交通事故治療マガジン

交通事故が原因で車椅子生活に…加害者に請求できる費用とは?

仕事の昼休みに、お昼ご飯を買おうとコンビニに向かっていた。コンビニに向かう途中の横断歩道を歩いて渡っていると、交差点で車同士がぶつかる事故が起こった。そのうち一台の中型トラックが横断歩道に向かって横転し、中型トラックの下敷きになってしまった。救急隊員に救出されて救急車で病院へ運ばれたが、下半身麻痺になり、今後車椅子生活を送ることになった。

「車椅子の購入費は、金銭面に大きな負担がかかるな。」

このようなお悩みありませんか。今回の記事では、

について説明していきます。

車椅子の購入費は加害者に請求できる?

交通事故で怪我を負った被害者は、車椅子の必要性が認められた場合に限り、加害者に車椅子の購入費を請求することができます。ただし、加害者に請求できる車椅子の購入費は、以下の観点で判断された金額しか支払われません。

しかし、交通事故の被害者が加害者に請求できる費用は、車椅子の費用だけではありません。

交通事故の加害者に請求できる費用

交通事故の加害者に請求できる費用は、以下の3つに分けられます。

積極損害

積極損害とは、交通事故の被害にあい、発生した出費の損害をいいます。

積極損害にあたる費用は、以下の通り。

これらの費用は、必ず加害者に請求できるわけではなく、必要に応じて支払われるものになります。

消極損害

消極損害とは、交通事故の被害にあわなければ、得られたはずだった将来の利益が減少した場合の損害をいいます。

消極損害にあたる費用は、以下の通り。

慰謝料

慰謝料とは、交通事故の被害にあったことで被害者が負った、精神的苦痛の対価として支払われるものをいいます。

交通事故における慰謝料は、以下の通り。

▶︎参考:交通事故の加害者に損害賠償を請求する方法についてはこちら

車椅子生活になった被害者の後遺症について

交通事故の被害にあい、今後車椅子で生活を送ることになった場合、被害者の身体に後遺症が残っていることになります。

交通事故が原因で後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を申請しましょう。後遺障害等級認定を申請し、後遺障害の等級が認められると、被害者は加害者に後遺障害慰謝料や逸失利益を請求することができます。

車椅子を必要とする後遺障害の等級

交通事故にあった被害者が、車椅子生活を送ることになった場合、後遺障害等級認定で以下のような後遺障害の等級が認められる可能性があります。

後遺障害の等級 内容
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
1級5号 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
1級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2級4号 両下肢を足関節以上で失ったもの
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4級5号 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
4級7号 両足をリスフラン関節以上で失ったもの

▶︎参考:【等級別!】後遺障害慰謝料の相場についてはこちら

後遺障害等級認定を申請する方法

後遺障害等級認定を申請する方法は、以下の2通り。

事前認定

事前認定とは、後遺障害等級認定の申請手続きを加害者側の保険会社に、すべて任せる方法です。

事前認定の手続きで被害者が行うことは、加害者側の保険会社に後遺障害診断書を提出することです。その後の手続きに関しては、すべて加害者側の保険会社が行ってくれます。そのため被害者は、手間を省くことができます。

被害者請求

被害者請求とは、加害者側の保険会社に対して、被害者が直接、後遺障害等級認定の申請手続きを行う方法です。

被害者請求で被害者は、後遺障害等級認定の申請に必要な書類を集め、加害者側の自賠責保険会社へ送らなければなりません。そのため、被害者請求は事前認定と比べて、手間と時間がかかってしまいます。しかし、被害者自身で後遺障害等級認定の手続きを行うため、手続きの内容を把握し、納得しながら進めていくことができます。

▶︎参考:後遺障害等級認定の被害者請求で必要な書類についてはこちら

車椅子を必要とする交通事故の被害者の方へ…

いかがでしたか。交通事故の被害者が、車椅子生活を送ることになった場合、車椅子の購入費を加害者に請求することは可能です。その場合、「被害者の身体の状況に対して、どのような材質・機能・耐久性の車椅子が必要なのか」の観点で、加害者側の保険会社は車椅子の購入費として被害者に支払う金額を判断します。

また、車椅子で生活を送ることになった被害者は、身体に後遺症が残っていることになるため、後遺障害等級認定を申請することをおすすめします。後遺障害等級認定を申請し、後遺障害の等級が認められれば、被害者は後遺障害慰謝料や逸失利益を加害者に請求することができます。