営業車で取引先に向かっていたときのこと。道路に合流しようとした車が、自分が運転していた営業車と衝突し、交通事故の被害にあった。交通事故で怪我を負ったたため、治療をすることになった。
「治療をするために会社を休むことになるんですけど…。」と上司に相談した。すると「労災に休業補償があるから、それを使って治療したらいいよ。」と上司にいわれた。しかし、「休業補償ってどんな補償?」
このような疑問ありませんか。今回の記事では、
- 交通事故の休業補償と休業損害の違い
- 交通事故の休業補償について
- 交通事故の休業補償の計算方法
- 交通事故休業補償の請求手続きについて
上記の内容を説明していきます。
もくじ
交通事故の休業補償と休業損害は何が違う?
交通事故が原因で会社を休む場合、休業補償と休業損害というものが使えます。休業補償と休業損害には違いがあります。以下にまとめました。
- 休業補償:労災保険の補償
- 休業損害:自賠責保険の保障
このように対象となる保険が違うのです。
交通事故の労災について
休業補償は労災保険ということがわかりました、しかし、労災保険とはどのような保険なのでしょう。
労災保険は、通勤中や勤務中に交通事故のような災害にあった労働者を守ることを目的とした保険です。そのため、会社で働く人が加入しなくてはいけない保険となっています。
労災保険で補償されるものは、以下の通りです。
- 療養(補償)給付
- 休業(補償)給付
- 障害(補償)給付
- 遺族(補償)給付
- 葬祭料
- 葬祭給付
- 傷病(補償)給付
- 介護(補償)給付
- 二次健康診断等給付
交通事故の休業補償とは?
休業補償は通勤中や勤務中の交通事故で会社を休み、給与が受けられないときに請求できるものです。有給を使った場合は、働けなくても給与を受け取ることができるため、休業補償を請求することができません。
休業補償の補償内容
休業補償は、会社を休んだ4日目から請求することができます。
休業1日あたり給付基礎日額の60%の金額に加えて、特別支給金として1日あたり給付基礎日額の20%の金額を受け取ることもあるようです。
休業補償の対象になる人
休業補償の対象者は、通勤中や勤務中に交通事故の被害を受けた労働者(パートやアルバイトも含む)です。そのため、専業主婦や無職の場合は休業補償を請求することができません。
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休業補償の支給期間
休業補償の場合、基本的に治療や入院をしている期間中は支払われます。
ただし、治療や入院を始めてから1年6ヶ月後に
- 症状が治っていない
- 労災の傷病等級表の傷病等級に該当する障害がある
上記に当てはまる場合は、支給されるものが傷病(補償)年金に変わります。
交通事故の休業補償はどう計算する?
休業補償は以下の計算によって割り出すことが可能です。
- 休業(補償)給付=給付基礎日額の60%×休業日数
- 休業特別支給金(※1)=給付基礎日額の20%×休業日数
給付基礎日額:交通事故にあう前の直近3ヶ月の平均給与を日額で割り出したもの。
休業日数:完治・症状固定となるまでに会社を休んだ日数。
上記の計算式で計算された、休業補償給付と休業特別支給金の合計が休業補償として受け取る金額になります。
交通事故で休業補償を請求するための手続きについて
休業補償を請求する際に必要な書類は、「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」・「休業給付支給請求書(様式第16号の6)」のどちらかの書類を提出します。通勤中の交通事故の場合は休業給付支給請求書、勤務中の交通事故の場合は休業補償給付支給請求書に記載をします。
これらの書類は、厚生労働省のホームページからダウンロードが可能になっています。そして、記載した書類を労働基準監督署に提出すれば、請求の手続きは終わりです。
その後、支給決定通知書というものが送付され、指定の口座にお金が振り込まれます。
交通事故の休業補償についてのまとめ
いかがでしたか。今回の記事をまとめると
- 休業補償は労災保険の補償、休業損害は自賠責保険の保障
- 休業補償は、通勤中や勤務中の交通事故が原因で、怪我を治療するために会社を休んだときに請求できる
- 休業補償は、(休業(補償)給付=給付基礎日額の60%×休業日数)+(休業特別支給金=給付基礎日額の20%×休業日数)で計算する
- 休業補償を請求する場合は、「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」・「休業給付支給請求書(様式第16号の6)」を労働基準監督署に提出する
通勤中や勤務中の交通事故にあった場合は、この記事を参考にしてくださいね。