから、後遺症と後遺障害の違いは、「後遺障害の等級に該当するかしないか」
だということがわかります。

後遺障害等級認定は難しい?

後遺障害等級認定は、書類に書かれた内容で判断されるという書面主義で行われます。頭痛の症状は、外見からわかりにくい神経症状です。適切な検査を行い、自分以外の人にわかるよう証明しなければなりません。

また、以下の5つの条件を満たしていなければ、後遺障害等級認定が認められません。

上記のことに注意し、後遺障害等級認定を進めていきましょう。

後遺障害等級認定の申請について


後遺障害等級認定の申請は、どのように行うのでしょうか。2つの申請方法と必要な書類について説明してきます。

申請方法と必要書類

申請方法は2つあり、事前認定被害者請求です。

事前認定

事前認定は、加害者側の保険会社に後遺障害診断書のみを提出し、後遺障害等級認定の申請手続きは終了です。その後の細かい申請手続きは、すべて加害者側の保険会社が行ってくれます。そのため、申請の手続きで手間がかかることはありません。

被害者請求

被害者請求は、被害者自身で後遺障害等級認定に必要な書類を取得・作成し、加害者側の自賠責保険会社に提出します。事前認定と比べて手間はかかりますが、被害者自身で必要な書類を取得・作成するため、納得のいく後遺障害等級認定を受けらます。

交通事故による頭痛の後遺障害まとめ

この記事で重要なポイントを以下にまとめました。

長引く頭痛で悩まないよう、この記事を参考にしてくださいね。