交通事故治療マガジン

入通院慰謝料とは 交通事故後すぐには受け取れないって本当?

もしも交通事故にあったら…車の修理や怪我については想像できても、慰謝料や示談について想像するのはなかなか難しいかもしれません。しかし、交通事故に関わる慰謝料や示談について知っておいて損はありません。今回は、交通事故後の入通院慰謝料について解説します。

交通事故後の慰謝料とは

そもそも交通事故の慰謝料とはどのようなものなのでしょうか?

交通事故の被害者となってしまった場合、加害者や加害者の加入する保険会社は、被害者が受けた損害を補わなくてはなりません。
被害者の受けた損害を、主に金銭によって補うことを損害賠償といいます。
そして、損害賠償に含まれるものの1つに慰謝料があるのです。

慰謝料は損害賠償の1つ

損害賠償は、主に積極損害、消極損害、慰謝料の3つに分けることができます。

入通院慰謝料とは?

損害賠償は大きく3つに分けることができ、その中の1つが慰謝料です。そして、慰謝料には後遺障害慰謝料と入通院慰謝料があります。

入通院慰謝料の相場 3つの基準

では、入通院慰謝料はいくらくらい受け取れのか気になりますよね。
入通院慰謝料の相場には、3つの基準があり、どの基準で計算するかによって、受け取れる金額が異なります。

自賠責基準

自賠責基準とは、運転者が強制的に加入する自賠責保険を基にしたものです。
自賠責基準の慰謝料は、1日あたり4,200円と法律で決まっています。
では、どのように日数を割り出すかです。

入院の場合

入院した期間の日数を使って計算します。
例えば2ヶ月間(60日)入院したとすると、60日×4200円となります。

通院の場合

治療期間の日数と、実通院日数を2倍したものを比較して、より少ない日数を使って計算します。
例えば、治療期間が3ヶ月(90日)だったときを考えてみましょう。

自賠責保険は、損害賠償の総支払額を120万円までと決められています。そのため、120万円を超えてしまった場合は、自賠責基準は使用できず、任意保険基準に基づいて計算します。

任意保険基準

任意保険基準は、加害者が加入する任意保険会社が定めたものです。そのため、任意保険基準は基本的に公表されることがありません。しかし、一般的に、自賠責基準より高く、弁護士基準より低い金額になると言われています。
また、被害者の怪我の症状や程度、月平均の通院日数によって増減します。

弁護士(裁判)基準

弁護士基準とは、裁判所の過去の判例などを参考にしたものです。自賠責基準や任意保険基準よりも高く設定されています。

弁護士基準で慰謝料を請求するためには、妥当性のある根拠が必要になります。
痛みとはあくまでも主観的なものです。そのため、画像診断といった他覚的所見のある傷害よりも、他覚的所見のないむちうちに代表される症状は減額されることがあります。

入通院慰謝料はいつ受け取れる?

入通院慰謝料は、加害者側の保険会社と示談が成立した後に支払われます。
そのため、通院しているからといってすぐに受け取れるものではありません。

示談のタイミングはいつ?

交通事故後の示談は、どのようなタイミングで行えばいいのでしょうか?

実は示談交渉そのものは、交通事故後すぐにでも行うことができます。
しかし、もし交通事故で怪我をしてしまった場合は、少し慎重になる必要があります。
怪我が完治していない状態で示談が成立してしまうと、本来なら請求できた損害賠償金が、請求できなくなる場合があります。
交通事故によって怪我を負った場合は、基本的に治療が終了してから示談交渉を開始しましょう。また、治療の終了を判断するのは医師です。医師の指示に従いきちんと通院を継続しましょう。

交通事故の通院慰謝料には通院日数が関係する!

今回は、交通事故によって入院や通院することになった場合の、入通院慰謝料について紹介しました。怪我をした場合は、治療終了と医師に判断されるまで、通院を続けましょう。その後に、示談交渉を行い、示談が成立すると、慰謝料を受け取ることができます。また入通院慰謝料は、入通院した日数を元に計算されます。