友人とランチをする約束をしていたため、目的地に向かって歩道を歩いていた。車道を暴走していた一台の車が、柵のある歩道に乗り上げ、自分とぶつかった。この事故で怪我を負い、救急車で運ばれた。運ばれた病院で1日安静にし、翌日退院した。退院後は、通院することになっていた。
「治療費を加害者に請求したいけど、保険会社とのやりとりは大変そう。弁護士に相談して、どうすべきか知りたい。」
こんなお悩みありませんか。今回の記事では、
- 弁護士に無料相談できるところはどこか
- 日弁連交通事故相談センターについて
- 交通事故紛争処理センターについて
などについて説明していきます。
弁護士に無料相談をしたいとき
交通事故にあったとき、
- 保険の手続きがわからない
- 示談交渉がうまくまとまらない
- 裁判になってしまった
- 治療費の打ち切りを打診された
などの問題が出てくるかもしれません。
このような問題を弁護士に相談する場合、基本的に相談料というものが必要になることがあります。しかし、弁護士に無料相談できるところもあります。
それは、「日弁連交通事故相談センター」または「交通事故紛争処理センター」です。
日弁連交通事故相談センター
日弁連交通事故相談センターは、弁護士が交通事故の損害賠償問題を正しくすみやかに処理し、解決するためのものです。国(国土交通省)からの補助金や日弁連・弁護士会など多くの方からの寄付金で運営されているため、無料で利用することができます。
交通事故紛争処理センター
交通事故紛争処理センターは、交通事故の当事者の利益が正当なものになるよう、交通事故の問題を適切に処理するサポートを行い、解決するためのものです。全国に11ヵ所あり、サポートを無料で受けられます。
日弁連交通事故相談センターでできること
日弁連交通事故相談センターでできることは、無料相談を含めて3つのことができます。
- 無料相談
- 示談成立のサポート
- 示談あっ旋が不成立だったときの審査
無料相談
無料相談で相談できる内容は
- 損害賠償の計算について
- 損害を賠償する義務があるかの判断
- 過失割合について
- 賠償する責任があるのは誰なのかの判断
- 損害賠償の請求方法
- 政府保障事業に関して
- 示談の仕方や時効などの法律の問題 など
しかし、以下に該当する場合は、無料相談を利用できないので注意しましょう。
- 弁護士法第72条に違反している方からの申し込み
- 相談者が代理人となる弁護士を選んでいる場合
- 相談回数が5回を超えている場合
- 交通事故の当事者本人以外(親族を除く)からの申し込み
- その他で相談すべきでないと認められた場合
また、日弁連交通事故相談センターで無料相談をする方法は、電話または面接によって行われます。
電話で行う無料相談
電話で行う無料相談は、1人10分程度と時間が設定されています。そのため、交通事故の問題でも簡単なものしか回答できません。10分程度で回答できる相談であれば、電話での無料相談を利用しましょう。
面接で行う無料相談
面接で行う無料相談は、相談者と弁護士で面接の形式で行うものです。電話で行う無料相談とは異なり、事故の状況を把握して問題を解決してくれます。そのため、複雑な相談は面接での無料相談を利用するのがよいでしょう。
示談成立のサポート
日弁連交通事故相談センターの弁護士が間に入り、公平で中立な立場で示談成立するためのサポートを行います。
日弁連交通事故相談センターでサポートできるのは、以下の場合に限ります。
- 人身事故
- 人損を伴う物損事故
- 物損事故(※賠償責任者が任意保険・任意共済に加入している場合)
示談が成立しなかったときの審査
日弁連交通事故相談センターで行った示談が成立しなければ、審査を行うことができます。
日弁連交通事故相談センターで行われる審査は、専門家で構成されている審査委員会が行います。被害者が審査結果に同意した場合、加害者側は尊重しなくてはなりません。反対に同意しなかった場合は、調停や訴訟になります。
交通事故紛争処理センターでできること
交通事故紛争処理センターでは、以下のことができます。
- 法律相談
- 弁護士の紹介
- 和解のあっ旋
- 審査の手続き
法律相談
法律相談では、示談交渉についての相談を被害者と弁護士が面談形式で行います。
相談をするときは、事前の電話予約が必要です。2回目以降の相談日は、相談時に被害者と弁護士が打ち合わせをして決めます。
ただし、示談交渉をする段階でない場合の法律相談は行っていないため、交通事故直後や治療中の場合は相談することができません。
弁護士の紹介
交通事故紛争処理センターでは、示談交渉に慣れていない交通事故の被害者に、相談担当弁護士を紹介しています。相談担当弁護士が紹介される場合に、費用はかかりません。担当の弁護士は、被害者自身が選ぶことはできず、示談が終了するまで担当が弁護士が変わることありません。
和解のあっ旋
和解あっ旋とは、交通事故の示談交渉で問題が起きたとき、弁護士が間に入って問題を解決させるための制度のことです。被害者が弁護士に和解あっ旋を依頼した場合、相談をした際に和解あっ旋が必要だと弁護士が判断した場合に行われます。
審査の手続き
相談担当弁護士が和解あっ旋がうまくいかなかった場合、当事者双方に通知を出します。その通知を受けた当事者双方は、個別事案の審査申し立てをすることができます。審査申し立てができる期間は、通知後から14日までとなっているので注意しましょう。
無料相談で準備しておくとよい書類
日弁連交通事故相談センターや交通事故紛争処理センターの無料相談を利用する場合、以下の書類を準備しておくことをおすすめします。
- 交通事故証明書
- 事故状況がわかる図
- 事故現場の写真
- 診断書
- 治療で出費したものの領収書
- 事故前の収入がわかるもの
- 加害者の任意保険 など
上記のような書類を準備しておけば、相談する際に話しがスムーズに進むでしょう。
弁護士の無料相談についてのまとめ
いかがでしたか。弁護士に相談をしたいときは、「日弁連交通事故相談センター」や「交通時期紛争処理センター」を利用してみましょう。この2つの機関は、無料で利用することができます。また、相談を行う前には話しをスムーズに進めるためにも、事故に関する書類を準備しておきましょう。