交通事故で行政書士に相談。弁護士や司法書士との違いとは?

2019年02月01日

交通事故にあったら、保険の手続きや示談交渉など、不安なことがあるかと思います。そんなとき、行政書士に相談するのはどうなのでしょうか。

そこで今回は、交通事故に関して行政書士ができること、弁護士と司法書士の違いなどについて解説していきます。

交通事故の相談は行政書士にすればいいの?

行政書士に交通事故の相談をすることができます。行政書士とは、行政書士法に基づく国家資格を持つ人のことです。

行政書士の職務内容は主に以下4つです。

  • 書類作成する
  • 書類の手続きを代理で行う
  • 契約書を代理で作成する
  • 相談を受ける

そんな行政書士が、交通事故に関してできること・相談するメリットは、何があるのでしょうか。

交通事故に関して行政書士ができること

先程の職務内容からもわかるように、行政書士は書類を作成する専門家です。そのため、交通事故に関しての職務の場合、以下のようなことができます。

  • 後遺障害等級認定の手続き(被害者請求)
  • 自賠責保険の被害者請求の手続き
  • 政府保障事業に対しての申請手続き

このように、行政書士は書類作成や手続き、それに伴った相談ができます。しかし、弁護士法72条(※1)によって示談交渉を行うことはできません。

※1 弁護士法72条では、弁護士以外の人が報酬を受け取り、当事者に代わって訴訟や示談交渉を禁止しています。

▶︎参考:政府保障事業について詳しく知りたい方はこちら

交通事故の相談を行政書士にするメリット

行政書士のメリットを以下にまとめました。

  • 交通事故直後からサポートをしてくれる
  • 書面主義で行われる、後遺障害等級認定の申請や異議申し立てに強い
  • 弁護士や司法書士に比べて費用が安い

行政書士以外に交通事故の相談ができるのは?

行政書士以外にも交通事故の相談ができる人がいます。それは、弁護士司法書士です。

弁護士

弁護士とは、弁護士資格である国家資格をもつ法律の専門家のことです。弁護士の職務内容は、依頼を受けて法律事務を処理することです。

交通事故の相談を弁護士した場合、以下のような特徴・メリットがあります。

  • 示談交渉をしてくれる
  • 裁判になったとき、代理人になってくれる
  • 弁護士基準が使えるため、慰謝料の増額が見込める

▶︎参考:弁護士基準について詳しく知りたい方はこちら

司法書士

司法書士とは、司法書士法に基づく国家資格を持つ人のことです。司法書士の職務内容は、登記(※2)に関する業務を中心に行い、加えて裁判事務も行います。

司法書士の中でも、認定司法書士の資格を持っている人であれば、弁護士同様の活動をすることができます。ただし、損害賠償額が140万円以下かつ簡易裁判所で行われるものに限られています。

交通事故の相談を司法書士にした場合、以下のような特徴・メリットがあります。

  • 損害賠償額が140万円以下かつ簡易裁判所で行われるものあれば、示談交渉ができる
  • 書類を作成してもらえる
  • 弁護士より費用が安い

※2 登記とは、個人・法人・不動産・債権など法律の重要な権利や義務を保護し、円滑な取引を実現するためのものです。

行政書士でも弁護士特約は使える?

行政書士に交通事故の処理を頼んだ場合、費用がかかってしまします。弁護士の場合、自分が加入している保険の弁護士特約を使うことで、弁護士費用を保険会社が負担してくれます。

このような特約が行政書士の場合にも使えればいいのにと思いますよね。弁護士特約というものは、弁護士の費用だけでなく、行政書士や司法書士の費用に対しても使うことができます。

弁護士特約の内容を簡単にまとめると

  • 行政書士・弁護士・司法書士の相談料・書類作成費用:10万円まで保障
  • 行政書士・弁護士・司法書士の着手金費用:300万円まで保障

しかし、弁護士特約の内容は保険会社によって異なります。一度、自分が加入している保険会社に確認してみてください。

▶︎参考:弁護士特約について詳しく知りたい方はこちら

\交通事故に詳しい相談員がアドバイス/

交通事故で行政書士に相談する場合のまとめ

今回の記事で重要なことは

  • 交通事故の相談は、「行政書士・弁護士・司法書士」に相談ができる
  • 行政書士は、示談交渉ができない
  • 行政書士は、弁護士や司法書士に比べて費用が安い
  • 弁護士特約は、「行政書士・弁護士・司法書士」に使える

この記事を参考にして、行政書士に交通事故の相談をしてみてはいかがでしょうか。