交通事故にあった際に保険があると安心するものですが、実際に加入するとなると本当に車両保険が必要かどうか、入るべきかどうかを迷っている方も多いのではないでしょうか。
車両保険は、運転者に加入の選択権があります。ご自身の運転技術や運転する頻度に合わせて保障や特典を選択し、加入すべきかを判断できます。
ここでは、車両保険とは何か、車両保険院は入るべきなのか、いつ役に立つのかなど、車両保険の基本について述べて行きます。
車両保険って入るべき?
自動車保険に加入する際に、多くの方が加入するか否かで悩まれるのが、車両保険です。
免許を取得してから期間が経っていない時には、まだ運転などに慣れていななどの理由から多くの方が車両保険に加入します。
しかし数年経ち、運転に慣れてくると車両保険に加入したままにすべきかどうか悩まれる方が多いのではないでしょうか。そもそも車両保険とはなんなのか、そして加入するべきものなのかどうか検証してみたいと思います。
そもそも車両保険とは?
購入した車が、交通事故による衝突や接触などで損害を受けた場合や、当て逃げやいたずらなどに対して、修理費用などを補償してくれる保険のことをいいます。
具体的に、保険金が支払われる事例として、交通事故だけでなく、自然災害やいたずらによる傷、電柱などにぶつける自損事故、飛び石などによるガラスの損傷や盗難などがあり、様々な損害に対して保険金を受け取ることができます。
こんな時に車両保険が役立つ!
実際に、どんなときに車両保険が役立つのかをまとめてみました。
①電柱やガードレールに車をぶつけてしまった時
電柱やガードレールの修理費は、対物賠償保険で補償されます。そして、自分の車の修理費を車両保険がカバーしてくれます。
②盗難や当て逃げにあったとき
盗難や当て逃げで車が傷ついてしまったときに、車両保険に入っているとその修理代をカバーできます。
③事故を起こしてしまった時
相手がいる事故にあってしまった時、9:1や6:4といった過失割合が発生します。この割合によって修理代を双方で分割します。例えば、車の修理代が80万円であったとします。過失割合が当方が2、先方が8であった場合、当方の事故負担額は16万円を負担することになります。その16万円分を車両保険でカバーすることができるのです。
▶︎参考:加害者は修理費用をすべて負担してくれるわけではない!
車両保険と自賠責保険の違い
自賠責保険とは、自動車を所有し、運転する人が必ず加入しなければならない保険です。また、自賠責保険は交通事故の被害者を救済するために、最低限の補償を行うことを目的としています。そのため、補償範囲が限定されています。
車両保険と自賠責保険の補償範囲を以下の表にまとめました。
車両保険 | 自賠責保険 | |
---|---|---|
人に対しての補償 | 相手方に対して:○ | 相手方に対して:△ |
自分に対して:○ | 自分に対して:× | |
モノに対しての補償 | 相手方に対して:○ | 相手方に対して:× |
自分に対して:○ | 自分に対して:× | |
相手方との示談交渉 | ○ | × |
ロードサービス | ○ | × |
それぞれの記号について
○…補償される △…上限額有りの補償 ×…補償しない
上記の表で比較してみると、車両保険の補償の方がしっかりしていることがわかります。
車両保険にある等級制度とは?
車両保険には、等級制度というものがあります。等級の数字が大きいほど、保険料の割引率が大きくなるという制度です。車両保険の等級は最大で20等級まであり、初めて車両保険に加入すると、通常6等級に設定されます。
事故後に車両保険を使うと等級は下がる
車両保険にある等級制度は、事故を起こして保険を使った場合、等級が下がります。どのくらい等級が下がるかというと、だいたい1~3等級下がることになります。そのため、保険料も上がることになりますので注意しましょう。
車両保険はどれくらいの人が加入している?
自動車保険の保険料は、車両保険がある場合の保険料は、ない場合の保険料に加えて、1.5倍から2倍の価格になってきます。そんな車両保険には、自動車保険に加入している方の約45%が加入しています。
車両保険に加入した方がいい場合は?
車両保険に入るべきかどうかは、一律に入ったほうが良い、入らなくても良いということを判断することはできません。それぞれの状況によって変化するのです。
車両の状況によって変わる
高級車や新車などを購入した際には、車両保険を契約することをおすすめします。しかし、
中古車を購入する際や、購入してから数年経ってから契約するのは必ずしもおすすめではありません。
高級車・新車に車両保険が必要な理由
高級車の場合、軽度の損傷に対する修理は修理費が高額になる可能性があります。また、万が一盗難にあってしまったら、再購入するためには多額のお金が必要になるため、車両保険が役に立ちます。
車両保険の保険金額は、契約時の時価額相当で決定されます。
そのため、新車を購入した場合には十分な保険金額を設定することが可能なので、もし保険金を受け取る状況になった時に、中古車に比べて多い金額を受け取れることできるのです。
10年目以降の中古車には不要
車両保険の保険金額は契約時の時価相当額で決定されてしまいます。そのため、中古車などを購入した際に、車両保険に加入すると、その時の購入車の時価相当額が受け取れる保険金の上限となってしまいます。すると事故にあった際に、修理費用が時価相当額を超えてしまう可能性が新車に比べて高くなってしまいます。
もちろんその差額は実費で負担、または相手がいる事故であれば過失割合などから負担額が決定してしまうことになります。
車両保険は保険料が高いため、その補償内容が自分にとって不利になってしまうことあることを注意しなければなりません。
車両保険のまとめ
車両保険に入るかどうかは、それぞれの状況に合わせて、加入するかどうかえお考えていかなければなりません。
しかし、10人に1人は保険の対象になる事故を起こしているというデータも存在します。
自動車事故を起こす可能性は決して低いものではなく、車両保険を使うことになってしまう可能性は決して低くないのです。事故を他人事に考えず、しっかりと加入すべき保険には加入することをおすすめします。