交通事故の相手が必ず保険に入っているとは限りません。自賠責保険しか加入していなかったり、自賠責保険にすら加入していないといった無保険の加害者もいます。そこで今回は
、相手が無保険だったときに、被害者はどうすべきかについて解説していきます。
交通事故の相手が無保険ということもある
交通事故を起こした相手が無保険の場合があり、以下のような2つの場合に分けられます。
- 自賠責保険のみに加入
- 自賠責保険と任意保険の両方とも未加入
自賠責保険のみに加入
加害者が自賠責保険のみに加入していた場合、被害者は自賠責保険から支払われる金額分の保障しか受けられません。
自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するための最低限の保障しか得られません。最低限の保障のため、被害者1人に対して支払上限額が120万円と決められています。たとえ、被害者の損害賠償が120万円を超えてしまったとしても、加害者から120万円以上の支払いは受けることができないのです。
自賠責保険と任意保険の両方とも未加入
自賠責保険や任意保険の両方に入っていない場合は、保険金を受け取ることができません。そのため、加害者に財力がなければ、被害者に損害賠償を支払うことは難しいでしょう。
したがって、被害者は「相手から損害賠償が支払われるかわからない」といった状況に陥ってしまいます。
無保険の事故の被害者が補償を受けるには
相手が無保険だった場合、被害者は交通事故による怪我の治療費を負担しなくてはならないことになります。では、被害者が交通事故による損害の補償を受けるにはどうすればよいのでしょうか。
被害者が交通事故による損害の補償を受ける方法は、以下の2つ。
- ①政府保障事業を利用する
- ②自分の保険を使う
①政府保障事業を利用する
政府保障事業とは、ひき逃げや相手が無保険の事故にあい、自賠責保険から保障を受けられない被害者を救済するために、政府が代わりに保険金を支払うという制度です。
政府保障事業の保険金を請求する場合は、損害保険会社の窓口に請求しなければなりません。保険代理店では、政府保障事業の保険金の請求を受け付けていないので注意しましょう。
政府保障事業では、健康保険や労災保険などで受けた給付金を控除した金額を補填するため、控除額や事実確認に時間がかかってしまいます。そのため、保険金を受け取るまでに、ひき逃げの場合は3ヶ月、無保険の事故の場合は7ヶ月の期間が必要です。
②自分の保険を使う
加害者が無保険だった場合、被害者自身の任意保険に「人身傷害保険」や「無保険車傷害保険」といった補償がついていれば、保険金を受け取ることができます。
人身傷害保険
人身傷害保険とは、「相手がいる・いない」や「過失割合」に関係なく、保険に加入している人が交通事故で怪我を負った場合に、保険金による補償が受けられるというものです。
保険金の金額は契約したときに決めた基準額に基づいて、保険会社から支払われます。
無保険車傷害保険
無保険車傷害保険とは、「加害者が無保険の事故」や「補償内容が不十分な事故」などにあったとき、保険金による補償が受けられるというものです。
ただし、保険に加入している交通事故の被害者が、死亡または後遺障害を負った場合に限られています。必ず補償が受けられるというわけではありません。
相手が無保険の交通事故は弁護士に相談!
加害者が無保険の交通事故の対処は、複雑でわかりにくいものです。そんなときは、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、補償を受けるための請求手続きを代わりに進めてくれます。被害者は、煩雑な請求手続きの負担から逃れることができます。
通常、弁護士に依頼する場合は、弁護士費用がかかりますが、弁護士特約を利用すれば、弁護士費用を保険会社が一部負担してくれます。弁護士特約は、自分が加入している保険や家族が加入している保険のオプションとしてついているものです。自分の加入している保険会社や家族が加入している保険で弁護士特約が使えるか、一度確認してみてください。
相手が無保険の交通事故についてのまとめ
いかがでしたか。交通事故の被害にあい、相手が無保険だった場合
- 政府保障事業を利用する
- 自分の保険を使う
という方法で保険金を受け取り、治療費の負担を減らすことができます。また、交通事故の問題に詳しい弁護士に相談して、問題を解決してもらうのもよいと思います。
無保険の事故の被害者になった場合は、この記事を参考にしてみてください。