交通事故治療マガジン

交通事故による症状固定とは?症状固定後の慰謝料はどうなる?

交通事故の怪我は、治療が長引いてしまうと症状固定と判断されてしまう場合があります。しかし「症状固定です。」と言われただけでは、何のことかよくわかりませんよね。
「症状固定って何?」「どうなってしまうの?」と不安が募るかと思います。

この記事では、

など、症状固定についての様々な疑問や不安について、解説しています。

▶︎参考:そもそもむちうちの症状ってどんなもの?

症状固定とは

症状固定とは、これ以上怪我の治療を続けても、症状が緩和する見込みがなく、また悪化することもない状態のことをいいます。

症状固定と判断された時点で、その怪我は後遺症となります。

症状固定の判断は医師が行う

症状固定の判断を行えるのは、医師のみです。

交通事故による怪我の治療を一定期間続けても、大幅な症状の回復が見られないことがあります。症状が回復されない期間が長引くと、「これ以上治療を続けても、症状が回復・憎悪することはない」と、医師が症状固定の判断をします。

症状固定は、「完治」とは意味が異なります。
完治は、「怪我が完全に治り、交通事故にあう前の状態に戻ったこと」をいいます。症状固定は、「交通事故による怪我の症状が体に残り、回復する見込みがない状態」のことをいいます。

保険会社に症状固定といわれたら

加害者側の保険会社に症状固定を促されるケースは、よくあることです。
加害者側の保険会社が症状固定を促してくる理由は、「治療費の打ち切りをしたいから」というものがほとんどです。

しかし前述したように、症状固定の判断ができるのは医師のみです。保険会社から症状固定と言われても、怪我の症状がまだ残っていると感じたら、主治医と相談をして通院を続けるようにしましょう。

症状固定までに必要な期間


交通事故による怪我は、衝撃の程度や身体の丈夫さによって、怪我の症状が変わってきます。また、怪我によって治療期間や症状固定と判断される時期も異なります。

ここでは、むちうち骨折高次脳機能障害、3つの症状固定までにかかる期間について、解説していきます。

むちうちは半年~1年程度

むちうちは、交通事故による原因の怪我で最も多いといわれています。
主な症状としては、首や肩に痛みがあらわれます。しかし、頭痛やめまい、吐き気など、風邪のような症状があらわれることもあります。

むちうちの症状は外見にあらわれないため、客観的に判断されにくくなっています。そのため、症状固定と判断する際は、治療期間や通院期間などが重視されるようです。

一般的には、通院期間が6ヶ月以上になると、症状固定の判断がされるといわれています。しかし、症状の程度には個人差があるため、症状固定までに1年程度かかる場合もあります。

骨折は半年~2年程度

交通事故で骨折した場合、骨が完全に折れてしまったケースと、折れずにひびが入ったケースとでは、治療期間が異なります。また、被害者の年齢や体の健康状態によっても、治療期間に大きな違いが生じます。

骨折は、ひびや折れた骨が元に戻った骨癒合の時点で、症状固定と判断されることが多いようです。しかし、骨折によって神経損傷などがある場合は、リハビリを行ってから症状固定と判断されます。よって、骨折の症状固定までにかかる期間を、一概にいうことはできません。

一般的に、年齢が若い場合は、半年程度で症状固定となるようです。しかし、高齢者の場合は治療期間が長くなるため、 症状固定までに2年程度かかる場合もあります。

高次脳機能障害は1年半~2年程度

高次脳機能障害は、交通事故の衝撃で脳が損傷し、神経回路が傷ついたことで起こる様々な障害のことをいいます。
症状としては、新しい事が覚えられない記憶障害や、気が散りやすくなる注意障害、場違いな行動や発言をする社会的行動障害など、様々です。

高次脳機能障害によって損傷した脳は、完全に回復することは不可能といわれています。
しかし、リハビリを受けることで症状を緩和させることはできます。

高次脳機能障害の症状固定までにかかる期間は、リハビリによって症状の緩和が見られる1年半~2年程度といわれています。この期間は、あくまでも目安です。実際は、医師と相談しながら判断していくことになります。

▶︎参考:高次脳機能障害の症状やリハビリ方法について、詳しく知りたい方はこちら!

症状固定後の慰謝料について


「症状固定後も、今まで通りに治療費や慰謝料を受け取ることはできるの?」と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、症状固定後の慰謝料について解説していきます。

症状固定後は、慰謝料を請求できない

医師に症状固定と判断されたということは、その怪我が後遺症になってしまったということです。

後遺症になると、これまで支払われていた慰謝料は打ち切られてしまいます。また、加害者に対しての慰謝料の請求も行えません。
症状固定と判断された後も治療を続けたい場合は、基本的に被害者の自費となってしまいます。

症状固定後も慰謝料の支払いを受けたい場合


前述したように、交通事故の怪我は後遺症になると、慰謝料の支払いが終了します。

しかし、後遺症が後遺障害と認められることで、被害者は後遺障害慰謝料を請求することができます。後遺症が後遺障害と認められるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

▶︎参考:後遺症が後遺障害と認められるためには?

後遺障害には、1級から14級までの等級があり、これを後遺障害等級といいます。
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級によって支払われる金額が異なります。1級が最も高い金額となり、14級が最も低い金額となります。

後遺障害等級認定を申請

後遺障害等級を認定してもらうには、まずは後遺障害等級認定の申請準備をする必要があります。

後遺障害等級認定の申請準備で、被害者がすべき事は2つ。

後遺障害等級が認定されるには、まずは医師に症状固定と判断されるまで、通院を続けなければいけません。症状固定と判断されないと、後遺障害と認められることは、極めて難しくなってしまいます。

症状固定と判断されたら、そのタイミングで医師に後遺障害診断書を作成してもらいましょう。後遺障害診断書は、後遺障害等級が決定される大切な書面です。医師に記載してもらったら、自覚症状が的確に書かれているか、被害者自身も内容をしっかりと確認しましょう。

後遺障害等級認定の申請方法

後遺障害等級認定の申請準備が整ったら、申請を行いましょう。

後遺障害等級認定の申請方法は、2つ。

加害者請求

加害者請求は、加害者側の任意保険会社にすべての手続きを任せる方法です。被害者がする事は、加害者側の任意保険会社に後遺障害診断書を提出する事のみです。

加害者請求では、被害者が手続きを行う手間を省くことができますが、すべての手続きを加害者側の任意保険会社に任せるため、どのような手続きを行われているか、被害者が知ることはできません。

被害者請求

被害者請求は、被害者自身が直接、加害者側の自賠責保険会社に、後遺障害等級認定の申請を行う方法です。

被害者請求では、被害者自身が後遺障害等級認定の申請をするための必要書類を集め、加害者側の自賠責保険会社へ送ります。すべての手続きを、被害者自身で行わなければいけないという手間はありますが、手続きの透明性を保ちながら進めることができます。

まとめ

交通事故による怪我は、医師によって症状固定と判断されてしまう場合があります。症状固定になると、これまでの慰謝料は打ち切られてしまいます。しかし、後遺障害等級が認定されることで、被害者は後遺障害慰謝料を受け取ることができます。後遺障害慰謝料は、1級から14級まである後遺障害等級によって、金額が大きく異なります。納得のいく後遺障害慰謝料を獲得するには、正確な後遺障害診断書を作成してもらうようにしましょう。