交通事故治療マガジン

交通事故で略式裁判になった。正式裁判との違いは?

交通事故後に、裁判手続きを行う場合もあります。交通事故の裁判方法は2種類存在し、「略式裁判」と「正式裁判」があります。しかし、「略式裁判」という言葉は聞き慣れないですよね。そこで今回の記事では、「略式裁判」を中心に説明していきます。

交通事故発生から裁判までの流れ

交通事故で加害者には、3つの処分が科せられます。それは、行政処分・刑事処分・民事処分です。このうち刑事処分が裁判の対象となります。刑事処分とは、裁判によって罰金や懲役などの刑罰を決めることです。

▶︎参考:3つの処分について詳しく知りたい方はこちら

交通事故発生から裁判までの流れは以下の通り。

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②警察の取り調べ

警察の取り調べは、以下2つのことを行います。それは、事情聴取実況見分です。

③検察庁の取り調べ

検察庁の取り調べは、加害者を呼び、実況見分調書や供述調書などが適切な内容であるかの確認するために行います。

注意点は1つ。実況見分調書や供述調書の内容が事故の状況と異なる場合は、必ず指摘しましょう。事故状況が異なった内容になっていると、それにあった刑罰を下すことになります。そうなると、実際の自分の刑罰よりも重くなることもあり得るのです。

④検察庁が起訴または不起訴の判断

起訴できる権利があるのは、検察官のみです。そのため、検察庁での取り調べが終わったら、起訴か不起訴の判断を検察庁が行います。

不起訴になる場合とは?

上記の場合は、不起訴となる可能性があります。また、不起訴の場合は前科がつきません。

⑤略式裁判または正式裁判

起訴になった場合は、裁判になります。裁判には2つの種類があり、検察官が事故の内容で略式裁判か正式裁判を決めます。

略式裁判や正式裁判については、次の章で詳しく説明していきます。

交通事故の略式裁判って何?

先程もいいましたが、検察官が起訴した場合には、略式裁判か正式裁判のどちらかの方式をとることになります。ここでは、略式裁判と正式裁判の特徴について説明していきます。

略式裁判

略式裁判は手続きが簡略された裁判で、法廷で審理を行わず、書類だけで加害者の処分を決めることができます。そのため、短期間で問題を解決することが可能です。

略式裁判になる場合は以下の通り。

※1 軽い刑罰として、1000円以上1万円未満を納めさせる財産刑のこと。

正式裁判

正式裁判は、一般的な裁判です。管轄は簡易裁判所や地方裁判所となっており、刑罰に制限はありません。また、略式裁判と異なり、被疑者の同意は不要です。

正式裁判の流れは以下の通り。

上記のように、正式裁判は裁判所に出向く必要があるため、書類のみで判決が決まる略式裁判よりも手間がかかります。

略式裁判を正式裁判に切り替えることは可能?

略式裁判では不満という場合、正式裁判に切り替えることができます。その理由は、刑事訴訟法の第465条によって正式裁判の請求が認められているからです。しかし、正式裁判の請求は、略式命令を受けた日から14日以内に行わなければなりません。正式裁判の請求は、簡易裁判所に書面でその旨を伝えることで、切り替えることができます。

交通事故の略式裁判まとめ

最後に、略式裁判と正式裁判の違いを表にまとめました。

略式裁判 正式裁判
管轄 簡易裁判所 簡易裁判所や地方裁判所
被疑者の同意 必要 不必要
裁判所への出廷 出廷しなくてよい 出廷する必要がある
刑罰 100万円以下の罰金や科料のみ 制限がない

略式裁判や正式裁判についてわからない場合は、この記事を参考にしてくださいね。