交通事故治療マガジン

人身の交通事故を起こし、罰金を支払うことに…。分割支払いは可能?

交通事故を起こし、人身で処理された事故の加害者は、刑事処分を受けて罰金を支払う可能性もあります。人身事故の場合、支払うべき罰金が高額になることもあるため、加害者は金銭的な負担を感じるかもしれません。

そこで今回は、「人身事故の加害者が支払う罰金を分割で支払えるのか」について解説していきます。

人身事故の加害者が受ける処分

人身事故の加害者は、民事処分行政処分刑事処分の3つの処分を受けることになります。

この3つの処分のうち、刑事処分は交通事故の加害者に対して刑事罰を科す処分のことです。刑事罰には、懲役禁固罰金といった3つのものがあります。

懲役や禁固の場合、加害者は身柄の自由を奪われることになります。一方、罰金の場合、加害者はお金を支払う必要があります。では、人身事故を起こした加害者が支払うべき罰金の額は、いくらになるのでしょうか。

人身の交通事故で支払う罰金はいくら?

人身事故の加害者が刑事処分で支払う罰金は、被害者の怪我の程度によって異なります。以下の表にまとめました。

被害者の怪我の程度 罰金の額
治療期間が3ヶ月以上 懲役・禁固
または50万円の罰金
後遺障害あり
治療期間が30日以上3ヶ月未満 30万~50万円
治療期間が15日以上30日未満 20万~30万円
治療期間が15日未満 12万~30万円

上記の表からわかるように、罰金の額が50万円になることもあり、多額のお金が必要になります。罰金には支払い期日があり、裁判所から送られてきた振込用紙に書かれています。もしも罰金の支払い期日を過ぎてしまった場合、加害者はどうなるのでしょうか。

罰金の支払い期日を過ぎてしまった場合

罰金の支払い期日を過ぎてしまうと、加害者は労役場へ留置されてしまいます。労役場で労働を行い、罰金の支払をすることになるのです。

労役場で1日働くと、一般的に5000円の対価が支払われます。したがって、50万円の罰金であれば、50日間労役場で働く必要があります。

加害者になってしまったとき、上記のような労役場留置は避けたいですよね。「罰金を一括で支払うことが難しくても、分割なら支払える。」という考えの方も多いと思います。では、罰金を分割で支払うことは可能なのでしょうか。

罰金の支払いは分割できる?

罰金は、基本的に分割支払いにすることはできません。ただし、法務省には以下のような規定があります。

第16条 徴収金について納付義務者から納付すべき金額の一部につき納付の申出
があった場合において,徴収主任は,事情を調査し,その事由があると認めると
きは,一部納付願を徴して検察官の許可を受けるとともに,検察システムにより
その旨を管理する。

徴収事務規程

上記のことから、分割で支払うことも可能だとわかります。しかし、罰金を分割支払いにするには、正当な理由が必要です。

罰金が支払えないと感じたら…

罰金が支払えないと感じた場合、弁護士に相談してみることをおすすめします。弁護士は、法律の知識を持っており、「問題を解決するにはどうすればよいか」を一緒に考えてくれます。

弁護士に相談する場合、弁護士特約が使えるかの確認をしておきましょう。弁護士特約とは、弁護士が必要になったときにかかる費用の一部を保険会社が負担してくれるというものです。弁護士特約を使えば、法律相談費用を10万円弁護士の着手金費用を300万円まで、負担してくれます。

弁護士特約を利用する場合、加入している保険会社に連絡を入れるようにしてくださいね。

人身事故の罰金支払いについてのまとめ

いかがでしたか。人身事故の加害者で罰金の刑罰を受けた場合、国に多額のお金を支払わなければならないことがあります。

罰金の支払いは、基本的に一括支払いで行うものです。ただし、正当な理由がある場合は、分割払いが認められることもあります。

また、罰金の支払いが期日までに支払えない場合は、労役場留置となる可能性があるので気をつけましょう。