交通事故にあい怪我を負うと、通院をはじめとして大変なことが多いですよね。少しでも負担を軽減するために、より通いやすい病院へ変更したいと思うのもごく自然なことです。では、どのようなポイントを押さえればスムーズに転院することができるのでしょうか？
今回は、交通事故の怪我における転院について、知っておきたいポイントをご紹介します。
交通事故で通う病院は変更できる？
交通事故による怪我で病院へ通院していても、以下のような理由で「病院を変更したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
- 自宅から離れた病院へ搬送された
- 治療に満足いかない
- 引っ越しをする
- 担当医と合わない
交通事故で怪我を負った場合、どの病院へ通うかは、被害者自身に選択権があります。
したがって、交通事故による怪我の治療中であっても、病院を変更することは可能です。
しかし、加害者側の保険会社が、病院を変更することに難色を示す場合があります。交通事故による怪我の治療費を負担するのは、加害者側の保険会社です。そのため、被害者が治療を受ける病院を変更する場合、保険会社は様々な手続きを行わなければいけません。
では、どのような点を押さえておけば、病院を変更することができるのでしょうか？
病院を変更することのメリットとデメリット
まずは、病院を変更する前に、転院のメリットとデメリットを知っておく必要があります。
病院を変更するメリット
転院による主なメリットは以下の4つです。
通院しやすくなる
現在通う病院から、より自宅に近い病院へ変更することで、通院しやすくなります。
より良い治療を受けられる場合がある
現在通う病院での治療に満足できない場合、交通事故による怪我の治療に詳しい医師の元へ転院することで、より良い治療を受けられる可能性があります。
より良い診断書を書いてもらえる場合がある
交通事故による怪我が後遺症となった場合、後遺障害等級認定を申請する場合があります。この後遺障害等級認定の申請で大切なのが、医師による後遺障害診断書です。転院によってより交通事故による怪我の治療に協力的な医師が見つかれば、適切な後遺障害診断書を書いてもらえる可能性があります。
ストレスが軽減される
交通事故は体だけでなく、精神的にも負担が大きいです。病院や担当医と相性が悪い、怪我の治療に不満があるといったストレスがある場合、転院によって軽減される可能性があります。病院に安心して通院できることは、十分なメリットになります。
病院を変更するデメリット
次に、デメリットを見ていきましょう。デメリットを理解することはとても大切です。
転院先が良い病院とは限らない
転院先が交通事故の被害者の対応に詳しくない場合や、診断書の作成にあまり協力的でない場合も考えられます。転院先が必ずしも今よりも良い病院だとは限りません。
転院が不利になる場合もある
短い期間に転院を繰り返し行うと、病院ではなく患者であるあなたに問題があるのではないかと保険会社に思われてしまう可能性があります。また、何度も医師が変わることによって、治療経過がわかりづらくなり、様々な手続きで不利益を被る場合があります。
以上のように病院を変更することには、メリットと同じようにデメリットも存在します。
メリットとデメリットを理解した上で、病院を変更するためのポイントを見てみましょう。
病院を変更するためのポイント
スムーズに病院を変更するために、押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
紹介状を書いてもらう
原則として病院を変更する場合、主治医に紹介状を書いてもらい、その紹介状を持って新たな病院へ行くという流れが一般的です。
しかし、紹介状を書いてもらえない場合や、被害者が不利になるような内容を記載する場合があります。可能な限り紹介状を書いてもらうのが望ましいですが、たとえ紹介状がなくても転院自体は可能です。
加害者側の保険会社に伝える
病院を変更する理由と共に、相手側の保険会社へ報告しておきましょう。報告がされないと、治療費の支払いを受けられない場合があります。
そのまま治療費が打ち切られる場合も
病院を変更したいと保険会社に伝えた場合、そのまま治療の終了を打診される場合があります。治療を継続するためにも、治療が必要だと記した医師による診断書が大切になります。
診断書に転医と記載してもらう
病院を変更する際に、担当医に誤って「治癒」や「中止」と記載されてしまう場合があります。きちんと「転医」と記載してもらいましょう。
なるべく早めに転院する
病院を変更する際に、交通事故から時間が経過しすぎていると、転院先はこれまでの治療経過を見ていないため、適切な診断書を作成してもらえない場合があります。
交通事故の治療でも病院は変更可能
今回、交通事故の治療で病院を変更するためのポイントを紹介しました。現在の病院を変更することには、メリットとデメリットがあります。より良い転院をするためにも改めて知っておきたいですね。