交通事故で怪我を負ったため、加害者側の保険会社に連絡をした。すると、「交通事故証明書や診断書などを取得しておいてください。」といわれた。
「交通事故証明書ってどうやって取得すればいいの?」
このようなお悩みありませんか。そこで今回は、交通事故証明書について解説していきます。
交通事故証明書とは?
交通事故証明書とは、交通事故の事実を確認したことを証明する書類です。自動車安全運転センターが、警察から提供された証明書類をもとに、交通事故証明書を交付しています。
交通事故証明書の見方
交通事故証明書には、以下のような内容が記載されています。
- 事故照会番号
- 発生日時と場所
- 加害者と被害者の情報
- 事故の類型
- 照会記録簿の種別
- 備考
それぞれの項目について、以下で詳しく解説していきます。
事故照会番号
事故照会番号には、管轄の警察署名と事故時の情報を照会するための照会番号を記載しています。
発生日時と場所
発生日時と場所には、事故がいつ・どこで発生したのかという情報を記載しています。
加害者と被害者の情報
加害者と被害者の情報には、住所・氏名・生年月日といった基本情報だけでなく、以下の情報も記載されています。
- 車種・車両番号
加害者と被害者が乗っていた車種と車両番号(ナンバープレート)が記載されます。
記載例:普通乗用自動車 品川87た2234 - 自賠責保険関係・証明書番号
加害者と被害者が加入している自賠責保険の会社名と自賠責保険証明番号が記載されます。
記載例:○○火災 1-356-7845 - 事故時の状態
事故時の状態には、運転・同乗・歩行・その他の項目があり、事故時どのような状態だったかに○がつけられます。
事故の類型
事故の類型には、人対車両・車両相互(車対車)・車両単独(自損)・踏切・不明(調査中)の項目があります。該当する事故の類型に○がつけられます。
照会記録簿の種別
照会記録簿の種別には、今回の事故が人身事故なのか、物損事故なのかが記載されています。
備考
加害者・被害者以外の事故当事者がいるのか、いないのかを記載しています。もし加害者・被害者以外の事故当事者がいる場合は、別紙に記載されます。
また、交通事故証明書の「甲」の欄に加害者、「乙」の欄に被害者の情報がそれぞれ記載されます。
交通事故証明書は何に使う?
交通事故証明書は、加害者に損害賠償を請求するときに必要になる書類の1つです。加害者に損害賠償を請求する場合、加害者請求または被害者請求で行います。
加害者請求
加害者請求は、まず加害者が被害者に損害賠償を支払います。その後、加害者自身が加入している保険会社に保険金を請求するという方法です。
被害者請求
加害者から賠償が受けられない場合に、被害者が直接、加害者側の保険会社に請求する方法です。
被害者請求を行う場合、以下のような書類を取得し、加害者側の保険会社に提出します。
- 保険金(共済金)・損害賠償額・仮渡金支払請求書
- 人身事故で処理されている交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 医師が書いた診断書
- 診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
- 印鑑証明書(本人確認のため) など
交通事故証明書はどうやって発行する?
交通事故証明書は、警察に事故の届出をしていなければ発行できません。そのため、事故が起こった場合は、必ず警察を呼ぶようにしましょう。また後日痛みが出て、物損事故ではなく、人身事故の交通事故証明書が欲しい場合は、以下のリンクを参考に人身事故への切り替えを行ってください。
▶︎参考:物損事故から人身事故に切り替える方法についてはこちら
交通事故証明書を申請できるのは、交通事故の加害者・被害者、事故当事者の親族、保険金の受取人などに限られています。また、交通事故証明書の発行期限は、以下のように定められています。
- 人身事故の場合:事故発生から5年
- 物損事故の場合:事故発生から3年
交通事故証明書を発行する方法は、以下のように3通りです。
- ゆうちょ銀行または郵便局での払込み
- 自動車安全運転センターの事務所窓口での申込み
- 自動車安全運転センターのHPからの申込み
ゆうちょ銀行または郵便局での払込み
交通事故証明書の申込用紙に必要事項を記入し、交付手数料(1通 540円)を添えて、最寄りのゆうちょ銀行または郵便局で申し込みます。交付手数料の他に、ゆうちょ銀行または郵便局での払込料金がかかります。申請が終わってから交通事故証明書が手元に届くまでに、約10日かかります。
同じ内容の交通事故証明書は申請書1通で、何通も申し込むことができますが、料金は変動します。
自動車安全運転センターの事務所窓口での申込み
交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行しているので、自動車安全運転センターの事務所窓口で申し込むこともできます。交通事故の発生場所にかかわらず、最寄りの自動車安全運転センターの事務所で申し込みが可能です。
自動車安全運転センターの事務所窓口で、窓口専用の申請用紙に必要事項を記入のうえ、交付手数料を添えて申し込みます。自動車安全運転センターで申し込んだ場合、今回の交通事故に関する資料が警察署から届いていれば、交通事故証明書を即日交付することができます。交通事故証明書が即日交付できない場合は、後日郵送になり、手元に届くまで約10日かかります。
ゆうちょ銀行または郵便局での申請と同様に、同じ内容の交通事故証明書は申請書1通で、何通も申し込むことができますが、料金は変動します。
自動車安全運転センターのHPからの申込み
自動車安全運転センターの事務所窓口へ行くことなく、HPから申し込むことも可能です。ただし、自動車安全運転センターのHPから申し込む場合は、交通事故の加害者・被害者本人しか申し込みができません。また、申し込みにはいくつかの条件があるため、注意が必要です。
交付手数料は、コンビニやネットバンクなどで支払うことができますが、それぞれの払込手数料は申請者が負担しなければなりません。
交通事故証明書についてのまとめ
いかがでしたか。交通事故証明書は、交通事故の事実を確認したことを証明する書類です。加害者に損害賠償を請求するときに必要になります。
交通事故証明書を発行する方法は、以下の3通り。
- ゆうちょ銀行または郵便局での払込み
- 自動車安全運転センターの事務所窓口での申込み
- 自動車安全運転センターのHPからの申込み
交付には手数料や申請条件などがあるので、確認してから申し込むようにしてくださいね。