交通事故治療マガジン

交通事故の行政処分!累積点数によるペナルティの内容とは?

交通事故や交通違反を起こしたら、運転者に対して違反点数が加算されます。そして、違反点数が一定数に達した際には、加害者に対して「行政処分」が行われます。

行政処分を課せられた加害者は、点数に応じて「免許停止」や「免許取消」のペナルティを負わなければいけません。今回は、違反点数の累積数に応じた行政処分について、詳しくご紹介していきます!

交通事故を起こしたら免許に点数が加算される

交通事故や交通違反を起こすと、事故の大きさや違反の程度に応じて、運転者の免許に違反点数が加算されます。違反点数は一定期間累積されていき、決められた点数に達すると運転者に対して行政処分が課せられます。

物損事故では点数が累積されない

交通事故は、「物損事故」と「人身事故」の2つに大きく分けることができます。

物損事故の場合、加害者に対して行政処分は課せられません。しかし、当て逃げや無免許運転など、交通違反と物損事故を同時に起こした場合は、加害者は行政処分を負わなければいけません。

行政処分の他に加害者が負う法的責任

交通事故の加害者は、行政処分の他に「刑事処分」と「行政処分」を負わなければいけません。
それぞれどういう処分内容なのか、見ていきましょう。

刑事処分

刑事処分とは、交通事故によって人を死傷させてしまった場合に、加害者が負う刑罰のことをいいます。交通事故の犯罪には「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」があり、裁判官から加害者に対して罰金刑や懲役刑などの判決が言い渡されます。

▶︎参考:交通事故の刑事処分について、詳しく知りたい方はコチラ!

民事処分

交通事故の加害者が負う民事処分とは、いわゆる損害賠償のことです。損害賠償とは、交通事故によって様々な損害を受けた被害者に対して、加害者が損害の埋め合わせを行うことです。

交通事故の加害者が被害者に対して支払う損害賠償は、以下の3つ。

▶︎参考:交通事故の損害賠償について、詳しく知りたい方はコチラ!

交通事故で加害者に課せられる違反点数

人身事故を起こすと、まず安全運転義務違反として基礎点数が2点加算されます。この基礎点数を基準とし、さらに交通事故の状況に応じた点数が累積されていきます。

基礎点数に累積されていく点数は2点から始まり、20点まであります。

死亡事故の場合

交通事故によって被害者が死亡してしまった場合、加害者の一方的な不注意によって発生した場合は20点、被害者にも何らかの過失があった場合は13点が加算されます。

重傷事故パターン1の場合

加害者の一方的な不注意で被害者に怪我を負わせてしまい、治療期間が3ヶ月以上、さらに後遺障害が残ってしまった場合は13点、被害者にも過失があった場合は9点が加算されます。

重傷事故パターン2の場合

加害者の一方的な不注意で被害者を負傷させてしまい、治療期間が30日以上3ヶ月未満である場合は9点、被害者にも過失がある場合は6点が加算されます。

軽傷事故パターン1の場合

加害者の一方的な不注意によって被害者を負傷させてしまい、治療期間が15日以上30日未満の場合は6点、被害者にも過失が認められている場合は4点が加算されます。

軽傷事故パターン2の場合

加害者の一方的な不注意によって被害者に怪我を負わせてしまい、治療期間が15日未満の場合は3点、被害者にも過失がある場合は2点が加算されます。

違反点数が累積されるとどうなる?

交通事故や交通違反によって違反点数が累積されると、加害者に対して「免許停止」や「免許取消」のペナルティが課せられます。

それでは、「免許停止」や「免許取消」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

▶︎参考:累積点数によってペナルティの内容は変わる?詳しく知りたい方はコチラ!

免許停止

免許停止とは、一時的に免許の効力を停止させられる行政処分のことをいいます。一時的なものであるため、免許停止の期間が過ぎると、再び免許の効力を取り戻すことができます。

免許取消

免許取消はその名の通り、免許が取り上げられてしまう行政処分のことをいいます。
免許取消となると、一定期間免許を取得することができない「欠格期間」という期間も設けられます。

免許をもう一度取得するには、欠格期間を経過したのち、再び教習所へ通う必要があります。

累積された違反点数がリセットされる条件

交通事故や交通違反によって加算された違反点数は、過去3年間分が累積されていきます。

ただし、以下のいずれかを満たしている場合は、以前の交通違反や交通事故の点数は累積されません。

交通事故の累積点数についてまとめ

いかがでしたか。交通事故や交通違反を起こした運転者に対して課せられる行政処分は、2つ。

行政処分の他にも行政処分や民事処分など、交通事故の加害者は様々な法的責任を負わなければいけません。日々安全運転を心がけ、交通事故の被害を防ぎましょう。