交通事故治療マガジン

交通事故で訴状を提出すれば民事裁判が起こせる?書き方を解説!

2ヶ月前、交差点を歩いているところに、車が突っ込んできて交通事故の被害にあった。交通事故で負った怪我も和らぎ、示談交渉を開始した。

示談交渉では、双方の意見がまとまらずにいた。知り合いに相談すると「裁判をして決着をつけた方がいいよ。裁判するには訴状が必要だよ。」といわれた。「交通事故の訴状ってどう書けばいいの?」

このような疑問ありませんか。今回の記事では、

などの説明をします。

交通事故の示談交渉がまとまらない…

交通事故の示談交渉とは、被害者と加害者が損害賠償の金額や支払いなどについて話し合いを行うことをいいます。お金に関する話し合いということもあり、示談交渉がまとまらないこともあります 。

民事裁判を起こす

交通事故で示談交渉がまとまらない場合、民事裁判を行うことになります。交通事故の民事裁判は、誰でも起訴することができ、損害賠償に関する問題を取り扱います。問題解決には、民事訴訟法に基づき審理が行われます。

交通事故の民事裁判には訴状が必要?

交通事故の民事裁判を行う場合、訴状が必要になります。訴状とは、訴えの内容を記載している文書のことです。ここでは、訴状について説明をしていきます。

訴状の記載内容

交通事故の場合、以下のような内容を記載します。

訴状を作成する場合、裁判所に提出するもの、被告人(※1)に送付するもの、自分の控えとして持っておくためのものといった3通を作成する必要があります。また、被告人が複数いる場合は、人数分を作成することになります。

※1 被告人とは、裁判で訴えられる人のことを指す。

訴状の記載例

訴状と一緒に提出する必要書類

訴状だけでは、交通事故の内容を把握することはできません。そのために、一緒に提出すべき書類があります。以下にまとめました。

これらの書類を必要に応じて提出しましょう。

訴状の提出先

交通事故で民事裁判になったとき、訴状の提出先は2つあります。この2つの提出先のうち、自分に当てはまる提出先に提出しなければなりません。

どこの地方裁判所または簡易裁判所に提出するかの判断は、以下の通りです。

上記を管轄する裁判所を選び、提出してください。
また、訴状を提出した後、訴状や書類に不備がある場合は、裁判所から再提出を求められます。

交通事故で民事裁判にかかる費用


交通事故で民事裁判を起こすとき、訴訟費用や弁護士費用が必要になります。しかし、訴訟費用に関しては、民事訴訟法によって裁判に負けた人が支払うと定めています。

訴訟費用

訴訟費用には、訴状や申し立て書に使う収入印紙の手数料や各種書類を送付するための郵便料金などが必要になります。

手数料

手数料は、請求する損害賠償の金額によって異なります。

請求する損害賠償の金額 手数料
①100万円までの場合 請求する金額の10万円ごとに1000円
②100万円以上500万円以下の場合 請求する金額の20万円ごとに1000円
③500万円以上1000万円以下の場合 請求する金額の50万円ごとに2000円
④1000万円以上10億円以下の場合 請求する金額の100万円ごとに3000円
⑤10億円以上50億円以下の場合 請求する金額の500万円ごとに1万円
⑥50億円以上の場合 請求する金額の1000万円ごとに1万円

実際に手数料を計算してみると、以下のようになります。

郵便料金

裁判所が訴状や各種書類を送付するための郵便料金を、あらかじめ切手で納めなければならないのです。郵便料金は各裁判所によって納める金額が異なるので、裁判所に確認する必要があります。

弁護士費用

弁護士を雇う場合、弁護士費用というものがかかります。弁護士費用には、着手金(※2)と報酬金(※3)という2つの費用があります。弁護士費用は、自分の加入している保険会社で弁護士特約をつけていれば、保険会社が負担してくれます。一度、自分の加入している保険会社に確認してみることをおすすめします。

▶︎参考:弁護士特約について詳しく知りたい方はこちら

※2 着手金とは、弁護士に相談した案件に、着手してもらうための費用のことを指す。
※3 報酬金とは、弁護士に相談した案件が終了したときに、成功の程度に応じて支払う費用のことを指す。

交通事故の民事裁判の流れ

交通事故の民事裁判の流れは以下の通りです。

交通事故の民事裁判では、判決が決まる前に和解することもあります。和解をすると、裁判の長期化を避けることができ、金銭面や精神面の負担を少なくすることができます。

※4 口頭弁論とは、争っている問題に対して意見や主張を述べる行為を指します。

▶︎参考:民事裁判の和解について詳しく知りたい方はこちら

交通事故の訴状まとめ

いかがでしたか。今回の記事をまとめると

もし交通事故で訴状を提出することになったら、この記事を参考にしてくださいね。