物損の交通事故を起こしたらどうする?加害者がすべきこと

2018年11月09日

物損の交通事故を起こしてしまった場合、「事故後の対応どうすればいいの?」「保険の手続きが難しくてわからない。」といったお悩みや不安がありませんか。

今回の記事では、物損事故の加害者が知っておくべき「事故後の対応」や「モノに対する賠償」などについて解説していきます。

物損事故と人身事故の違いとは?

そもそも物損事故と人身事故の違いをご存じでしょうか。

物損事故とは、怪我人がおらず、モノのみが壊れた事故のことです。物損事故で処理された場合、以下のような特徴があります。

  • 物損事故の加害者は、道路交通法違反をしない限り、行政処分の点数が加算されない。
  • 物損事故の加害者は、刑事処分を受けない。
  • 物損事故の場合、慰謝料は発生しないが、モノに対する賠償責任はある。
  • 物損事故の場合、任意保険は使えるが、自賠責保険が使えない。

一方、人身事故とは、怪我人がいる事故のことです。人身事故で処理された場合、以下のような特徴があります。

  • 人身事故の加害者は、民事処分・刑事処分・行政処分を受ける。
  • 人身事故の場合、被害者に対する慰謝料が発生する。
  • 人身事故の場合、自賠責保険と任意保険の両方が使える。

上記のように、物損事故と人身事故で処分や賠償の範囲が異なるため、事故処理は大切です。交通事故の処理が間違えていた場合は、必ず切り替え手続きを行うようにしてください。

▶︎参考:物損事故から人身事故へ切り替える方法についてはこちら

交通事故後の対応【物損編】

物損事故を起こしてしまった場合、以下のような手順で事故処理を行いましょう。

  • 二次被害の防止
  • 警察に連絡する
  • 現場検証に立ち会う
  • 事故で壊れたモノの所有者を確認し、連絡をする
  • 自分が加入している保険会社に連絡する

二次被害の防止

物損事故を起こしてしまった場合、加害者には道路の状態を安全に保つ責任があります。物損事故で壊れたモノ道路に散乱していると、後続車が事故に巻き込まれてしまうかもしれません。

そのため、物損事故を起こした後は、発炎筒や停止表示機材などを使用し、周囲に非常事態を知らせるようにしましょう。

警察に連絡する

道路が安全な状態になったら、警察に連絡をします。軽い物損事故だったとしても、警察に連絡をしなければ、交通事故証明書を発行することができません。交通事故証明書は、加入している保険会社に保険金を請求する際に必要になります。

また、警察に連絡することは、道路交通法で義務づけられています。もしも物損事故を起こしたのに警察へ連絡しなかった場合、処罰の対象になってしまいます。処罰の内容としては、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金になります。

したがって、必ず警察に連絡をするようにしてください。

現場検証に立ち会う

警察に連絡をしたら、警察官と加害者・被害者立ち合いのもと、現場検証が行われます。現場検証は、損害の程度や事故の発生原因などを確認し、損害賠償の金額を決める際の判断材料にするために行われます。

事故で壊れたモノの所有者を確認し、連絡をする

事故でガードレールや家の塀を壊してしまった場合、加害者は壊れたモノに対する損害を賠償しなければなりません。そのため、壊れたモノが誰のものか確認をし、連絡をしましょう。

事故で壊れたモノが個人の場合は、氏名・住所・電話番号などをメモします。一方、壊れたモノがガードレールや電柱などの公共物だった場合は、以下を確認して連絡するようにしてください。

  • ガードレールの場合
    国、都道府県、市町村といった道路の管理者
    (設置場所で管理者が異なる)
  • 電柱の場合
    電力会社や電話会社
    (電柱に所有者プレートが取り付けられている)

自分が加入している保険会社に連絡する

事故処理がある程度落ち着いてきたら、自分が加入している保険会社に、電話やインターネットで連絡をするようにしましょう。ただし、物損事故の場合、自賠責保険が使えないため、任意保険会社に連絡をすることになります。

保険会社に連絡を入れることで、物損事故の加害者は保険金を受け取ることができます。したがって、必ず自分が加入している保険会社に連絡をするようにしましょう。

物損の交通事故でモノが破損したら?

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物損事故を起こしてしまった場合、以下のようなモノに対する損害が発生します。

  • 公共物や個人のモノに対する損害
  • 自分の車に対する損害

公共物や個人のモノに対する損害

公共物や個人のモノを壊してしまった場合、自分が加入している保険の対物賠償保険というものを使います。

対物賠償保険とは、公共物や相手の車、個人の所有するモノなどを壊した場合に使うものです。対物賠償保険で補償される金額は、保険会社との契約内容で異なります。もしも補償金額を超える賠償額を請求された場合は、自己負担になります。

自分の車に対する損害

物損事故で自分の車がへこんでしまったり、部品が取れてしまうこともあります。その場合に使える保険が車両保険です。

車両保険とは、自分の車が壊れた場合に使える保険です。車両保険で補償の対象は、保険会社との契約内容で異なります。

▶︎参考:事故車を修理する場合の流れについてはこちら>

【注意】任意保険を使うと、保険料が上がる!

任意保険には、1~20等級までの保険の等級が設けられています。任意保険では、この保険の等級に応じて、保険料を割引・割増を適用するという等級制度があるのです。

任意保険を使った場合は等級が低くなり、保険料は割増されます。反対に、任意保険を使わい場合は等級が高くなり、保険料は割引されます。したがって、任意保険を使うか、使わないかをしっかりと見極める必要があります

物損の交通事故についてのまとめ

いかがでしたか。物損の交通事故を起こしてしまった場合、以下の手順で事故処理を行います。

  • 二次被害の防止
  • 警察に連絡する
  • 現場検証に立ち会う
  • 事故で壊れたモノの所有者を確認し、連絡をする
  • 自分が加入している保険会社に連絡する

その後、壊れたモノの賠償を行いましょう。物損事故の場合、任意保険を使うことになります。しかし、任意保険を使うと保険料が上がることもあるので、「任意保険を使うべきなのか」ということを慎重に判断してくださいね。